アメリカで4例目のBSE(牛海綿状脳症)に感染した乳牛 輸入規制緩和に影響必至

アメリカ政府は24日、アメリカ国内で4例目のBSE(牛海綿状脳症)に感染した乳牛が確認されたと発表しました。
全米肉牛生産者協会は声明を発表し「感染した牛は、当局による抜き打ち検査で見つかったもので、肉は一切流通しておらず、アメリカ産牛肉は安全だという事実に変わりはない」としています。
アメリカ農務省のクリフォード主任獣医師は、「人々の健康に害を及ぼすようなことはない。今後、徹底した調査を行うが、消費者に懸念を与えたり、牛肉の取り引きに影響が出るような性質の話ではない」と深刻な事態にはならないとしています。また、クリフォード主任獣医師は「(非定型のため)広範な感染が疑われる汚染飼料が原因ではないと考えられる」と説明しています。

アメリカで4例目のBSE(牛海綿状脳症)に感染した乳牛 輸入規制緩和に影響必至

通常、BSEは感染牛の臓器で作る「肉骨粉飼料」を牛に与えることで感染が広がることが定説とされていましたが、日本で新型の非定型BSEが発見されており、こうした定説に疑問が生じました。

BSEはヒトのクロイツフェルト・ヤコブ病に関係があるとされており、畜産業や外食産業など一般生活に影響を与える世界的な社会現象となりました。

アメリカは日本側に米国産牛肉の輸入制限緩和を求めていましたが、新たなBSE感染牛の問題は逆風となりそうです。また、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)にも影響を与えるのではとも示唆されています。

米でBSE感染牛、農務省「人間の健康守られている」 | Reuters米でBSE感染牛、農務省「人間の健康守られている」 | Reuters

 米農務省は24日、カリフォルニア州で牛海綿状脳症(BSE)に感染した乳牛が確認されたと発表した。米国で初めてBSE感染牛が発見されたのは2003年で、今回は4例目となる。農務省当局者は、食用への流通は阻止され、ヒトおよび動物の健康は守られていると説明した。

農務省は、すでに国際獣疫事務局(OIE)や牛肉輸出先への通知を開始。同省当局者は牛肉輸出への影響はないとの見方を示した。現在、感染ルートなどを調査中だが、餌を通じて感染したわけではないとみている。月齢もまだ確定していない。感染牛は処分されることになっている。

農務省の動植物検疫関係当局の責任者は会見で「今回の件で警戒、懸念の必要はない。人間および動物の健康は守られている」と説明。

さらに、米国のBSE対策が適切と関係機関から認定されていることを挙げ、「輸出には影響しないはずだ。影響するとかしないとかの予想ではなく、影響しないはずだと言っている」と述べた。

米国では2003年終盤に初のBSE感染が確認され、翌04年の牛肉輸出は約30億ドルも減少した。

今回は、農務省の発表前からBSE感染のうわさが広がり、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の生牛先物相場がストップ安を付けたほか、関連商品のトウモロコシ相場も下落した。生牛先物は、農務省が食品への影響はないと表明したことを受け、幾分持ち直した。

米 乳牛で4例目のBSE確認 NHKニュース米 乳牛で4例目のBSE確認 NHKニュース

アメリカ政府は24日、国内で4例目となるBSEに感染した牛が新たに確認されたと発表しました。
アメリカ農務省によりますと、感染が確認されたのは、西部カリフォルニア州で飼育されていた乳牛1頭で、肉は市場に流通していないということです。

アメリカでは、2003年に初めてBSEに感染した牛が見つかり、今回、4例目です。
記者会見したアメリカ農務省のクリフォード主任獣医師は、「人々の健康に害を及ぼすようなことはない。今後、徹底した調査を行うが、消費者に懸念を与えたり、牛肉の取り引きに影響が出るような性質の話ではない」と述べて、深刻な事態には至らないという認識を強調しました。
また、全米肉牛生産者協会も声明を発表し、「感染した牛は、当局による抜き打ち検査で見つかったもので、肉は一切流通しておらず、アメリカ産牛肉は安全だという事実に変わりはない」として、アメリカ産牛肉の安全性を強調しました。
そのうえで、「アメリカ農務省の監督の下で、年間4万頭の牛が検査対象となっている。BSEは世界的に見ても年々減っており、月齢にかかわらず、すべてのアメリカ産牛肉が安全に輸出される体制は整っている」としています。
アメリカは、BSEに関する国際的な安全基準を満たしているとして、日本が生後20か月以下の牛に限ってアメリカ産牛肉の輸入を認めるとする規制を、緩和するよう求めています。
今回、アメリカで4例目の感染が確認されたことで、規制緩和を巡る日本国内の議論にも影響が及ぶことになりそうです。
BSEに感染した牛について、アメリカ農務省の担当者は、NHKの取材に対し、「アイオワ州の国立研究所にサンプルを送って、調査中で、月齢などが判明するのに1~2週間かかるとみている。感染した牛が何を食べていたかなどを調べ、原因を究明していきたい」と話しています。

