最初に、これはすきバサミですが、普通のとはちょっと違います。 このハサミで一回髪をはさんで切ると、 70パーセント切れます。 つまり3割が残るギザギザなラインが出来るというわけです。 なので通常、髪の毛の毛量調整時に使うのではなく、 刈上げや、最初からラインを出さないスタイルにしたい場合に用います。 このすきバサミを使ったフェザータッチなレイヤーにするためのカットの技法もあります。 刃渡り6インチ。オフセットハンドル(※手で持つところを『ハンドル』と言いますが、 その長さが互い違いになっていて、手になじみやすく負担がかかりにくいです。 ちなみにシンメトリーハンドル、またの名を『めがね型』と言われる、左右対称のタイプもあります。) 次ぎにこのハサミは刃先に特徴があります。 なんだか刃先がカールしていますよね? こういった刃を『笹刃』と言います。 ちなみに刃の断面の形状はコンベックスまたの名を『ハマグリ型』で薄くて鋭いです。 その形状から刃先は髪よりも薄く、髪を切った後に髪自体飛び散りません。 ストロークカットやスライド(スライジング)カット、 エフェクトカットを含めたドライカット(Tomoはウェットでもスライドカットをするので分けて説明。)にも用いますが、 ウエット時にも小回りが効くので愛用しています。 刃渡り6.5インチ。オフセットハンドル。 オーソドックスなタイプのすきバサミです。 一回の開閉で30%の髪の毛量を取ります。 主に毛量調整用として用いていますが、 フェザーな毛先を表現するときに、毛先をねじってカットして使ったり、 ポインティングカットにて、髪のパネルを『間引く』ために使うこともあります。 刃渡り6インチ。オフセットハンドル。 メーカーの指定する名前でこのすきバサミを通称『G−like(ジーライク)』と言います。 一回の開閉で1〜3%の髪の毛量を取ります。 誤解の無いように言っておきますが、「切れない」のではなく、そういう仕様の特殊なハサミです。(笑) なぜ、そのような切れ方をするかと言うと、 すいた後にラインが出てしまうすき方にしないためです。 実にやさしい仕上がりを表現でき、Tomoが特に多用している一本です。 他のメーカーでもこのパーセンテージのすきバサミがありますが、 どれを試してもラインが出てしまう結果となりました。 まあ、それから4年ほど経っていますので、もっといいはさみが出ているかも知れませんね。 ちなみにこのハサミのギザギザした方の歯は、一本一本に「Vの字」の切れ込みが入っており、 髪を切った後に、引っかかったりしにくい特殊な構造になっています。 刃渡り6インチ。オフセットハンドル。 このシザーズは、上で説明した『はまぐり刃』のシザーズとは違い、 『剣刃』と『一段刃』をあわせた仕組みになっています。 刃先に段差がある構造上、頑丈でかつ軽いため、 硬いくせ毛や男性の太い髪でも容易に切ることが可能です。 刃渡り7インチ。オフセットハンドル。 こちらはとても小さくて、殆ど使用されません。 小回りが聞くので、細かい箇所にて(耳周りなど)使うことがあります。 『剣刃』と『ハマグリ刃』のあわせです。 こちらはちゃんとした銘がありまして、 推測ですが、刃渡り2.5〜3インチ。オフセットハンドル。 『ハイネッタ』と言います。割と高かったと思いますが、 もともと父親のものでいくらだったかは知りません。 こんど聞いてきます。天国に。 「あのよー」 ・・・ すいません。また怒られる夢見そうです。 実際貰ってから何年か経って、 癌でこの世を去りましたが、形見のハサミになってしまいました。 いま彼は釣竿に持ち替えて、今日も夜釣りに行っていると思いますよ。 もしくは居酒屋。天国にもあるのかな? こちらも形見のハイネッタ。 こちらは使っていたのですが、研ぎはハイネッタのメーカーに直接送らないといけないため、 使い勝手が悪いので置いてあります。 こちらも高かったとは思いますが、今では分かる術がありません。 刃渡り6インチ。オフセットハンドル。 上の方でハンドルの指かけの形状で、『めがね型』の話が合ったのですが、 ご紹介したく母のを借りました。 このサイズが手の小さい女性向です。 たまにカットに入れ込むタイプの美容師で男の人でも 小さいサイズのはさみを使っているのを見かけます。 ようは好みと信念の違いなのかも。 Tomoはオフセットハンドルが楽で好きなのです。 とはいえ、最初に見習いのときに持ったのは、このめがね型でした。 というわけで、色んなハサミをご紹介してみましたが、どうでしたかね?? こんど行きつけの美容室に行ったら、 その担当の方のハサミをじっくりご覧になってみてはいかがでしょうか? オイラのとはまた違うハサミがまだまだいっぱいありますよ。 でわでわ。 2004.05.17 |