最近は色んなスタイリング剤が登場していて、ヘアスタイルによって様々な使い分けが出来るようになりました。しかし、逆に選択肢が増えすぎて何を使えば良いのか分からなかったり、使い方が分からないから髪型が変わっても同じスタイリング剤をずっと使い続ける事が往々にしてあるようです。
また、間違った知識の為に、間違った用法やスタイリングをしてしまうことがあるようですので、今回は各種スタイリング剤のつけ方やスタイリング剤の知識を、美容師のTomoが解説したいと思います。
今回この記事を書くきっかけになったのは以下の記事になります。
最もらしい内容で書かれているのですが、美容師から見るとちょっと内容が間違ったおかしな部分があるようなので、あわせて解説をしたいと思います。
【ヘアワックス、スプレーが育毛を邪魔する!? – [男のヘアケア]All About】
この記事によると【髪の毛への悪影響】として「多くの整髪料に含まれている「合成界面活性剤」が悪影響につながる可能性があります。」なのだそうですが、まず、「合成界面活性剤」というのが意味がわかりません。造語でしょうか?
■界面活性剤とは何か
界面活性とは、溶液中で溶質が『気体-液体』『液体-液体』『液体-個体』の界面に吸着して、それらの界面の性質を大きく変化させる性質です。
また、界面活性剤は著しく界面活性を示す物質であり、界面活性作用には『乳化』『可溶化』『浸透』『分散』『洗浄』『保湿』『殺菌』『柔軟』『帯電防止』が含まれます。
□界面活性剤の種類
界面活性剤には陰イオン(アニオン)界面活性剤・陽イオン(カチオン)界面活性剤・両性界面活性剤・非イオン(ノニオン)界面活性剤の4種類があります。
この中で「陽イオン(カチオン)界面活性剤」は毛髪に吸着して柔軟効果や帯電防止効果がありますが、トリートメント(コンディショニング剤)や、ワックスやムースなどのスタイリング剤にも含まれます。
あと、ワックスには油とか保湿剤とか水をひとつに混ぜるための『乳化剤』として界面活性剤が含まれますが、陰イオン(アニオン)界面活性剤も使われますが、分子の大きさや構造の違いや付加物の違いで上で説明した4つの界面活性剤を使用します。ゆえに「育毛に欠かせないタンパク質を除去してしまう」というのは間違いであり、仮に陰イオン(アニオン)界面活性剤が含まれたとしても、さほど量は必要ないので、このような心配はしなくてよろしいかと思います。(★全ての界面活性剤が除去したり溶かす性質であるとすると、トリートメントはどうなんだという話になってしまいます。)
界面活性剤の話を詳しく説明しているとひとつの特集が出来るほど奥が深いのでここまでにして、あとはスタイリング剤の種類やスタイリング剤の使い方について解説したいと思います。
■正しいスタイリング剤の付け方
スタイリング剤はいろんな種類がありますが、それぞれの形状や仕上がりの質感が違うため、「付けるタイミング」や「付け方」が変わります。
そして全てにおいて失敗しないスタイリング剤の付け方は『少しずつ塗布する』ことです。
一回で付けようとすると、付けムラや付け過ぎが起きたりして失敗しやすいものです。
□スタイリング剤の付けるタイミング
スタイリング剤の付けるタイミングは主に「髪が濡れている時」と「髪が乾いている時」の2つの付けるタイミングがあり、スタイリング剤はそれらのどちらか一方かどちらでも付け事が出来ます。
また、スタイリング剤には水分を含んでいるものがあるので、髪の毛を「乾かす前に付ける物」と「乾かしてから付ける物」があり、乾かして付けるのは仕上げに使用するスタイリング剤です。
乾かす前に付ける物
※水分を含んでいるものや液状のものや質感をよくするもの
- ムース
- ジェル ☆
- 洗い流さないトリートメント
- ブローローション
- ワックス ☆
- ヘアクリーム ☆
乾かしてから付ける物
※油分系のものやドライの質感の仕上がりのものやスタイリングをキープするもの
- ジェル
- ワックス ☆
- ヘアクリーム ☆
- ヘアスプレー
- ヘアグロススプレー
☆髪の毛が濡れている時でも乾いている時でも使えるスタイリング剤
□各種スタイリングのつけ方
少しずつ付けて、足りなければ付け足すようにする。
ワックスやムースは付ける前に手のひらで伸ばしてから使う。
頭の上からつけると表面だけにスタイリング剤がつくので、髪の内側から付けるようにして全体に付ける。
ワックスの付け方
短い髪を立たせたい時は半分乾いている時にワックスを付けておく。ただし、ワックスは油分を多く含むのと髪の水分が多いとなじみやすいので、少量だけ付けるようにする。
長めの髪型の場合はスタイリングが終わってから少量を付ける。
ワックスは少量を手に取り、こすりあわせてのばしてから付ける。
ムースのつけ方
☆ムースは水分を含んでいるものがほとんどなのでパーマのウェーブなどカール感を残してスタイリングするのに向いている。
セット剤を含むので、ハリコシの無い髪やセット力の欲しい時に使う。
ムースは濡れている時に付けるのが基本。(ドライ系のムースはその限りではありません)
ウェーブを残すスタイリをムースで作る場合、ムースをつけたあとは髪の毛をウェーブになっている状態で乾かす。引っ張ったり指を通したりしない。ドライヤーの風を少なくして熱を当てる。
スプレーのつけ方
スプレーは霧状のセット剤を噴射するスタイリング剤で、髪が乾いている時に付ける。
例の問題の記事に「頭に近づけて噴霧するのはキケン!」と書いているのに、頭皮に向かってスプレーしている写真があるのですが、あれは間違った写真です。
頭皮につけないでスプレーを付けるには、頭皮に対して平行にスプレーを構えて、遠くから少しずつスプレーする。
立ち上げたいときなどは毛先をつまむなどして付ける。
デミ ウェーボ デザインキューブ ホールド ワックス 10 7 80g
とても強いセット力と適度な艶感のワックスです。メリハリのある仕上がりが特徴。毛先に落ち着いたツヤを出します。
デミコスメティクス ウェーボ デザインキューブ ソフトグロス 80g <24718>
グロス効果でツヤ感のある仕上がり。ロングヘアのフェミニンなスタイルの仕上げに。
デミ ウェーボ デザインキューブ ドライワックス 10 2 80g
強いセット力とドライ感でマットな質感のスタイルを作れます。アッシュやマット系のクールなヘアカラーリングにも相性が良いです。
デミコスメティクス ウェーボ デザインキューブ クールジェル 80g <24716>
パリッとしたセット力でシャープな毛束感のある仕上がりです。潤いのあるツヤが出ます。
デミコスメティクス ウェーボ デザインキューブ ニュートラルワックス 80g <24715>
程よいセット力で柔らかな動きのあるスタイルを作れます。パサつきがちな毛先にツヤを与えます。
デミ ウェーボ デザインキューブ ハードワックス 8 6 80g
強めのセット力で毛束感や立体感のある仕上がりです。
ウェーボ デザインキューブ ラウンドワックス 80g
程よいセット力でツヤ感や動きのある仕上がりです。
デミ ウェーボ デザインキューブ エアルーズワックス 6/2 80g
程よいセット力で弾力感のあるエアリーな仕上がりです。
ぎらつかないシルキーなツヤが出ます。
デミ ウェーボ デザインキューブ ハードグロス 8/10 80g
強めのセット力とツヤ感でグロッシーな仕上がりです。
■関連記事
【髪の正しい洗い方【CUTPLAZA】】
