エナジードリンク常用の男性がカフェイン中毒で男性死亡

福岡大学法医学教室の教授が21日、自宅で嘔吐して死亡していた死亡していた男性を警察から依頼され司法解剖した際に、血液中から致死量のカフェインが検出され胃の中からカフェインの錠剤とみられる粉末状のものも見つかったことなどから、短期間にカフェインを大量摂取したことが原因の中毒死であったと記者会見で明らかにしました。
男性はガソリンスタンドで連日、深夜から早朝にかけて勤務しており、「エナジードリンク」と呼ばれるカフェイン入りの清涼飲料水を、少なくとも1年間にわたって日常的に飲み、この間3~4回、おう吐の症状を訴えていたとされています。

エナジードリンク常用の男性がカフェイン中毒で男性死亡

このニュースは各報道機関がこぞって国内におけるカフェイン中毒による死亡例として取り上げて、コーヒーの摂取の危険性を報じていますが、NHKを例に上げますと、ネット媒体のNHKニュースではカフェインの大量摂取の危険性や海外のコーヒーの摂取量規制の例を取り上げる一方で、カフェインの致死量や死亡した男性が日常的にカフェインを摂取していたという正確な数字を示していません。
テレビのNHKニュースの中では専門家の意見として、『3時間以内に15~20杯を飲むことでほぼすべての人がカフェイン中毒で死に至る危険性がある』と最後に取り上げていた程度でした。

今回のカフェイン中毒によるとみられる死亡した男性の場合、そもそもカフェイン分解させる肝機能の状態はどうだったのかとか、服用していたカフェインの錠剤の摂取量はどの程度であったのかも本来は合わせて考えるべき案件であるように思います。NHKはその辺りの説明が不十分であるように感じます。
(※読売新聞によれば記者会見した教授の話として、「長期間の常用で肝臓の分解機能が低下したところへ、多量摂取によって血中濃度が致死量に達したのではないか」と報じています。)

ただ、カフェインは中毒性はあるもののヒトに対する毒性は低いため、嗜好品や感冒薬、そして眠気予防薬として普及しており比較的過剰摂取が容易となっています。

必要以上にカフェインを避ける必要はないものの、過剰に摂取してしまうことがないように、程々に楽しむ程度の摂取を心がける必要があることは頭においておいたほうが良いのでしょう。

カフェイン大量摂取が原因か 20代男性死亡 NHKニュースカフェイン大量摂取が原因か 20代男性死亡 NHKニュース

カフェイン中毒死:血中濃度、致死量…短期間に大量摂取か – 毎日新聞カフェイン中毒死:血中濃度、致死量…短期間に大量摂取か - 毎日新聞

 解剖で男性の血液1ミリリットルから致死濃度(79〜567マイクログラム)に当たる182マイクログラムのカフェインを検出した。胃からもカフェイン錠剤の粉末が見つかり、中毒死と結論づけた。

 血中濃度から推定される経口摂取による致死量は3000ミリグラム(3グラム)程度。血中濃度が半分に下がるのは3〜6時間後で、短期間に大量摂取すると頭痛やめまい、吐くなどの中毒症状が表れる。

 カフェイン錠はビタミン剤などと同じ「第3類医薬品」などとして市販され、1錠でコーヒー2杯に相当する100ミリグラムを含んでいるものや、それを超える商品もある。

 公益財団法人「日本中毒情報センター」(茨城県つくば市)によると、1本(160〜500ミリリットル)当たり14〜180ミリグラムのカフェインを含有し、中には眠気覚ましと称して1本(50ミリリットル)に100〜150ミリグラムを含有する商品もある。20〜30本を一気に飲むと致死量に達する計算だ。

眠気覚ましにカフェイン多量摂取、男性が中毒死 : 社会 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)眠気覚ましにカフェイン多量摂取、男性が中毒死 : 社会 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)

 久保教授は「長期間の常用で肝臓の分解機能が低下したところへ、多量摂取によって血中濃度が致死量に達したのではないか」と分析。「様々なカフェイン入りの食品を合わせて取ることで、過剰な摂取につながることがあり、注意してほしい」と話す。

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