小沢一郎民主党元代表の資金管理団体「陸山会」の収支報告書に、小沢元代表から借り入れた土地の購入費4億円を記載しなかった『陸山会事件』を巡り、政治資金規正法違反(収支報告書の虚偽記載)罪に問われた小沢元代表の判決が東京地裁であり、裁判長は無罪を言い渡しました。
小沢元代表が無罪となったことにより、政局に影響を与えることになります。
裁判所は小沢元代表と元秘書の共謀を示す証拠としての石川議員の供述調書に虚偽があった事を挙げ、強制起訴に踏み切った検察審査会の判断材料に重大な瑕疵があったと指摘しました。ただ、起訴相当とした議決自体が単純に問題となるのではないとする考えを具体的に示しました。
今回の無罪判決は共謀を立証できなかったという判決ですが、4億円の出所の疑いは残ったままです。元代表の関与を裏付けるはずだった主要な調書も違法な捜査を理由に証拠から排除され、指定弁護士は状況証拠を出すしかありませんでした。また、石川議員ら元秘書3人は昨年9月、東京地裁で執行猶予付き有罪とされていました。
今後、検察官役の指定弁護士は控訴するか検討に入るでしょうが、小沢元代表の4億円の出所を巡る説明責任は消えておらず、その責任が小沢元代表にはあります。
【時事ドットコム:小沢元代表に無罪=起訴議決「適法」-強制起訴事件で2例目、陸山会事件・東京地裁】
資金管理団体「陸山会」の土地取引をめぐり、政治資金規正法違反(収支報告書の虚偽記載)罪に問われた民主党元代表小沢一郎被告(69)の判決が26日、東京地裁であり、大善文男裁判長は無罪を言い渡した。検察官役の指定弁護士は禁錮3年を求刑していた。争点の一つだった起訴議決の有効性については、適法と判断した。
国会議員への全面無罪判決は、2006年の村岡兼造元官房長官の一審判決=二審で逆転有罪、確定=以来。検察審査会の起訴議決に基づく強制起訴事件の判決は2例目で、いずれも無罪となった。
大善裁判長は、検察審査会による起訴議決は有効で、強制起訴は適法だったと判断した。その上で、「事実に反する捜査報告書を作成し、検察審査会の判断を誤らせるようなことは決して許されない」と述べ、事件の見立てに沿った捜査が、問題の背景にあったと指摘。検察当局で十分に調査し、対処すべきだと述べた。
最大の争点となった元秘書との共謀について、指定弁護士側は公判で、小沢被告が土地代金として4億円の自己資金を提供したのに、さらに450万円もの金利負担を伴う不要な銀行融資の書類に署名したことや、週刊誌の取材への回答書に資金提供の事実を隠す記載があったのに、修正させなかったことなど、石川知裕衆院議員(38)ら元秘書との共謀を示す多数の状況証拠を提示した。
小沢被告に虚偽記載を報告し、「ああ、そうか」と了承されたとした池田光智元私設秘書(34)の供述調書や、「不動産の公表をずらすことは(小沢被告に)報告しています」とした取り調べ録音記録での石川議員の発言なども挙げ、秘書の独断はあり得ず共謀は明らかだと訴えていた。
弁護側は、指定弁護士側の状況証拠が全て存在すると仮定しても、共謀は認定できないと主張。池田元秘書の調書での小沢被告の発言については、「関心の低さを示している」と主張し、石川議員発言についても「直ちに虚偽記載を意味するものではない」と反論していた。
資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐる事件で、政治資金規正法違反(虚偽記載)罪で強制起訴された民主党元代表、小沢一郎被告(69)の判決公判が26日、東京地裁で開かれ、大善文男裁判長は無罪を言い渡した。求刑は禁錮3年。平成21年5月に導入された強制起訴制度による判決は2例目で、いずれも無罪となった。
無罪判決が相次いだことで、検察審査会や強制起訴をめぐる議論に影響を与えそうだ。
