最近、ノロウイルスが流行の兆しがあるという報道を見かけますが、注意喚起のわりに消毒方法が載っていなかったりするようです。
そういった、ノロウイルスの予防方法や感染者の嘔吐下痢の吐瀉物や汚物などの消毒方法などをまとめておきます。
ノロウイルスの潜伏期間
24~48時間で発症
ノロウイルスの感染経路
- ノロウイルスに汚染された食品(生かき等の貝類など)を食べたとき
- 調理する人の手などを経てノロウイルスに汚染された食品を食べたとき
- 発症した人の下痢便やおう吐物の処理をした。または不十分だったとき
感染者の吐瀉物などの消毒は次亜塩素酸ナトリウム(塩素系漂白剤)
まず、ノロウイルスにはアルコールは殺菌できません。ノロウイルス消毒には次亜塩素酸ナトリウム(塩素系消毒薬)を使用してください。
キッチンハイター 大 【HTRC8】
ノロウイルスに感染していないのに、毎日「次亜塩素酸ナトリウム」で消毒しろということではありません。
消毒薬は使用できる物に制限があるので、通常生活において手指や包丁などはアルコールを使ったり、衣服などの洗濯や汚物の付いた物には次亜塩素酸ナトリウム(塩素系消毒薬)で洗ったりしましょう、というお話です。
ノロウイルスの予防方法は十分な手洗いとすすぎ、第1に洗浄(と充分なすすぎ)、第2に消毒
また、アルコール消毒では消毒の効果が足りないのと、ノロウイルスは少量でも経口感染してしまうため、アルコール消毒だけではなくこまめに流水と石鹸で手洗いすることが重要です。
※手洗い後の手指の消毒にはアルコール消毒を。皮膚は手が荒れるので次亜塩素酸ナトリウム(塩素系漂白剤)は使用できません。
ノロウイルスはアルコールでは殺菌出来ないので、手洗いをこまめに。また、感染者が吐いたりしたら、塩素系洗剤で洗ったり、希釈して拭きましょう。 / “ノロウイルスに変異 大流行のおそれも NHKニュース” htn.to/bMbzUG
— Tomo (@cutplaza) December 6, 2012
また、本来は逆性石鹸とかクレゾール石鹸といった消毒薬がありますが、一般家庭で使いにくく購入も面倒であり、煮沸消毒に至っては、家庭で行うのは難しいですね。
多くの場合、家庭などではアルコール消毒か次亜塩素酸ナトリウムによる消毒が扱いやすさと対応する殺菌効果が認められる関係で推奨されています。
消毒薬 | ノロ ウイルス |
一般 細菌 |
緑膿菌 | 結核菌 | 真菌 | 芽胞 | B型肝炎 ウイルス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
次亜塩素酸ナトリウム | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | △ | ◯ |
アルコール | × | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | × | ◯ |
ちなみに、アルコールや次亜塩素酸ナトリウムは器具などで使用できないものがあります。
亜塩素酸ナトリウムは手指の消毒には使えず、皮膚に着くと手荒れの原因になるので使用するときには手袋をするようにしましょう。
また、汚物の処理の際には、飛沫して口に入ることもありうるので、マスクをしましょう。
消毒薬 | 環境 | 金属 器具 |
非金属 器具 |
手指 皮膚 |
粘膜 | 排泄物に よる汚染 |
---|---|---|---|---|---|---|
次亜塩素酸ナトリウム | ◯ | × | ◯ | × | × | ◯ |
アルコール | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | × | × |
ノロウイルスだけでなく、寒い季節になると風邪やインフルエンザが流行しやすいです。
定期的な手洗いとうがいで予防し、病気の症状が出たら、マスクをするとか早めに病院で診療してもらうようにしましょう。
また、他の家族に感染させないために、吐いたりしたものは次亜塩素酸ナトリウムで洗い、その他は希釈して拭くなど適切な消毒や隔離をしてください。
【ノロウイルスに関するQ&A|厚生労働省】
【[PDF] 平成 21 年度 ノロウイルスの不活化条件に関する調査 報告書 – 厚生労働省】
ノロウィルスの対策
【食品安全委員会:ノロウイルスの消毒方法 | 食品安全委員会 – 食の安全、を科学する】 (内閣府)
手指の手洗い消毒の徹底
消毒対象ごとの処理や消毒
|
※作業時はガウン(エプロン)、マスクと手袋を使用し、換気を十分に行いましょう!
※使用後の手袋やペーパータオル等はビニール袋に入れて捨てましょう!
