映画「おおかみこどもの雨と雪」見てきた。夫を亡くした母が2人の子供を懸命に育てる。

アニメ「おおかみこどもの雨と雪」を見てきました。
アニメ「おおかみこどもの雨と雪」はアニメ「時をかける少女」や「サマーウォーズ」の細田守監督の最新作です。

前もって前売り券を購入していた。
映画「おおかみこどもの雨と雪」見てきた。夫を亡くした母が2人の子供を懸命に育てる。

おおかみおとこの男性に恋し子どもを授かり、おおかみおとこの夫を亡くした女性が一人で子供2人を育てる話です。
子どもは成長の過程で日々様々な行動をします。また、病気もするし、親がいくら話しても子供には理解してもらえず、怒ったり泣いたり駄々をこねたりすねたり暴れまわったりします。
その子どもが人間と子供だったら・・・。さらに大変な育児生活となるのです。母親だけで育てるのは更に大変で・・・。

映画「おおかみこどもの雨と雪」見てきた。夫を亡くした母が2人の子供を懸命に育てる。

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夏休み中ということで、小さな子供や小学生くらいの子らが親子連れで来ていましたが、
ある子は「こわい?こわいね?」と母親に何度も尋ね、ある小学生くらいの子らは、亡くなった夫・草平が「生き返るよ。きっと」と映画の最中にささやいているのが聞こえました。
子供にとって親と別れるというのはとても衝撃的で、こわくて、不安な出来事であったに違いありません。

しかし、実際には彼らおおかみおとこの家族の人生よりも辛い生活の人たちもいます。
また、子どもを育てるというのは、大変なことなのだと改めて考えさせられる作品でした。

どうぞ、親子で夫婦でご覧になって、見た後に色々と話してみるのがよろしいかと思います。

■内容について触れる関係上、まだ見ていない人は以下をご覧にならないようお気をつけ下さい。

おおかみこどもの雨と雪 (1) (カドカワコミックス・エース)
おおかみこどもの雨と雪 (1) (カドカワコミックス・エース)

映画「おおかみこどもの雨と雪」映画「おおかみこどもの雨と雪」

花は国立大学に通う大学生。花は大学で一人の男性(草平)と出会い、恋をし、一緒に生活を始めます。
それは、恋をして愛しあう恋人なら普通だし、花と草平の二人は普通の生活や恋をしていたように見えましたが・・・。

ある日、草平は花に「話しておきたいことがある」と切り出し、ある夜、
草平は『本当の自分の姿』を花に見せ、自分はおおかみおとこでニホンオオカミの子孫であると話します。

映画「おおかみこどもの雨と雪」見てきた。夫を亡くした母が2人の子供を懸命に育てる。
草平「もっと早く話すべきだった・・・」

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草平が「こわくないかい?」と聞くと、花は「あなただから大丈夫」と受け入れます。

そうして二人の間に子どもが生まれます。
雪の日に生まれた姉は≪雪≫、雨の日に生まれた弟は≪雨≫と名付けられました。
雪は活発で好奇心旺盛。雨はひ弱で臆病。

草平「大きくなるまで、見守ってやろう・・・」

映画「おおかみこどもの雨と雪」見てきた。夫を亡くした母が2人の子供を懸命に育てる。

一見普通の家族のように見えましたが、ある日、平凡な生活はおおかみおとこの草平の死によって奪われるのでした。

夫および父を失った3人の母子は、夫および父がいなくても生活しなくてはいけません。

都会でおおかみこどもの雪と雨を育てるのは大変でした。花は草平から彼が子供の時どう過ごしていたのか、どうやっておとなになったのかを聞いておけばよかったと思いました。
それは同時に赤ちゃんを育てるのと狼という日本ではすでに居なくなった動物の子どもを育てるのですからなおさらでした。
また、周りの家からは泣いた赤ちゃんの声がうるさいしつけがなっていないと怒られて、子供たちがおおかみこどもだと知られないように検診や予防接種に連れて行ってなかったため児童相談所がやってきて「児童虐待やネグレクトを疑われても仕方ない」と言われ、挙句におおかみこどもは夜中に突然『遠吠え』をするのだからアパートの管理人に勝手に犬を飼っているから他所に行ってもらって構わないと言われます。
近所にも子どもを持つ母子を見かけ、ママ友や子供たちが遊ぶ姿を見るけれど、おおかみこどもの雪と雨は突然狼になる子供なので一緒に話したり遊んでもらうことも出来ませんでした。