小沢被告は、元秘書らと共謀し、陸山会が平成16年10月に支払った土地取得費計約3億5200万円を、16年分ではなく17年分の政治資金収支報告書に支出として記載した、などとして強制起訴されていた。
小沢被告は「検察が違法な捜査を行い、検察審査会を誘導した」と無罪を主張。(1)検審の起訴議決に基づく起訴の適法性(2)虚偽記載の有無(3)元秘書との共謀の有無-が争点となった。
小沢被告に「収支報告書の内容を報告し、了承を得た」とする元秘書らの供述調書がほぼ唯一の直接証拠だったが、東京地裁は2月、取り調べに「利益誘導や圧力があった」として大部分を退けた。
検察官役の指定弁護士側は、小沢被告が署名した融資書類などの間接証拠を積み重ね、「小沢被告の指示や了解なしに元秘書が独断で虚偽記載をすることはない」と主張。弁護側は「検察の『妄想』から始まった事件で、本件はその残滓(ざんし)だ」としていた。
【朝日新聞デジタル:小沢氏に無罪判決 陸山会の土地取引事件 東京地裁 – 社会】
資金管理団体「陸山会」の土地取引をめぐり、政治資金規正法違反(虚偽記載)の罪で強制起訴された民主党元代表・小沢一郎被告(69)に対し、東京地裁(大善文男裁判長)は26日午前、無罪(求刑・禁錮3年)とする判決を言い渡した。検察官役の指定弁護士は控訴を検討するとみられるが、小沢氏は復権へ向けての動きを強めそうだ。
検察審査会法の改正により、検察が不起訴にしても市民の判断で強制的に起訴できる制度は2009年5月に導入された。この制度に基づいて起訴された被告の判決は2例目で、いずれも無罪となった。
陸山会が04年10月に東京都世田谷区の土地を購入した際、小沢氏から借りた4億円を04年分の政治資金収支報告書に収入として記載せず、約3億5千万円の土地代金の支出も05年分の収支報告書に遅らせて記載した――などとして小沢氏は起訴された。(1)虚偽記載はあったのか、(2)元秘書との共謀はあったのかが裁判の主な争点となった。
【陸山会事件、小沢氏に無罪判決…政局に影響必至 : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)】
資金管理団体「陸山会」の土地取引を巡り、政治資金規正法違反(虚偽記入)に問われた小沢一郎民主党元代表(69)に対し、東京地裁(大善文男裁判長)は26日午前、無罪(求刑・禁錮3年)の判決を言い渡した。
政界の実力者に無罪判決が出たことで、今後の政局に影響が出るのは必至だ。検察官役の指定弁護士は控訴するかどうか検討する。
小沢元代表は、東京地検特捜部による捜査の結果、嫌疑不十分で不起訴となったが、東京第5検察審査会が2度にわたり「起訴すべきだ」と議決したため、昨年1月に強制起訴された。同年10月に始まった公判では無罪を主張していた。
起訴状では、小沢元代表は、陸山会が2004年10月に東京都世田谷区に秘書寮用地を購入した際、同会に貸した現金4億円を04年分の政治資金収支報告書に記載せず、土地代金の支出を翌05年分の収支報告書にずらして記載することについて、当時の秘書の報告を受け、了承したとされた。
陸山会事件では、同会元事務担当者・石川知裕衆院議員(38)ら元秘書3人が同法違反で起訴され、昨年9月、同地裁で執行猶予付きの有罪判決を受けて控訴している。
09年5月施行の改正検察審査会法で強制起訴制度が導入されて以降、強制起訴事件での無罪判決は今回で2件目。
【【小沢元代表無罪】自民・茂木氏「依然、グレー変わりない」 証人喚問求める – MSN産経ニュース】
自民党の茂木敏充政調会長は26日午前、民主党の小沢一郎元代表が東京地裁で無罪判決を言い渡されたことについて、「依然、グレーであることは変わりない。これまで裁判中ということで国会(での説明)を拒んでいたが、改めて小沢氏に対する証人喚問を求めていきたい」と述べた。党本部で記者団の質問に答えた。
