女性が運転する自動車が、自転車に乗って車の前に侵入してきた男子学生らと接触事故を起こしたものの、男子学生らはそのまま立ち去ったため、自動車の女性はそのまま走り去ってしまうという動画が話題になっています。
まず問題なのは、道路交通法の「交通事故の場合の措置」第七十二条において、『交通事故があつたときは、当該交通事故に係る車両等の運転者その他の乗務員(以下この節において「運転者等」という。)は、直ちに車両等の運転を停止して、負傷者を救護し、道路における危険を防止する等必要な措置を講じなければならない。』とありますので、車の運転手は交通事故が起きたら警察に通報する義務があります。
ちなみに自転車も車両なのですから道路交通法の適用となり、自転車を運転していた男子学生は警察に通報しなくてはいけません。
「交通事故」とは道路交通法の「危険防止の措置」第六十七条によると『車両等の交通による人の死傷若しくは物の損壊(以下「交通事故」という。)』とあります。
動画のように軽い接触のようでも、服の一部や自動車や自転車に傷や汚れがついていたとしても「物の損壊」が生じている場合が多いので「交通事故」となります。
故に、この動画のような軽い接触事故の場合でも、運転手は「運転の停止」をして、負傷者がいれば「負傷者の救護」の上、「必要に応じて車両の移動」の後に、「警察官への報告」をしなくてはいけません。
故に、軽い接触でも「交通事故」となるので、自動車および自転車の運転手が警察へ報告せずに立ち去れば、いわゆる「ひき逃げ」となります。
以前、自動車の運転手が接触しそうになった中学生を追いかけまわしたり脅迫している様子のドライブレコーダーの動画をYouTubeに投稿したことで、警察が脅迫とつきまといの軽犯罪で口頭注意した事件がありました。(※警察に注意された運転手は後に自殺)
その時や今回の動画でもそうですが、この接触事故を起こしている女性を中傷するようなコメントやブログを書いている人を見受けます。
さらに今回の動画で一番気になったのは、第三者の通報や救護の義務はないにしても、投稿者は動画を投稿しただけで事故を起こした女性を見せ物にしているのは偽善以外の何物でもありません。
交通事故を起こした人が立ち去っているのは問題ですが、
第三者が誹謗中傷しているのは別の犯罪を作っていることにほかなりませんので、こういうネットの集団リンチの風潮こそ、そろそろ終わりにさせないといけません。
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