3年前に失踪した東京都八王子市のホストクラブ経営者の土田正道さん(当時43)の遺体を遺棄損壊するなどの容疑で八王子署は男女7人を逮捕しました。
逮捕されたのは、死体損壊・遺棄などの疑いで土田さんの元共同経営者で元店長(31)と元従業員(28)、元店長の友人(30)と、元従業員の父親(59)。元従業員の元妻(31)、元店長の元妻(28)と妹(28)も死体遺棄と損壊のほう助で逮捕されています。
土田さんは2010年11月25日朝、妻に「仕事に行ってくる」と言い残し自宅を出ていますが、同日午後1時ごろにホストクラブ近くの駐車場の防犯カメラに映ったのを最後に失踪していました。
以前から周囲に「いなくなったら殺されたと思ってくれ」と話していたといい、土田さんと仕事上関係のあった人によると「テレビスタッフから取材を受けるなど、成功して目立っていた分、ねたまれやすい存在だったみたい」とか「人の好き嫌いが激しく、短気な面があった。店の経営はうまくいっており、仲間に金を貸していたようだ」と明かしています。
元店長(31)と元従業員(28)は2012年7月、土田さんの携帯電話を壊して東京・檜原村に捨てたとして、器物損壊容疑で逮捕・起訴され、執行猶予付き判決を受けていました。
しかし、土田さんの行方については「知らない」と説明しており、土田さんの失踪の捜査は難航していました。
その後、警視庁の捜査員のもとに元従業員の実家に遺体が持ち込またという情報が寄せられ、警視庁は2013年4月に業者とともに元従業員の父親の住む住宅を捜索し、トイレや風呂、汚水槽から人の顔の骨の一部とインプラントを発見しました。
しかし、骨は状態が悪くDNA照合が出来ませんでしたが、インプラントはメーカーの方を特定し、流通している600個のうち599個の所在を特定、残る1個を土田さんの物と断定しました。
また、元店長の元妻と妹は土田さん疾走直後に土田さんの失踪直後に薬剤を大量に購入しており、2010年11月27日~2010年12月までに、主犯格の容疑者の依頼を受け薬剤を手渡したと警察はみています。
使用された薬剤は業務用洗浄剤の苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)とみられ、家庭用のキッチンや浴槽の排水口のパイプクリーナーに含まれる成分ですが、毒物及び劇物取締法では原体及び5%を超える製剤は劇物に指定されています。
元店長の元妻と妹がこの薬剤を大量に購入した記録が残っており、この時期の元従業員の実家の水道使用量が普段の約3倍に上っていたことが判明しています。
少し前にヤフー知恵袋で水酸化ナトリウムで犬を溶かしたいという相談がされていたことがありますが、時期が異なるため今回の事件と関与はないとしても、その気持ちの悪い内容が話題となっていました。
さて、この事件で逮捕された容疑者らは関与を否定しており、証拠も少ないため、かなり難しいと見られています。
似たような事件で「江東マンション神隠し殺人事件」がありますが、容疑者が無期懲役(求刑の死刑は認められなかった)になったのは、遺体のDNAが一致したことや被害者の所持品が見つかったこと、容疑者の指紋が一致したことが決め手となっています。
今回の八王子ホスト失踪事件において、遺体からはDNAが発見されていない為、今のところ薬剤購入履歴やインプラントの型しかないため、立件できたとしてもかなり難しい裁判が予想されます。
ただ、こうした事件が再度起きないように、警察や検察は全力であたっておく必要があります。
また、薬物の購入についても、さらなる規制や取扱資格などを検証したほうがいいのかもしれませんね。
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