「中国がAIで高市潰し?」生成AI悪用疑惑の全貌とは

「中国がAIで高市潰し?」生成AI悪用疑惑の全貌とは

中国当局と関連する主体が、ChatGPTを悪用し日本国内の世論誘導を図ったとされる問題。標的となったのは対中強硬姿勢を示す高市早苗首相でした。AI時代の情報戦とは何か?私たちはどう向き合うべきなのかを考察します。1

「中国がAIで高市潰し?」生成AI悪用疑惑の全貌とは
「中国がAIで高市潰し?」生成AI悪用疑惑の全貌とは

中国の高市首相信用失墜工作とは

中国による高市早苗首相への「信用失墜工作」とは、中国当局の関係者が生成AI(ChatGPT)を悪用し、高市首相の政治的影響力や社会的信用を組織的に削ごうとした一連の世論操作計画を指します。 

米OpenAI社が2026年2月に発表した報告書によって、その具体的な内容が明らかになりました。 2 3

工作の具体的な内容と手法

OpenAIの調査によると、中国当局と関連のある主体が以下の活動を行っていたとされています。

  • ChatGPTへの相談
    中国の関係者が2025年10月頃、ChatGPTに対し「高市首相の信用を失墜させるための工作計画」への助言や、効果的な攻撃手法の提案を求めていました。
  • 偽情報の生成と拡散
    ・高市首相を標的とした否定的・批判的なコメントを自動生成し、SNS上で拡散させる計画を立てていました。
    ・AIを使って高市首相の画像や映像を捏造し、本人が話しているかのように装った「偽広告」や「ディープフェイク」を流布させ、公衆を惑わそうとした形跡が確認されています。
  • 世論の誘導
    日本国内の世論を分断させたり、特定の政治的決断を批判するミーム(画像やネタ)を作成し、Pixivなどのプラットフォームも利用して拡散を試みていました。4

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中国法執行機関と関連するアカウントがChatGPTに相談

高市氏が内モンゴル自治区の人権状況を批判した直後、以下の内容の世論工作計画を依頼
  • SNSで高市氏への中傷コメントを大量生成
  • 拡散 移民政策や物価高を批判する偽の苦情(外国人在住者を装う)
  • 「極右傾向」のレッテル貼り
  • 米国の関税への不満を煽る
  • 内モンゴルの「好条件」を宣伝

ChatGPTはこれを拒否(政治干渉・偽情報拡散に抵触するため)

  • その後、同じユーザーは「作戦の進捗報告書」の編集をChatGPTに依頼。(作戦は中国国内のAIモデルで実行された模様)
  • OpenAIはこのアカウントを即時停止し、報告書で公表。中国側は「事実無根」「根拠のない中傷」と全面否定(中国外務省・毛寧報道局長)

別途、日経新聞などの報道では、2026年2月の衆院選期間に約400アカウント(中国関連とみられる)がAI生成画像やハッシュタグを使って高市氏を攻撃(統一教会関連のデマなど)していたことも指摘されていますが、OpenAI報告のChatGPT件とは直接連動したものではなく、並行した工作と見られています。影響はどちらも「限定的で不発」と評価されています。56

工作の背景:なぜ高市首相が標的なのか

中国が特に高市首相をターゲットとした背景には、彼女の対中強硬姿勢や台湾に関する発言があると分析されています。 

  • 台湾有事への言及
    高市首相が「台湾有事は日本の存立危機事態になり得る」と発言したことに対し、中国政府は「内政干渉である」と激しく反発していました。
  • 安全保障政策
    防衛費増額や日米同盟の強化を推進する姿勢が、中国側にとって不都合な政治リーダーとみなされた可能性があります。7 8

中国が自国AIではなくChatGPTを使った理由

自国AI(Ernie、Qwen、DeepSeekなど)の検閲・制限が厳しすぎる

中国製LLMはCCPの安全ガイドラインで厳格にフィルタリングされており、外国首脳への偽情報工作計画や中傷コンテンツ生成を拒否・制限されるケースが多い。逆にChatGPTは(当時)そうした政治的検閲が緩く、複雑な戦略立案(6要素の詳細計画)や多言語(日本語対応含む)で高品質な出力が期待できた。

計画・文書作成に優れた性能を求めた

ユーザーはChatGPTを「仕事日誌」として日常的に使っていました。作戦の進捗報告書の編集・推敲に適しており、中国国内AIより論理的・創造的な推敲力が上回っていたとみられます。実際の実行(投稿生成)は中国AIに切り替えた形です。

痕跡隠蔽やテスト目的の可能性

国内システムを使うと中国当局内で監視されやすい一方、海外AI(VPN経由)なら「外部ツール」として使い捨て感覚で使えたのかもしれません。ただし結果的にOpenAIの監視で完全暴露されました。