【FNNニュース: 小沢被告に無罪判決 新党きづな代表「震えるくらいうれしい」】
民主党元代表・小沢一郎被告(69)が、政治資金をめぐり強制的に起訴された裁判で、26日午前、小沢被告に対し、無罪が言い渡された。
永田町では、小沢元代表に近い議員の反応が入ってきている。
小沢元代表に近い「新党きづな」の内山代表は、「震えるくらいうれしい」と感激を表しており、また、小沢氏の元側近・松木謙公議員は、ほとんど目が潤んで泣いていたということで、「本人の気持ちを考えると、この何年間か、つらかったのではないか。罪が晴れてよかった」と、感激の気持ちを表している。
小沢元代表は、26日は記者会見は行わず、書面でコメントを発表するのにとどめる方針だが、小沢元代表は25日、「もし有罪なら日本は終わりだな」と周辺に語り、裁判自体にうんざりしている様子だったという。
無罪判決により、小沢元代表は、一定の求心力を回復して、野田政権に対する攻勢に出ることになる。
野田首相は、党内融和にしばらくは腐心することになる一方、「小沢切り」を決断するか非常に難しい状況になり、そこに自民党の谷垣総裁が揺さぶりをかけるという構図になるとみられる。
小沢元代表は、まず、消費税増税法案への反対姿勢を先鋭化させ、法案の採決を阻止したうえで、さらに秋の民主党代表選挙で、自らか、自らの陣営の候補が勝利して、「最後のご奉公」をするシナリオを想定している。
その過程で、橋下大阪市長との連携の動きを強めるともみられている。
一方、野田首相は、小沢氏の党員資格停止処分の解除も含め、しばらくは、小沢グループとの融和策を迫られることになるとみられる。
しかし、消費税増税をめぐる野田首相と小沢元代表の溝は深く、また、法案を成立させるには、自民・公明両党の協力が不可欠なことから、最終的には、どこかで「小沢切り」を決断し、野党との連携にかじを切る可能性は高いもよう。
一方の自民党は、野田首相との間で「話し合い解散」を模索する動きがあったが、小沢氏と一時的に手を組み、内閣不信任案などで解散に追い込むシナリオも浮上する。
どちらが早期解散につながるか皮算用しながら、野田政権を揺さぶるとみられ、消費税増税法案の行方も、この駆け引きに左右されることになるとみられる。
【【小沢元代表無罪詳報(1)】「被告人は無罪」 裁判長は主文を2度朗読 「よし」最強弁護団、拳握る+(3/3ページ) – MSN産経ニュース】
《裁判所は、まず小沢被告と元秘書の共謀を立証する最も重要な証拠となる石川被告の供述調書に虚偽があったことを挙げ、強制起訴に踏み切った検察審査会の判断材料に重大な瑕疵(かし)があったと指摘した》
裁判長「重要な人物に対し、任意性の疑いがある捜査があった。あってはならないことだ」
《大善裁判長は、次々と問題点を指摘する。ただ、検察審査会に付された判断材料に重大な瑕疵があったからとして、起訴相当とした議決自体が単純に問題となるのではないとする考えを具体的に示す》
【小沢元代表無罪判決に硬直…小さく息吐く – 社会ニュース : nikkansports.com】
硬直したように止まった後、ほっと小さく息を吐いた。小沢一郎民主党元代表(69)に無罪を言い渡した26日の東京地裁判決。小沢元代表は結果を確かめるように軽くうなずき、裁判長に2度頭を下げた。
ダークスーツにピンク色のネクタイ姿で午前9時30分ごろ、弁護団とともに地裁へ。玄関前では、守衛に軽く手を上げ、主任弁護人の弘中惇一郎弁護士と笑顔で言葉を交わす場面も。
午前10時開廷。
「それでは判決を宣告します。被告人は前に出てください」
大善文男裁判長に促され、証言台の前に。「剛腕」と言われた政治家も、時折体を小刻みに揺らした。重圧なのか。
間をおかず、裁判長の声が響く。