映画「おおかみこどもの雨と雪」見てきた。夫を亡くした母が2人の子供を懸命に育てる。

そしてとうとう、人の多い都会を離れ、人に会うのすら大変な田舎の山奥の家に引っ越してきました。
田舎に越してきたのは子供たちが将来「人間か、おおかみか」を選べるようにと花は考えたのでした。

田舎の暮らしというのは実に大変で、「自然がいっぱいで良いですね」というのは、自然の厳しさや大変さや生活のし辛さを理解していないことにほかなりませんでした。
また、田舎の人というのは、新入りをどこか距離を置いており、また新入りがやってきたかとか、またしんどくなって出て行くに違いないと花たち3人家族を噂しているのでした。

おおかみこどもの雪と雨は人間の子供でありながら、同時に日本では絶滅したと思われていたニホンオオカミの子孫であり、狼の性質も兼ね備えていました。
だから、怒ったり感情が変化すると同時に、耳が出て鼻が付き出して牙や爪が伸びるのも、家中を走りまわって机の脚をかじってしまうのも、おおかみおとこの子供なら仕方がないことでした。

しかし田舎にも優しい人がいて、花の家には野菜の育て方を教えてくれる人や子どものいる母親が遊びにくるようになりました。

成長と共に子供たちが小学校に行くようになったときにも、それはもう花は子供たちのことを心配していました。
雪は好奇心旺盛で活発な女の子となり、友逹がすぐに出来ました。
雨はひ弱でおとなしく臆病な性格で、友だちもできず人に馴染めず、いじめられたときには雪に助けられることも少なくありませんでした。

そうした正反対の性格の雪と雨ですが、ある日の出来事が2人に起きたことをきっかけに、
雪は狼になることをしようとせず、雨は山や森や谷といった自然の中に楽しみを得るようになりました。

そうして、花が子供たちが将来「人間か、おおかみか」を選べるようにと田舎に越してきたように、雪と雨はそれぞれの道を選ぶように成長していきます。--

話の中で母親である花は何度も「別れ」をしてます。また、その上で母親としての選択や決意を持って子供たちを育てていきます。
それは、夫であり子供たちの父親でもあった草平との別れ。草平がいなくても子供たちを育てていかなくてはいけないと思い巡らせるのです。

子どもを育てることは本のとおりにはいかないことも多くあるようです。
子供を2人持つ妹などを見ていても一人で育てるのは難しく、周りの助けがあってこそ気持ちが折れずにこれまで子供たちを育ててこれたのではと思います。
子供を母親だけでは育てていけないという感想を持った人もいましたが、この話の中では周りの人達が助けてくれるけれど、実際には本当に母親だけで育てている家庭もあるし、夫および父親がいても家庭を省みず育児や家事を手伝ってくれない男性は少なくないのです。

細田守監督は「子どもを育てているいとこの話を聞いていると、3歳ぐらいの子どもは一番凶暴でコントロールがきかない、半分動物で半分人間のような存在。もし本当にそういう存在がいたら面白いんじゃないかと思っておおかみこどもを考えついたら、なんだかとてもかわいらしかった」とインタビューに応えていらっしゃいますが、正しくそのとおりで、赤ちゃんの間は親がどのように諭しても言って聞かせてもいうことを聞いてくれないものなのですね。

