TikTokを運営する中国のByteDance(バイトダンス)社が2026年2月に発表した最新の動画生成AIモデルSeedance 2.0は高い生成能力を誇る一方で、公開直後から日本および海外で深刻な著作権侵害や肖像権侵害の事例が相次ぎ、国際的な問題となっています。

Seedance 2.0は、従来のモデルから飛躍的な進化を遂げ、高解像度の映像生成だけでなく、最大9枚の画像や複数の動画を参考資料として入力できるマルチモーダル機能を備えています。また、テキストから映像と同期した音声を同時に生成できる「ネイティブ音声映像生成」も特徴の一つです。
実在の人物をリファレンスとして入力できる機能が問題となって、日本では主にアニメキャラクターや政治家のディープフェイク動画が問題視され、海外でも著作権・権利侵害が多数発生して米国を中心に、ハリウッドの映画スタジオや俳優団体から猛烈な抗議を受けています。1

日本における著作権・権利侵害の事例
- アニメキャラクターの無断生成
『ONE PIECE』のルフィや『ドラえもん』などのキャラクターに酷似した動画がSNS上で拡散されました。 - 政治家への攻撃的動画
高市早苗首相(設定上の呼称)が『ウルトラマン』に攻撃されるといった不適切な動画が投稿され、政府が懸念を表明しています。 - 政府の対応
小野田知的財産戦略担当大臣は、実務担当者に対し事案の改善に努めるよう指示しました。また、日本政府は開発者や利用者に対し、既存の法令やガイドラインの遵守を強く求めています。
海外における著作権・権利侵害の事例
- ハリウッド俳優の無断利用
トム・クルーズとブラッド・ピットが屋上で殴り合う動画や、ウィル・スミスが登場する動画がバイラル化しました。2 - 映画・ドラマのIP侵害
『アベンジャーズ』『ロード・オブ・ザ・リング』『フレンズ』などの作品に基づいたシーンが大量に生成されています。 - 法的措置と抗議
・MPA(アメリカ映画協会)
「大規模な著作権侵害である」と非難し、ByteDanceに対し侵害行為の即時停止を求めました。
・ディズニー
自社IPが無断で学習・利用されているとして、ByteDanceに対し停止通告書(Cease and Desist)を送付しました。
・SAG-AFTRA(映画俳優組合)
俳優の音声や肖像の無断利用を「露骨な侵害」として強く批判しています。 - 3機能の制限
これらの批判を受け、ByteDanceは実在の人物をリファレンスとして入力できる機能を一時停止するなどの対応に追われています。

- 中国ネット大手の映像生成AI 偽動画や権利侵害に懸念も…日本政府は法令遵守を呼びかけ(日テレNEWS NNN) – Yahoo!ニュース ↩︎
- Seedance 2.0 Sparks Hollywood Backlash| The Hollywood Reporter ↩︎
- Yicai 第一财经 Seedance 2.0 has suspended its real-person material reference capability, a worker at Bytedance’s AI video model said in a group chat, of which a screenshot is circulating online today. | Facebook ↩︎