要は「自国AIではできない高度な計画立案」を求めてChatGPTを選んだのに、拒否+ログがすべてOpenAIに記録されて自爆した、という皮肉な結果です。報告書でも「中国は自国モデルで本実行した」と明記されています。

この件は中国の「ネットワーク特戦(cyber special operations)」の実態を世界に露呈した形になり、日本国内では「外国干渉への警戒強化」や「AI規制議論」のきっかけにもなっています。

現状と対応

  • OpenAIの対応
    同社はこれらの要求が自社の利用規約に違反するとして、関連アカウントを停止し、工作への協力を拒否したことを公表しました。
  • 中国側の反応
    中国外務省は「事実は全くなく、中国を中傷するものである」と述べ、関与を全面的に否定しています。9

Xでの反応

中国の行ったとされる高市早苗首相(当時・首相就任前後)への信用失墜工作は、2026年2月25日(現地時間)にOpenAIが公開した安全報告書で明らかになったものですが、X上でも様々な反応があります。。

「ChatGPTよくやった」「中国のバカ正直」

ユーザーがChatGPTを作戦日誌代わりに使っていた点を突き、「証拠を自分で残すとは愚か」「OpenAIに感謝」「卑怯な工作がバレて当然」といった投稿が多数。動画ニュースの引用も多い。

中国非難・日本擁護

「内政干渉」「選挙干渉」「高市政権が中国に不都合だから狙われた」「自民党下げ工作と同じ論調のマスゴミは黙っている」など。TBS・news23などの報道を引用しつつ「大問題なのにメディアはスルー」との声も。

中国否定への皮肉

中国外務省の「事実無根」発言に対し、「証拠上がってるのに認めないチンピラ国家」「口が裂けても認めない」との反応が目立つ。

その他

一部で「影響は小さかったから大丈夫」「高市首相は強い」といった安心感や、過去のフェイク画像拡散(中国接続元Androidなど)と結びつける投稿も。全体のエンゲージメントは中程度で、炎上というより「また中国か…」という諦め混じりの論調が多いです。 (例: 「中国当局がChatGPTに相談→拒否されて中国AIで実行→OpenAIが全部暴露」という流れをネタにする投稿が散見)

要するに、反中感情を刺激し、高市首相支持層を中心に「工作がバレて良かった」「ChatGPT正義」ムードが広がっています。反対派や中立層の投稿は少なく、目立った擁護は見られませんでした。

日本人はどう向き合うべきなのか

外国人勢力による巧妙な世論操作に惑わされないために、私たちは以下の3つの視点を持つことが重要です。

  1. 「情報の出所」を疑う習慣
    感情を揺さぶる画像や過激なハッシュタグを見た際、すぐに拡散(シェア)せず、発信元が信頼できるメディアか、あるいは作成されたばかりの不自然なアカウントではないかを確認する「一呼吸」が大切です。
  2. AI生成技術への理解
    現在は、本物と見分けがつかない画像や動画をAIで安価に大量生産できる時代です。「証拠写真があるから真実だ」というこれまでの常識をアップデートし、デジタル技術による捏造の可能性を常に念頭に置く必要があります。
  3. 分断を煽る意図を察知する
    工作活動の目的は、特定の候補者を落とすことだけでなく、日本社会の中に「対立」と「不信感」を植え付け、民主主義を機能不全に陥らせることにあります。極端な主張に接したときこそ、冷静に多角的な情報を当たる姿勢が求められます。

こうした「情報リテラシー」を一人ひとりが高めることが、国政を守る最も身近で強力な防衛策となります。

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  1. OpenAI、高市首相を狙った中国関連の世論工作を報告 ChatGPTは加担を拒否 – ITmedia AI+ ↩︎
  2. ChatGPT、高市首相狙った中国の情報工作への協力拒否-OpenAI報告書 – Bloomberg ↩︎
  3. 中国によるChatGPTを使った高市早苗首相への信用失墜攻撃を拒否したとOpenAIが公表 – GIGAZINE ↩︎
  4. 高市首相の信用失墜、AIに相談 中国当局の関係者、昨年10月|47NEWS(よんななニュース) ↩︎
  5. 衆議院選挙、中国系400アカウントが「反高市工作」 日本語発信やAI活用で巧妙に – 日本経済新聞 ↩︎
  6. 中国系の400アカウント、Xで「反高市工作」 衆院選 AI画像も活用、巧妙に – 日本経済新聞 ↩︎
  7. 高市総理の“有事発言”で強硬化する中国 台湾に近い日本最西端・与那国島の不安と本音【報道特集】|TBS NEWS DIG – YouTube 2025/11/22 ↩︎
  8. 【中国政府が反発】高市総理の「存立危機事態」答弁めぐり日本政府に抗議 台湾有事めぐり|TBS NEWS DIG – YouTube ↩︎
  9. 【速報】高市首相信用失墜工作「事実無根」と中国|47NEWS(よんななニュース) ↩︎