2つ目の別れは、そうした赤ちゃんだった子らが学校に行くようになったときです。
親の手を離れたところで過ごすというのは、別れと再会を繰り返すようなものに近いのでしょう。
ましてや田舎の山奥に生活をする3人の母子ですから、遠くの学校に子どもを通わせるのは、成長を喜び噛み締める反面、うまくやっていけるだろうかとか友だちと仲良く出来るだろうかとか学校で楽しく勉強できるだろうかと、実は親というのは学校にいる子らのことを考えて不安になることもあるはずなのですね。

3つ目の別れは、いつかやってくる子供たちの独立です。
いつか自分がそうであったように、親のもとを離れて暮らしたり、家庭を持って子供たちを育てていくことになります。
おおかみこどもですから、当然狼として生きていく選択もありうるのです。
そして、10歳のこどもおおかみなら既に狼としては十分大人なのです・・・。

ただ、自分の子どもが10歳で独立して一人で生きていくという選択をした場合に、それを認めてあげられるのか、私には自信がありません。
10歳の狼でもありますが、10歳の人間の子どもでもあるのです。

人生とは何度も「選択」を繰り返す場面に遭遇するものです。
私が、結婚をしようとした女性と離れて暮らしている間に、結婚に至らず未だに一人であるように、「選択」の結果というものは無常に流れていくものです。
そして、ある日、その時に別れた女性が亡くなっていたことを知らされるくらいに、人生というものはドラマよりも遭遇した人間に衝撃を与えることがあります。
それでも、私は人生を生きていかなくてはならないのです。

この話には田舎暮しや狼=野生といった「自然」という物が描かれています。
そうした都会で過ごしていたときに安易に考えていた「自然」の中で生きて行くという、見た目以上の大変さや不便さについても考えさせられる作品です。

ただ、「都会」と「自然」という環境が違う中で、生きて行くために選択をし続けることには変わりありません。

物語を振り返って花や雪や雨が選択した後には、どのような人生が待っているのでしょう。
そうしたことを想像するという楽しみがまた一つ増えた作品でした。

映画「おおかみこどもの雨と雪」予告1

映画「おおかみこどもの雨と雪」予告2

映画「おおかみこどもの雨と雪」予告3

映画「おおかみこどもの雨と雪」特報1

映画「おおかみこどもの雨と雪」特報2

映画「おおかみこどもの雨と雪」特報3

朝日新聞デジタル:「おおかみこどもの雨と雪」細田守監督、ノベライズも – マンガ+ – 映画・音楽・芸能朝日新聞デジタル:「おおかみこどもの雨と雪」細田守監督、ノベライズも - マンガ+ - 映画・音楽・芸能

 映画では姉の雪が語り手だが、企画段階のプロット(筋書き)は、三人称で書かれていた。「プロットの文体を使って物語を書いてみるとどうなるか、興味があった」ことが、今回の出版につながった。もともとプロットでは「物語をシンプルに書くタイプ」。出来上がった本も簡潔で力強い文体が目をひく。映画の現場を終え深夜に帰宅してから、明け方まで書くという執筆生活を3カ月送ったという。

(cache) 朝日新聞デジタル:「おおかみこどもの雨と雪」細田守監督、ノベライズも – マンガ+ – 映画・音楽・芸能(cache) 朝日新聞デジタル:「おおかみこどもの雨と雪」細田守監督、ノベライズも - マンガ+ - 映画・音楽・芸能

「おおかみこどもの雨と雪」(日本テレビ、スタジオ地図、東宝ほか) : 映画評 : 映画 : エンタメ : YOMIURI ONLINE(読売新聞)「おおかみこどもの雨と雪」(日本テレビ、スタジオ地図、東宝ほか) : 映画評 : 映画 : エンタメ : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

 雪と雨は、喜びや怒りを隠せない時には、人間からおおかみに知らぬうちに変身してしまう。その変化の様子はめまぐるしく、花をもどきっとさせる。ほほえましくもある様は、社会的生き物になる前の子供の本質を見事に表現している。

おおかみこどもの雨と雪 (角川文庫)
おおかみこどもの雨と雪 (角川文庫)

おおかみこどもの雨と雪 – Wikipediaおおかみこどもの雨と雪 - Wikipedia

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