シリコン入りシャンプーとノンシリコンシャンプーの論争があったので読んでみました。
シリコン入りシャンプーは洗浄力の強いシャンプーに用いられる事が多いとあるのですが、それは概ねその通りで、多くのシャンプーは洗浄力や起泡力が優れ安価であることが理由で使われる界面活性剤を用いており、往々にしてシリコンが配合されています。
ノンシリコンシャンプーというのは昔からあって、こちらは主に頭皮の洗浄を主にしている物が多く、トリートメント効果を謳う商品が増えているようですね。
それぞれのメーカーは以下のような主張をしています。
【ノンシリコン vs シリコン 効能をめぐりシャンプー論争勃発|inside Enterprise|ダイヤモンド・オンライン】
ノンシリコンシャンプーで現在、ヒット商品となっているジャパンゲートウェイの「レヴール」は「1000円以下のノンシリコンシャンプー」をキャッチフレーズとし、ユニセックス向けの「スリーボム」ブランドとともにスーパー、薬局に並んでいる。同社はホームページで「シリコンは(中略)その後のトリートメントなどの成分の浸透を妨げてしまうこともあります」(スリーボム)、「ノンシリコンだから美髪成分(保湿成分)が浸透しやすい」(レヴール)と謳っている。
花王は昨年末にシリコンに対する見解を公開した。「通常の使用方法で、地肌の毛穴のつまりを起すことはなく、成分の浸透を妨げることがないことを確認しています」「シリコン配合有無によるパーマ・ヘアカラーの効果の違いは見られません」と主張している。
資生堂も同様に、「シリコンが抜け毛やダメージの原因になるという考え方が広まっています。しかし実際には、シリコンが毛穴に詰まったり、毛髪や地肌に悪影響を及ぼすことはありません」「シリコン配合のシャンプーとシリコンを配合していないシャンプーでは、どちらも毛髪や地肌に悪い影響を及ぼすことはありません」と記載している。
いったい、どちらの主張が正しいのだろうか。
花王は「シリコンが髪や頭皮に悪影響を与えているという学術論文は見たことがなく、問題はないと考える。少なくとも自社の製品については、通常の使用方法であれば、毛穴につまりを起すことはないことを確認している」と説明する。
まず、ノンシリコンシャンプーのメーカーはトリートメント効果を主張していますが、
安価な製品のトリートメントって、どれくらい髪の毛に有用なのでしょう。
シリコン入りシャンプーのメーカーの主張する「シリコン配合有無によるパーマ・ヘアカラーの効果の違いは見られません」は現場にいる美容師から言わせてもらうと嘘ですよね。
美容室によっては、わざわざシリコン除去をしてからパーマを欠けているところがあります。
というのも、髪の根元から毛先まで均一にシリコンや油分やらが付着しているわけではなく、現にパーマ剤やカラーリング剤の効果に影響を与えます。
また、「シリコンが髪や頭皮に悪影響を与えているという学術論文は見たことがなく、問題はないと考える。」というのも違いますよね。
実際に「シリコンが髪や頭皮に悪影響を与えている」かどうかの研究をしていないからであって、安全性を確かめていないのに安全だと主張しているようなものです。
「茶のしずく石鹸」に含まれていた小麦由来の成分が原因で全国に急性アレルギーを発症した被害相談が相次いだ事件は記憶に新しいですが、前例がないから安全ということは絶対にありえません。
【Twitter Tweet Box】
【消費者庁、「茶のしずく石鹸」アレルギー反応の通報を放置 | CUTPLAZA DIARY】
また、シリコンなど、メーカーの記載する全成分についても問題があります。
例えばシリコンについてこのように書かれています。
シャンプーボトルの裏に書かれてある成分表示で「ジメチコン」「シロキサン」「シリカ」などが含まれているものが、シリコン入りシャンプーだ。
いいえ、花王や資生堂は色んな成分を独自に合成している成分についても、説明もなくそのまま記載しています。
そしてオリジナルの成分名であるが故に、それが何の成分であるか分からないことが多いのです。
例えば、一刻「ヒートプロテイン」配合の商品が出回っていましたが、タンパク質にシリコンを合成していた物でした。
無論、現在でもシリコン以上に手触りを良くする物質はありません。
髪の毛が傷んでいても手ぐしが通る効果は、なかなか実現できないものです。
しかし、それは傷んだ髪の毛修復したとは言えず、かえって痛みが進行することがあるのです。
シャンプーの後にはトリートメントをしますが、髪の毛に応じたトリートメントをするのは当然で、カラーリングやパーマが普通になった今では、それぞれの髪質に応じたヘアケアが必要になっています。
それから、肌が弱い場合は、専用のシャンプーなどもありますが、成分だけで「毒物」とか過剰反応せず、仕上がり感や使用感で選びましょう。
以下、各社のシャンプーの全成分や気になる成分など。
有効成分、ピロクトンオラミン
