最近の美容関連で大丈夫なの?ってなるお話「ひよこの育毛剤」「ブリーチしすぎヘアー」

最近の美容関連で大丈夫なの?ってなるお話「ひよこの育毛剤」「ブリーチしすぎヘアー」

最近、テレビやYouTubeを見ていると、美容師の視点から見るとちょっとおかしい美容関連の話題に出会うことがあります。これらのメディアは情報を一方的に発信しているため、正しい判断をするのは視聴者にとって難しいですね。

最近の美容関連で大丈夫なの?ってなるお話「ひよこの育毛剤」「ブリーチしすぎヘアー」
最近の美容関連で大丈夫なの?ってなるお話「ひよこの育毛剤」「ブリーチしすぎヘアー」

有名人のヘアスタイルや美容方法を真似したいと思う人も多いと思いますが、注意が必要なこともあります。今日は、そうしたリスクについて警告したり、効果があるかもしれないけど内容が大げさかもしれないことについて説明したいと思います。

ひよこの育毛剤

テレビを見ていると民放だと番組の合間にコマーシャルが出てくるのですが、そんな中で育毛剤のCMが出てきて、その説明の中で

「卵から孵ったひよこがフサフサなのに注目し、卵の主成分で育毛剤を作りました」みたいな説明をされている育毛剤がありました。

どうしてヒヨコがフサフサなら卵の主成分で、頭の髪の毛が減った人間もフサフサになるという説明は一切ないんですね。(毛が生えるみたいなお話はできないんだと思います。医薬品ではないので)
ただ、それを使ったという人がこれは良いよみたいな事を話していて、最後に注文の仕方とか値段とかの説明が入ります。

発毛成分のミノキシジルが入ったリアップは壮年性脱毛症に有効な医薬品なのですが、このひよこの育毛剤はどういう脱毛症に効果があるのかの説明がありません。おそらくは育毛剤だから医療に関する内容の説明はできないのだと思います。

成分としてひよこの育毛剤は

卵黄リゾレシチン・センブリエキス・グルチルリチン酸ジカリウム・D-パントテニルアルコールが入っているそうです。

卵黄リゾレシチンは鶏卵の卵黄から科学的処理して取り出した脂質で、主に保湿剤として使われています。
リゾレシチ ンは自然界に広く分布し脂質の数%を占める といわれる特異な界面活性物質であることから、乳化剤として化粧品に使われるともされています。

センブリエキスは血行促進効果、毛母細胞の活性化、髪を増やす育毛効果があるそうなので、本来こちらを育毛剤として説明するべきだと思います。

グルチルリチン酸ジカリウムは抗炎症や抗アレルギーの成分で、肌あれを抑える効果があります。

D-パントテニルアルコールは水溶性ビタミンの一種で、ビタミンB5(パントテン酸)の誘導体で代謝促進やかゆみ防止、抗酸化、保湿効果があります。

以上の成分があることから、育毛剤としては効能はあるのだと思いますが、あくまで育毛の効果であり、発毛は・・・この内容だと効能を謳ってはダメかと思います。

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またテレビのお話ですが、最近ピンクだったり青だったり、すごく色のハッキリしたヘアカラーリングをしている芸能人の方を多く見かけるようになりました。

ブリーチしすぎヘアー

日本人が原色のピンクだったり青というようなヘアカラーリングをしたい場合、元の髪の毛の色は黒だったり、黒に近い茶系だったりします。

これは日本人の髪の毛には黒褐色のメラニンが含まれるからですが、この黒髪を明るい色にしようとした場合、脱色してから色を入れる必要があります。

茶系統のカラーリングなら通常のヘアカラーリング剤で良いのですが、原色のハッキリした色にしたい場合、ベースの色を白に近いところまで脱色する必要があります。

では何度も脱色するためにブリーチの施術を何度もしたり時間をかけてブリーチすれば良いと思うかもしれませんが、ブリーチの処理をすると髪の毛はアルカリによって加水分解されたり、キューティクルを開いた際に櫛でコーミングした際にキューティクルが剥がれたり、髪の毛の内容物が流出して潤いやハリコシがない髪になっていきます。

ようするに、ブリーチをすればするほど髪の毛はダメージを負っていくということです。

なのでそんな白に近くなるようにブリーチの施術を何度もした場合、髪の毛はハイパーなダメージ毛になってしまいます。

ハイパーなダメージ毛になった髪に色を入れたとして、色が仮に入ったとしてもキューティクルもない状態ですから、すぐに色がなくなってしまいます。

そしてハッキリした色を入れるために最近よく使われているのが、直接染料系のヘアカラーリング剤なので、とても色落ちがしやすいです。

色落ちしやすいハイパーなダメージ毛に、色落ちがしやすいヘアカラーリング剤で染めるので、とても色落ちがしやすいです。

なので色を維持したい場合、その後も定期的に染める必要があります。

美容室は儲かるでしょうが、お客さんは沢山色を入れ直す必要があるので、沢山お金がかかります。

そして、ここからが一番わたしが心配しているのは、そんなハイパーなダメージ毛になってしまった髪の毛は、日々の生活でもダメージを継続して受けていきます。

潤いが足りないのでアイロンで艶を出したりもするでしょうし、太陽光線の紫外線で髪の毛もダメージも受けていきます。

その結果、ハイパーなダメージ毛と生えてきた黒髪のところの境で、切れ毛になってしまう人も出てくるのではないでしょうか。

切れ毛になった髪の毛はもうくっつけることも出来ません。
また新しい髪の毛が伸びてくるのを待つしかなくなってしまいます。

さらにはすごくブリーチをしている人が色を戻したいというような人もいるでしょうが、今度は髪の毛の色を暗くすることが難しい場合があります。

ハイパーなダメージ毛になっている髪の毛は、髪の毛の中身が壊れた状態になっています。
なので暗くするヘアカラーリング剤を使っても思った色にならない場合があります。

そんなわけで、髪の毛を芸能人みたいなハッキリとした色にしたいと思っても、色んな事情があるので、それによるトラブルがあることをよく考えた上で施術してください。

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