大阪西区で2010年6月に当時3歳と1歳の子ども2人を室内に放置して餓死させたとして殺人罪に問われ、懲役30年の判決を受けていた母親(25)が、判決を不服として最高裁に18日付上告しました。
被告の母親は1審大阪地裁の裁判員裁判で懲役30年の判決が出ていましたが、高裁で殺意認定により控訴が棄却されていました。
母親は2009年5月に離婚し子供を引きとっていましたが、2010年3月から子供を家に放置したままホストクラブの男性宅に連日外泊し、6月9日に帰宅した際に衰弱した2人に十分な食事を与えず、玄関と居間をつなぐドアに粘着テープを貼って閉じ込めた状態で再び外出し、6月下旬に死亡させたということです。
大阪高裁裁判長は「放置を続ければ死に至ると認識できた。死んでもやむを得ないという未必の殺意があった」として殺意認定し、「育児に疲れ、逃げ出したいという被告の心情に酌むべき点はあるが、放置され、徐々に衰弱した2人の苦しみは筆舌に尽くしがたい」と、有期刑の上限である懲役30年は重くないという結論を付けていました。
母親は3月頃まで結婚していた相手の苗字でしたが、現在は苗字が変わっています。
さて個人的には、今回の大阪2児餓死事件では殺人罪で懲役30年の判決なのに、千葉県柏市2歳児餓死事件は保護責任者遺棄致死傷というのは軽すぎる印象があります。
あわせて、育児放棄や児童虐待が取り締まれる体制や法律が望まれます。
【2幼児虐待死の母親が上告 懲役30年の2審判決に不服 – MSN産経ニュース】
【【大阪2児虐待死】下村早苗被告、懲役30年の大阪地裁判決を不服として控訴 – MSN産経ニュース】
【朝日新聞デジタル:大阪2児放置死事件、二審も母親に懲役30年 – 社会】
千葉県柏市2歳児餓死事件
【朝日新聞デジタル:2歳児餓死 父親に母親より重い判決 – 教育】
保護責任者遺棄致死傷の罪に問われた父親の◯◯◯◯被告(40)に、母親より2年半長い懲役9年6カ月の判決を言い渡した。「養育は妻に任せていた」との被告の主張は退けられた。
【幼児虐待死で母親に懲役7年 「子供の苦痛あまりに大きい」 – MSN産経ニュース】
千葉県柏市で栄養失調状態だった幼い子供2人に治療を受けさせずに放置し、昨年5月に当時2歳10カ月だった長男を餓死させたとして、保護責任者遺棄致死などの罪に問われた母親の無職、◯◯◯◯被告(28)の裁判員裁判の判決公判が24日、千葉地裁で開かれ、後藤真理子裁判長は懲役7年(求刑懲役10年)を言い渡した。
ネグレクト―育児放棄 真奈ちゃんはなぜ死んだか (小学館文庫)