公明党、自公連立離脱へ 連立解消による主な効果

公明党、自公連立離脱へ 連立解消による主な効果と国民民主党政権の動き

公明党の斉藤鉄夫代表は記者会見で自民党との連立政権を離脱することを表明しました。

公明党、自公連立離脱へ 連立解消による主な効果
公明党、自公連立離脱へ 連立解消による主な効果

「国政選挙における党どうしの選挙協力はいったん白紙にする。わが党が擁立する衆議院小選挙区候補への自民党からの推薦は求めない。自民党候補への推薦も行わない。それでも人物本位、政策本位で応援できる地域も少なくない」として「企業・団体献金の受け手を党本部と都道府県連に絞るという規制強化の実現を自民党に求めた。しかしながらこのたびの自民党の回答は『基本的にはこれから検討する』という、まことに不十分なものであり、極めて残念だ」と述べました。1

そのうえで「国政選挙後に新たに不記載問題に関係した秘書が略式起訴されるなど新たな事柄も起こっており、よりいっそうの全容解明やけじめが望まれているにもかかわらず、すでに決着済みと国政運営に取り組む姿勢は国民の感情とかけ離れており、これでは政治への信頼回復はおぼつかない」としています。また、「われわれの要望に対して、自民党からの明確かつ具体的な協力が得られず、改革が実現不可能なのであればとても首班指名選挙で高市早苗と書くことはできないと申し上げた」と述べてます。

連立解消の主要な引き金となっている点として、「政治とカネ(献金規制などの透明性)」を巡る温度差が報じられており、公明党側にはその点を重視すべきという声がありました。2

自民党は2025年の参議院選等で、自民+公明の連立与党は過半数割れの危機に直面し、政策を成立させるためには他党との連携を模索する必要性が指摘されています。3

政策の独立性としては自民党・公明党共に、より自党の政策主張を前面に出しやすくなるという見方があります。
連立のしがらみや妥協による“軋轢”からの解放がされることで有権者にとっては政策の選別しやすさが明確化されやすいともいえます。

ただし、今後の国会運営では連立解消によって、与党としての数的優位が失われることになりますから、「少数与党」または「ねじれ国会」状態の常態化が懸念されます。

今後の選挙においては自公連携選挙協力が無くなるため選挙基盤の混乱や票割れが起きることが予想されます。

自民党としては他の政党との連立を模索する(もしくはすでにされている)事が考えられます。

実は自民党総裁選候補者にはそれぞれ他党との相性があって、日本維新の会は小泉進次郎氏と蜜月だけど高市早苗氏には警戒があるとされていました。

立憲民主党はまず無理で、高市早苗氏と比較的相性のいいのは国民民主党だとされています。4

連立するにしても連立相手と政策のかみ合いがなければ、連立運営はすぐに破綻する恐れがあります。連立パートナーが小党・少数派であれば、かえって “小連立” 状態になり、影響力や政策決定力で支配的力を発揮しにくくなります。ゆえに多数派を確保できるかどうかが鍵となります。
国民民主党との連立であれば他党を取り込む必要も視野に入れる必要があります。

もう一つの道としては公明党自身が与党を離れたあとも野党陣営との協力に傾くということです。この場合でも自民党は政策安定性の確保をいろんな分野で行う必要があります。

冗談めいた話として立憲民主党、日本維新の会、国民民主党が首相指名選挙で一致した行動をとるという話も浮上しています。国民の榛葉賀津也幹事長は「数合わせで一緒に行動をとることは考えていない」と否定的で実現の可能性は低いとみられます。5

一方で国民民主党の玉木雄一郎代表は首相指名選挙での野党一本化を呼びかける立憲民主党に対し、安全保障やエネルギーなどの政策を一致させるよう求めており、あながちありえない話ではないのかもしれません。6

ただ、仮に国民民主党が政権を担うには、他の政党との連立が不可欠となります。立憲民主党など野党からの首相指名候補として玉木氏の名前が浮上していますが、野党間には政策や理念で大きな隔たりがあるため、安定した連立政権を組むのは容易ではありません。

国民民主党は連立ありきでしか政権をとれないわけで、不安定さや党勢の動向といった課題に直面することになります。

国民民主党ならびに玉木雄一郎氏は自民党と立憲民主党、どちらを取るのかの選択をする必要があります。

連立政権にせず玉木国民民主党内閣にして政策や法案ごとに協議するという案も出ていますが、そんな政権が運営できるのか正直疑問が残ります。7

  1. 公明 斉藤代表 自民との連立政権離脱を表明「いったん白紙」 | NHKニュース | 国会、選挙、自民党総裁選 ↩︎
  2. 「政治とカネ」で自民との溝深める公明 「連立離脱やむなし」の声が噴出- 名古屋テレビ【メ~テレ】 ↩︎
  3. 参院選、自公で過半数に届かず:識者はこうみる | ロイター ↩︎
  4. 自民党総裁選(16):総裁選後の野党との連携・連立の可能性 | 木内登英のGlobal Economy & Policy Insight | 野村総合研究所(NRI) ↩︎
  5. 公明党、自民党との連立政権から離脱-斉藤代表「関係に区切り」 – Bloomberg ↩︎
  6. 国民玉木氏、立民に政策の一致を要求(共同通信) – Yahoo!ニュース ↩︎
  7. ひろゆき氏、公明の連立離脱で“玉木首相爆誕”可能性に言及「国民民主党内閣で政策と法案ごとに協議…」(よろず~ニュース) – Yahoo!ニュース ↩︎

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