※高度な汚染がなければ次亜塩素酸ナトリウム(塩素濃度200ppm〜500ppm)で浸すように拭く程度でかまいませんが、次亜塩素酸ナトリウムの殺菌力は有機物による影響をうけるため、必要に応じて濃度を調節しましょう。
※次亜塩素酸ナトリウム消毒液(塩素濃度200ppm)の作り方
市販の漂白剤(塩素濃度約5%)を250倍希釈して作ることができます。
(例)5Lの水に漂白剤を20ml入れる。
【避難所での消毒方法まとめ – 平成23年東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)】
【[PDF] ノロウイルスの主な感染経路 消毒薬のつくり方】(横浜教育委員会)
【横浜市保健所・区福祉保健センター 】 (横浜市保健所健康安全部健康安全課)
【丸石製薬株式会社|消毒・感染制御情報|ノロウイルス -概要と消毒・感染対策-】
ノロウイルスは、10~100個程度でも感染の可能性があるので、エタノールのみでは効果は不十分であり次亜塩素酸ナトリウムやグルタラールが有効と考えられます。
ノロウイルスの消毒には、必ず塩素系漂白剤(成分:次亜塩素酸ナトリウム)を使用しましょう。
(※注意! アルコールや逆性石けんは効果がありません。)
トイレのドアノブなどや、調理器具の消毒は、濃度0.02%(200ppm)の液を使用して、浸すように拭き取りします。
嘔吐物等で汚れた床などや、嘔吐物等自体の消毒は、さらに高濃度の0.1%(1000ppm)の液を使用して、浸すように拭き取りします。
色落ちする衣類など塩素系漂白剤が使用できない物の場合は、良く下洗い後に、熱湯やスチームアイロンなどの蒸気(85℃以上で1分間以上)で消毒します。下洗いをした洗面所などにはノロウイルスが残っていますので、そこもきちんと消毒しましょう。
【大阪府立公衆衛生研究所ホームページ /感染症情報センター/ものしり講座】
ロウイルス対策としてマニュアル化されております対応(次亜塩素酸ナトリウム、加熱、熱湯、高温スチーム)を第一選択としてください。それらでの対応ができないけれど消毒を必要とする場合のみ、アルコール系消毒剤(医薬品および医薬部外品)を用いることをやむを得ず提案しています。
アルコール系の消毒剤ですとスプレータイプのものが多く、一度スプレーしただけで効くように思われてしまいますが、アルコールに抵抗性があるノロウイルスをはじめ多くのウイルスではこのような使い方ではウイルスは死滅しません。
手指に次亜塩素酸ナトリウムを使用することはできませんから、感染予防は手洗いをするしかありません。
【Y’s Square:病院感染、院内感染対策学術情報 | ノロウイルスの消毒-エタノールの使い方を中心に-】
エタノールはノロウイルスに対する効果が十分でないといわれていますが、その効果を理解してエタノールを使用することにより、ノロウイルスの感染対策に用いることができます。今回はノロウイルスの消毒についてエタノールの効果を中心に述べます。
1.手指衛生における80v/v%エタノール含有速乾性手指消毒薬の使用について
80v/v%エタノール含有速乾性手指消毒薬の適用は手指に付着しているノロウイルスを10分の1程度に不活性化できると推定できます。これは通常の手指消毒効果としては、低すぎる値ですが、念入りな手洗いによりウイルス量を100分の1程度までまず除去し、さらに速乾性手指消毒薬を適用し10分の1とすることで、全体として1000分の1程度に減少させることができると期待されます。このようにウイルス量をできる限り減少させて易感染者が感染しない量までに減少させることが補完的に速乾性手指消毒薬を使用する目的であると考えます。
<感染経路>
経路1 人のふん便中のノロウイルスが、下水を経て川から海へ運ばれ、二枚貝の内臓に蓄積されます。
それを、十分に加熱しないで食べると感染します。
経路2 ノロウイルスに感染した人が、十分に手洗いを行わずウイルスが手についたまま調理をすると、
食品が汚染され、その食品を食べた人が感染します。
経路3 ノロウイルスを含むふん便や嘔吐物を処理した後、手についたウイルスや、不適切な処置で残
ったウイルスが、口から取り込まれ感染します。
さっきのアルコール消毒は手洗い前に行うというのは間違いではなくて、アルコールの濃度によっても消毒の効果が変わるので乾いている時にするほうが良い。トイレの処理としてのクレゾールや塩素の使用による消毒というのは、アルコール消毒だけでは消毒できないウイルスの感染を防ぐのに必要という意
— Tomo (@cutplaza) April 8, 2011
【[PDF] 消 毒 マ ニ ュ ア ル】 (全国保健所長会)
〔3〕物理的消毒法
消毒薬を使用しないで微生物を殺滅する方法をいう。
乾燥した熱(乾熱)では160℃以上の高温でなければ殺菌効果は期待できないが、い
わゆる湿った熱(湿熱)では、80℃・10分間の処理で芽胞以外の一般細菌を感染可能
な水準以下に死滅または不活性化できる。蒸気は熱水より高い殺菌性能を有しており、消
毒レベルは高い。
①流通蒸気法:加熱した水蒸気を直接流通させて微生物を殺滅する方法で
100℃の流通蒸気の中に30~60分間放置する。
②煮沸法:沸騰水の中に沈めて15分間以上煮沸する方法である。
③間歇法:80~100℃の熱水または流通水蒸気中で1日1回、30~60分間ずつ、
3~6回加熱をくり返して微生物を殺滅する方法をいう。