神奈川県逗子市の住宅で、世田谷区の元教員小堤英統容疑者(40)が元交際相手でストーカー行為していた住人のデザイナー三好梨絵さん(33)を刺殺後に自殺した事件で、警察は去年、容疑者を脅迫の疑いで逮捕した際に、逮捕状に書かれていた女性の名前や住所の一部を読み上げていたことが分かりました。
容疑者はこれをきっかけに女性の住所を特定し殺害に至った疑いがあり、警察は当時の対応について検証しています。
逗子警察署の山口雅見副署長は、「逮捕状を容疑者に読み上げることは法律上の手続きだが、今から考えれば匿名にする方法があったかもしれない」と話しています。
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三好さんは2004年頃、容疑者と交際していましたが、約1年後に別れた後の2006年頃から携帯電話や職場に容疑者からのメールが届くようになりました。
三好さんは2008年に別の男性と結婚し、逗子市に転居しましたが、容疑者からの危害を恐れ、結婚後の名前や住所を容疑者に隠していました。
2010年12月には逗子署へストーカー行為を相談しており、容疑者の姉から注意していましたが、2011年4月からは「殺してやるから楽しみにしてろ」などのメールが1日80~100件届くとして再び逗子署に相談しました。
逗子署は緊急通報装置と防犯カメラを三好さんに貸し出し、2011年6月に容疑者を脅迫容疑で逮捕、ストーカー規制法に基づく警告を出し、懲役一年、執行猶予三年の有罪判決を受けていました。
この執行猶予の有罪判決を受け自宅に帰った後に、インターネットの掲示板などで「三好」という名前や「逗子市」などを手がかりに三好さんの居場所を探していた疑いがあります。
今年3~4月の2週間に「結婚の約束を破ったことへの謝罪と慰謝料」との内容で1819通メールが届いていましたが、メールがやんだため逗子署は住宅周辺を146回巡回する対応にとどめていました。
山口雅見副署長は「ストーカー行為は終わった認識だった」と話しています。
被害者の女性から1年余りにわたって相談を受けていた、ストーカーの被害者などの支援を行っているNPO法人の小早川明子理事長によると、女性は去年6月に相談を受けた際、「警察が結婚後の名前を男に伝えてしまった」と憤った様子で話していたといい、小早川理事長は「このような事態になってしまって悔しい」と話しています。
ストーカー被害を受けている女性の個人情報を警察が漏らして、ストーカーが女性を殺害したのなら、
警察に殺されたようなものじゃないですか。
【東京新聞:逗子の女性刺殺 メール2週で1000通:社会(TOKYO Web)】