「球」

けふきょう球に玉砕した人を見た
愛犬の散歩に石手川公園に行くと
途端にその人の股間にサッカーボールが当たった
その人は狼狽うろたへたが
もう間にあはなかつた
ぱつくり口があいたきりで
天を仰ぎ見るばかりであつた
気の毒やら可笑しいやら
Tomoは笑ひ出しさうになつた

【井伏鱒二】の代表作「顎」風に書いてみましたが、意味が判りませんね。
でもいきなり「顎の外れた人」を見たくらい、可笑しいのだけれど可哀想で笑えない状況であったわけです。

要するに、先日愛犬・アリスの散歩に石手側公園に行ったのですが、ワールドカップ熱に当てられたのでしょうか。
若者達がサッカーをしていたのですね。

っで、１人がシュートでサッカーボールを蹴ったら、その蹴られた球は脇にいた人の股間にダイレクトに当たりまして。
その股間がまさに「球に玉砕」した状況を目の当たりにして、可笑しいのだけれど可哀想で笑えない状況でありました。

これは痛かったと思うよ。
「タマラン」と言っていたかどうかは知らん。

井伏鱒二の「顎」を知らない人は続きに。

「顎」

けふ顎のはづれた人を見た
電車に乗つてゐると
途端にその人の顎がはづれた
その人は狼狽へたが
もう間にあはなかつた
ぱつくり口があいたきりで
舌を出し涙をながした
気の毒やら可笑しいやら
私は笑ひ出しさうになつた

「ほろをん　ほろをん」
橋の下の菖蒲は誰が植ゑた菖蒲ぞ
ほろをん　ほろをん

私は電車を降りてからも
込みあげてくる笑ひを殺さうとした

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EXCERPT: