蔵元は、その年出来た日本酒をそのまま販売することはない。(古酒混ぜて同じ味にしてから出荷する)

大阪の酒造会社「浪花酒造」が製造・販売する日本酒で、実際には安い酒なのに「大吟醸」などの高級品のラベルを貼っていたり、「高い酒に安い酒のラベルを貼るなどしていた問題が大阪国税局の調査で発覚し、浪花酒造は大吟醸、吟醸酒、純米酒など6種類の自主回収を始めました。

また、「浪花酒造」では新酒に古酒を少し混ぜるなどしていたそうです。
読売新聞は『新酒を造る際には、味の調節のため同じ銘柄の古い酒を少し混ぜていたが、足りない時は別の銘柄を混ぜていた』としています。
毎日新聞は『味の均一性を保つため、吟醸酒などの新酒に前年製造した同種の古酒を2~3%混ぜて出荷していた。しかし、古酒の在庫がなくなったため、醸造アルコールや糖類の入った安価な酒を混ぜたという。同社は「以前から在庫がなくなった際は同様の混ぜ方をしていた。味を保つためだったが、消費者をだます行為。今後は再発防止に努めたい」』としています。

ただ、この新酒に古酒を混ぜるのは日本酒の場合は普通にされることのようです。
というのも、日本酒はその年のお米の出来や気温などが関係して、毎年少しずつ違うので、前の年の古酒を混ぜて同じ味にしてから出荷しているのだといいます。

社長が「味に大差ない」と発言したことを、どちらも美味しくないという受取り方をしている人がいましたが、味の調整において問題がなかったという意味でしょう。
ただし、古酒の在庫がないから醸造アルコールや糖類の入った安価な酒を混ぜた事については、毎日新聞にあるように『国税庁の基準では、純米酒の原料は白米と米こうじのみと規定されている。大吟醸酒や吟醸酒は、香味を調える効果がある醸造アルコールを使用できるが、醸造アルコールの量は白米の重量の10%以下に制限されている。』と定められている部分に引っかかる訳なのですね。

ちなみに日本酒は、瓶詰めしてラベルが付けられたときに製造年月日が記載されるのと、摂氏3度の冷蔵庫に保存すると3年経っても美味しく飲めるといいます。逆に真夏の直射日光に当たれば、その時点で賞味期限切れというものです。

無論、古酒がないから安い酒を混ぜてしまうのは問題なようにも思いますが、今回の問題は味よりも、大吟醸、吟醸酒、純米酒などで課税が違うという酒税法の兼ね合いの方が大きいようです。

昔は日本酒を提供する酒屋が色んな酒を混ぜて独自の味の酒を作って提供したといいます。

今回のニュースで安易に混ぜることが悪酒であるような勘違いをしている人がいるようですが、日本酒造りでは味の調整に古酒を混ぜるというのは当たり前なことだという事も踏まえてあげて欲しいと思います。

安い酒に「大吟醸」ラベル…社長「味大差ない」 : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)安い酒に「大吟醸」ラベル…社長「味大差ない」 : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞) (キャッシュ)

老舗酒造会社:純米酒に醸造用アルコール混ぜ販売- 毎日jp(毎日新聞)老舗酒造会社:純米酒に醸造用アルコール混ぜ販売- 毎日jp(毎日新聞) (キャッシュ)

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