花王から出ている「プリティア ふんわり泡カラー」という製品が染めやすいとCMや口コミで評判になっているようですが、実体はどのような感じなのかを調べてみました。
セルフカラーについて
はじめに、セルフカラーの問題点について美容師の観点から述べておきます。
セルフカラーとは美容室に行かないで薬剤だけ買って自分で染める事ですが、
一般にスーパーやドラッグストアで売られているカラーリング剤と、美容室で使われているカラーリング剤の差はあまり無いと考えます。
セルフカラーと美容室でのカラーリングへの価値観は、様々かと思います。
これは料理をファーストフードで簡単にというのと、ある程度お金はかかってもレストランで手の込んだ料理を落ち着いて食べるのと似ていますね。
ただし、セルフカラーをする事によって以下のような危険性が生じる恐れがあります。
・髪の毛が痛む。
・希望色に染まらない。
・ムラになり易い。
・目などに入ったり、カブレなどが起きる可能性。
美容室で行なうカラーリングの施術は、美容師としての技術をもって、きれいにそして安全に染める事が出来ます。
しかし、セルフカラーは技術もない方が、自身や美容師ではない人が行う事で、様々なトラブルが起きる可能性が高く、そうしたトラブルによる弊害を直そうとしてもセルフカラーでは不可能ですし、美容室で直すのも難しい作業となります。
また、髪の毛が痛んだ場合、完全には治す事は美容師でも難しいケースが起こり易いのがセルフカラーです。
価格:
花王株式会社
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泡カラーの特徴とその仕組み
情報を元に予測したものなので一概に正しいとは限りませんが、泡カラーの仕組みは以下のような感じになります。
製品の内容的には、染料とアルカリ剤を含む1剤と酸化剤を含む2剤を混ぜて使う「酸化染毛剤」に順ずる物であり、2剤に非イオン性界面活性剤という起泡目的の界面活性剤を用いて、薬剤自体を泡状にしている。
泡状のカラーリング剤は以上の仕組みから、液状のカラーリング剤を泡状にさせた物であり、基本的に液状の染毛剤と変わりないと考えられます。
液状の染毛剤は浸透や塗布がしやすく、染めムラが元々起きにくい染毛剤です。
ただし、頭の上でも髪の質や太さや体温が違い、染まりやすい髪の場所と染まりにくい場所が存在します。よって、染めムラが完全に起きないとは限りません。
また、塗布量の調整が難しい為、染まりやすい所と染まりにくい所によって塗り分けも難しいのが特徴です。
さらに、泡状ゆえに、毎回、以前染めた髪の毛にも薬剤を付ける事になりますから、ダメージを増やす事が多くなります。
さらに、処方を見ましたが、アンモニアというアルカリ剤を使用して、薬剤の浸透と発色・脱色をしやすくしています。
そのアンモニアの匂いをなくすための処方をしているので、アンモニア特有の匂いは少ないようですが、揮発をさせにくくしている関係上、アルカリが残留してダメージが継続的に残る可能性があります。
アフターケア用に洗い流さないトリートメントをつけているのもそのためと思われ、そうした残留アルカリを中和目的で酸化剤を含んでいるようです。
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