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起こるべくして起きた「ビビリ毛」訴訟。パーマの失敗で髪がチリチリになった女性が美容室に約490万円の損害賠償を求め提訴

パーマの失敗で髪がチリチリになった高松市の女性が、結婚式が台無しになったとして香川県内の美容室の経営者に約490万円の損害賠償を求めて1月10日付で高松地裁に提訴しています。
女性は2013年1月にデジタルパーマを受けましたが、その際に髪がもつれるような状態になり、美容室経営者の男性から勧められたストレートパーマで縮れ毛が出るようになり、7月に再びストレートパーマをかけると毛先から25cmが縮れ、髪の毛を15cm切らざる得なくなったということです。
女性側は7月末に結婚式を挙げる予定だと5月の時点で店に伝えていたとし「式で披露するはずの自慢の長い髪の毛を失い、お色直しなどの予定も直前に変更した。一生に一度の晴れ舞台が台無しになった」と主張しています。

デジタルパーマは昔の「電髪」(一番右)と発想が一緒

起こるべくして起きた「ビビリ毛」訴訟。パーマの失敗で髪がチリチリになった女性が美容室に約490万円の損害賠償を求め提訴

起こるべくして起きた失敗パーマ「ビビリ毛」訴訟

10年以上美容室サイトをしていますが、当初から髪の毛が縮れたりチリチリになる「ビビリ毛」の直し方の相談がありました。
ですから、いつかは訴訟があるだろうなという予想はしていましたが、かなり時間がかかった印象です。
多くがストレートパーマをかける人が「ビビリ毛」の相談をされることが多いのですが、単純に傷んだだけでなったものではなく、パーマの作用も影響している「ビビリ毛」は修復はかなり難しい状況になります。
ここ数年で増えているデジタルパーマについても、熱を入れて無理やりパーマ効率を上げているため、施術ミスが起きやすくトラブルも増えているようです。

関連報道の中で最も多くはてブが付いている朝日新聞によれば『訴状によると、女性は昨年1~7月、3回にわたりこの美容室でデジタルパーマやストレートパーマを受けたが、たわし状の縮れ毛が出るなど、毛先から25センチ以上がチリチリの状態になり、15センチ分、髪を切るしかない状況になった』と書かれていますが、詳しい内容が書かれていませんでしたので、『ストパーとデジパ短期間で何度もやったらどう考えても痛むだろ。頼む方もおかしいけど、やる方もおかしい。』というはてブに多くのはてなスター(いいね!のような物)がついています。
しかしながら、パーマは2ヶ月おきにすることは珍しいことではありません。
今回問題なのは、パーマで傷んだ髪の毛をストレートパーマで更にダメージを与えたことです。
読売新聞によれば『女性は2013年1月、デジタルパーマを受け、毛先がもつれた状態になった。経営者の男性の勧めでストレートパーマを2度受けたが、髪が縮れるなどし、先端から15センチ分、髪を切らざるを得なかった。』としており、産経新聞によれば『訴状によると、女性は昨年1月に美容室でパーマをかけたが毛先がもつれたようになり失敗。元に戻すために勧められ5月に行ったストレートパーマで、縮れ毛が出るようになった。7月に再びストレートパーマをかけたが毛先から25センチ以上が縮れ、15センチの長さを切らざるを得なくなった。』と報じています。
つまり、この女性を施術をした美容室の人は最初にかけたデジタルパーマで髪の毛を損傷させ、損傷した髪の毛をストレートパーマで縮れさせ、縮れた髪の毛を再度ストレートパーマで縮毛にしてどうしようもない状態にしたようです。

気になるのは最初のデジタルパーマの時点で問題があり、2度のストレートパーマで更に問題を悪化させているのですが、そのフォローを美容室はしていたのかどうかが気になります。

当方に髪の毛のトラブルで相談される人が多くいますが、相談される多くの方が美容室に手直しや保証を求めない方が多いので質問したことがありますが、「そんな酷い髪にした美容室に関わりたくない」と仰っていた人がいました。
女性はしたい髪型と違う髪になって帰るわけですが、違う髪型にされた挙句にお金を取られるばかりか、女性の命である髪の毛を切らなくてはいけなくなってしまうのは、どれほど辛いことであるか計り知れません。

そもそも髪の毛に無茶してかける「デジタルパーマ」と「ストレートパーマ」

デジタルパーマとは、髪の毛にカーリング剤(通常のパーマのコールド剤ではないことが多い)を塗布して放置した後に乾かし、デジタルパーマ用のロッドに巻いてロッドを加熱してから2液をつけて固定する方法を指します。
ただこれは戦時中の電髪(電気パーマ)と同じ発想のものであり、元々は日本の美容よりも技術が遅れているような韓国から輸入してきたようなシロモノです。
通常のコールド剤は医薬部外品ですが、最近は化粧品部類のカーリング剤というものが色々出ていて、わざわざ弱い還元力のカーリング剤で髪の毛にカールを付けるために、熱を入れて無理やりパーマをかけているのですから、髪の毛の状態によっては余計に時間もお金も髪の毛の負担もかかる施術だと思います。

ストレートパーマにしても、通常のパーマは髪の毛の1液による軟化(髪の内部の結合を切ること)の度合いは2割から3割で済むところを、ストレートパーマは8割辺りまで軟化させる必要があり、それをさらに高温のアイロンで処理するのですから、見術な人が施術して失敗すれば髪の毛は傷んでしまいます。

アイロンなどを用いる直接的な熱処理によるパーマは、髪が乾いた状態で求める髪の毛の形状を再現させることに効果的である一方、高温で処理することで髪の毛の単発室が熱変性で硬化し、次にパーマをかける際にはかかりにくくなるということも起こります。
卵や肉を焼いた後に生の状態に戻せないのと似ています。

デジタルパーマやストレートパーマに似たような処理で、理容の「アイロンパーマ」や「パンチパーマ」がありますが、あれは理容師さんの技術によって成立しているものです。
ところが美容業界では未熟な技術者がデジタルパーマやストレートパーマを行うことで髪の毛を台無しにするトラブルが起きており、今回の訴訟を起こされた女性以外にも被害者がいることから、これからこういった訴訟が増えるのではないでしょうか。
また、知識ばかり頭に詰め込んで髪の毛の状況の見極めが出来ず、お客さんのことを考えられない美容師が増えていますから、こちらも注意されたほうがいいでしょう。

女性側の弁護人がどの程度パーマの原理や知識をわかった上で美容室での施術の問題点を追求できるかでしょうが、今回の裁判の行方は美容室関係者は人ごとにしてはいけません。
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