「被告人は無罪」
小さくうなずき、裁判長に頭を下げた。弁護団席では「よしっ」との声とともに笑顔が浮かぶ。
裁判長が主文を繰り返す。
「無罪。分かりましたね」
大きくうなずき、先ほどより深く一礼した。
昨年10月の初公判で「社会的に抹殺する暗殺」と激しい言葉で検察捜査を批判。3月の最終意見陳述でも「罪に問われる理由はない」と一貫して潔白を主張してきた。
法廷では強気の姿勢しか見せなかったが、初公判の夜には尿管結石で緊急搬送された。側近の議員に「裁判は本当に大変だ。かなわんよ」とたびたび愚痴をこぼすなど、不安な心境をのぞかせることもあった。
2009年3月の大久保隆規元公設秘書(50)の逮捕で始まった捜査から丸3年。
今月20日の政治資金パーティーで「長く苦しい期間があったが、来週に白黒はっきりする」と述べた元代表。闘争はようやく一つの区切りを迎えた。(共同)
陸山会事件 小沢一郎元代表の資金管理団体「陸山会」の収支報告書に、元代表から借り入れた土地の購入費4億円を記載しなかったなどとして、東京地検特捜部は2010年、政治資金規正法違反(虚偽記載)容疑で石川知裕議員ら元秘書3人を逮捕、起訴した。小沢元代表は嫌疑不十分で不起訴とした。
東京第5検察審査会は同年、2回にわたり小沢元代表を起訴すべきだと議決。これを受け、検察官役の指定弁護士が昨年1月、小沢元代表を強制的に起訴した。石川議員ら元秘書3人は昨年9月、東京地裁で執行猶予付き有罪とされた。
【小沢元民主代表に無罪判決、市場の反応は限定的 | ビジネスニュース | Reuters】
同裁判の最大の争点は、資金管理団体「陸山会」が2004年10月に小沢元代表から4億円を借り入れたにもかかわらず、同年分の政治資金収支報告書に収入として記載せず、同月に土地購入費として約3億5000万円を支払ったのに支出として記載しなかった点などについて、小沢元代表と元秘書らの共謀があったかどうかだった。
政治資金を巡って収支報告書にうその記載をしたとして強制的に起訴された、民主党の小沢元代表に、東京地方裁判所は無罪を言い渡しました。
裁判所は、元代表が報告書に4億円を記載しないことを了承していたと認めたものの、「違法性の認識があったとは言えない」として、共謀を否定しました。民主党の小沢一郎元代表(69)は、資金管理団体が土地を購入する際に提供した4億円を巡り、収支報告書にうその記載をしたとして、検察審査会の議決によって強制的に起訴されました。
裁判では、小沢元代表がうその記載について、石川知裕衆議院議員ら元秘書から報告を受けて、了承していたかどうかが最大の争点になり、元代表は「共謀したことは断じてない」と、一貫して無罪を主張し続けました。
26日の判決で、東京地方裁判所の大善文男裁判長は、報告書の内容について、「石川議員が、元代表の巨額の個人資産やその原資に関して追及を受けるなどして、政治活動に不利益になると考え、うその内容を記載した。元代表も4億円を記載しないことなどを報告を受けて了承していた」と指摘しました。
しかし、「元代表の故意については十分に立証されておらず、うその記載をするという違法性の認識があったとまでは言えない」として、元秘書らとの共謀を否定し、小沢元代表に無罪を言い渡しました。
また、大善裁判長は、判決の中で、小沢元代表が法廷で「報告書を一度も見ていない」などとと証言したことについて、「証言の内容が変遷し、不自然な点もあって信用できない」と指摘しました。
一方、石川議員の事情聴取を担当した検事が、実際にはなかった発言を捜査報告書に書いていたことについては、「あってはならないことで、検察は十分に調査して対応すべきだ」と強く批判しました。
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