その他の成分、精製水、塩化O‐[2‐ヒドロキシ‐3‐(トリメチルアンモニオ)プロピル]ヒドロキシエチルセルロース、リパーゼ(2)、グリチルリチン酸ジカリウム、サリチル酸、ヒドロキシエタンジホスホン酸液、クエン酸、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸グリセリル、D‐パントテニルアルコール、1.3‐ブチレングリコール、フェノキシエタノール、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、L‐メントール、ユーカリ油、ハッカ油、オレンジ油、ヤシ油アルキルジメチルアミンオキシド液、N‐ヤシ油脂肪酸アシル‐L‐グルタミン酸トリエタノールアミン液、ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸ナトリウム、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体液、アルキル(8~16)グルコシド、エタノール、炭酸ナトリウム、シラカバエキス、海藻エキス(4)、チンピエキス、サクラ葉抽出液、センブリエキス、ニンジンエキス、グリセリンモノ2‐エチルヘキシルエーテル、DL‐Α‐トコフェロール、トウガラシチンキ、2‐アルキル‐N‐カルボキシメチル‐N‐ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、塩化ナトリウム、エデト酸四ナトリウム、パラベン
「ピロクトンオラミン」は抗菌剤ですね。フケ防止シャンプーに使われます。
天然由来の成分を全面に推しているようですが、油分で手触りを良くしているようです。
水、ラウラミドDEA、ココイルグルタミン酸TEA、オレフィン(C14‐16)スルホン酸Na、コカミドプロピルベタイン、ココイルメチルタウリンNa、香料、アストロカリウムムルムル脂、ババス油、ホホバ種子油、紅茶エキス、アセロラエキスココイルメチルタウリンNa、香料、アストロカリウムムルムル脂、ババス油、ホホバ種子油、紅茶エキス、アセロラエキス、サクラ葉エキス、カニナバラ果実エキス、ダマスクバラ花水、プルーン分解物、トマト果汁、ナス果実エキス、ビルベリー果実エキス、加水分解チェリモヤ果実エキス、加水分解マンゴー液汁エキス、加水分解マンゴスチン果実エキス、ココイル加水分解アマランスタンパクNa、カカオ脂、ベタイン、グリセリン、ポリクオタニウム‐10、BG、プロパンジオール、エタノール、フェノキシエタノール、メチルパラベン
「ラウラミドDEA」とはヤシ油由来の界面活性剤で、泡のボリューム感やクリーム感を増強させます。また、洗浄効果を向上させる効果があります。
それでこちらも油分系の成分が豊富に含まれていますね。
アジエンス しっとりリッチタイプ コンディショナー レギュラー
成分表記
水、ステアリルアルコール、DPG、乳酸、ステアロキシプロピルジメチルアミン、ジメチコン、ハス花エキス、ゲットウ葉エキス、ツバキ油、加水分解コンキオリン、オタネニンジンエキス、カンゾウ根エキス、ラノリン脂肪酸、リンゴ酸、PPG‐3カプリリルエーテル、ベヘナミドプロピルジメチルアミン、(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチル、パルミチン酸イソプロピル、ビスセテアリルアモジメチコン、ヒドロキシエチルセルロース、PEG‐45M、BG、エタノール、ベンジルアルコール、カラメル、香料
「ステアリルアルコール」とはヤシ油、パーム核油、マッコウ鯨油から得られる高級脂肪族飽和一価アルコールですが、皮膚や髪の保湿や乳化剤や増粘剤としての効果があります。
謎成分ですがw 「ステアロキシプロピルジメチルアミン」「ベヘナミドプロピルジメチルアミン」「ビスセテアリルアモジメチコン」はシリコン系の何かです。
成分
水、ラウレス硫酸Na、ココイルメチルタウリン、タウリンNa、ココアンホ酢酸Na、コカミドプロピルベタイン、ジステアリン酸グリコール、DPG、コカミドMEA、ソルビトール、塩化Na、ヒドロキシエチルウレア、ポリクオタニウム‐7、トウツバキ種子油、ポリクオタニウム‐61、ジメチコン、クエン酸、ローカストビーンヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、(ビスイソブチルPEG‐14/アモジメチコン)コポリマー、EDTA‐2Na、ラウロイルメチルタウリンNa、ココイルグルタミン酸K、グリセリン、BG、ココイルアルギニンエチルPCA、フェノキシエタノール、安息香酸Na、香料、黄4、黄5
「ココイルメチルタウリン」「ココアンホ酢酸Na」「コカミドプロピルベタイン」「コカミドMEA」はヤシ油由来の清浄剤です。
「ラウリル硫酸Na」はアニオン界面活性剤です。洗浄力起泡力にすぐれている洗浄剤です。