米でBSE感染牛確認 カリフォルニア州中部の乳牛(12/04/25)テレビ朝日

カリフォルニア州でBSE感染牛-6年ぶり4例目 – WSJ日本版 – jp.WSJ.comカリフォルニア州でBSE感染牛-6年ぶり4例目 - WSJ日本版 - jp.WSJ.com

 この牛は乳牛で、同省のBSE監視システムでの検査で発見された。同省は年間約4万頭の牛を検査している。米国でBSE感染牛が確認されたのはこれが4例目。同省はこの牛の肉は市場に出回っていないとしている。また、BSE感染牛が新たに出たことで米国産牛肉の輸入を禁止する国はないとみている。

加州でBSE感染牛、米で4例目、輸入規制緩和に影響必至 – MSN産経ニュース加州でBSE感染牛、米で4例目、輸入規制緩和に影響必至 - MSN産経ニュース

米農務省は24日、カリフォルニア州で、乳牛1頭がBSE(牛海綿状脳症)に感染していることが確認されたと発表した。米国内でのBSE感染牛の発見は2006年以来6年ぶりで、4例目。日本側に米国産牛肉の輸入制限緩和を強く求めるオバマ政権には痛手で、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)をめぐる日本との協議にも逆風となりそうだ。

 米通商代表部(USTR)は2日に発表した2012年版の外国貿易障壁報告書で、自動車の非関税障壁などと並に、米国産牛肉の輸入規制を日本市場で撤廃されるべき「貿易障壁」として強く非難した。

 さらに、TPPへの日本の交渉参加問題をめぐる事前協議との関連でも牛肉を重視。民主党の経済連携プロジェクトチーム(PT)の代表団が9日に訪米した際、USTRのマランティス副代表ら米側は、牛肉の規制緩和を緩めるなどの譲歩を迫ったとされる。

 米国の食肉業界や議会の不満を背景に、米政府は米国産牛肉の輸入制限緩和を日本側に求めてきた結果、昨年12月には厚生労働省に規制緩和案を発表する”譲歩”を引き出させた。

 その矢先に浮上したBSE問題は、米国にとって最悪のタイミングといえる。農務省は月例を問わず米国産牛肉が輸出できるとしている国際獣疫事務局(OIE)の認定に影響はなく、「米国の貿易に影響はない」と強調するが、日本に対する市場開放圧力の勢いに水を差すのは必至だ。

 ビルサック米農務長官は24日、「農務省は米国産牛の安全性に引き続き自信を持っている」との声明を発表したが、この6年間途絶えていたBSE感染牛がまたも発見され、米国の消費者に不安が広がることは避けられそうにない。食肉市場や畜産農家など関連業界への影響も懸念される。

 今後は、BSEと食の安全に関する正確な情報の発信とともに、感染ルートの解明や対策も含めて、米政府には丁寧な説明が求められそうだ。

時事ドットコム:米国で6年ぶりBSE牛=農務省、加州の乳牛で確認時事ドットコム:米国で6年ぶりBSE牛=農務省、加州の乳牛で確認

米農務省は24日、米国カリフォルニア州で乳牛1頭のBSE(牛海綿状脳症)感染が確認されたと発表した。米国でBSE感染牛が確認されたのは2006年3月以来、約6年ぶり。米国内でのBSE感染牛の発見は4例目となる。同省は、既にこの牛の死骸は州当局の厳重な管理下にあるため食用に流通することはないとし、食の安全面での影響はないとの認識を強調した。
 ただ、野田佳彦首相の訪米を目前に控え、環太平洋連携協定(TPP)交渉への参加問題や米国産牛肉の輸入制限緩和をめぐる日本国内の議論に大きな影響を与えるのは必至だ。
 BSE感染が疑われた牛のサンプル部位について、農務省の研究所で、日本でも使われているウエスタンブロット法などによる検査を行い、典型的なBSEとは異なる非定型BSEの陽性が確認されたという。同省のクリフォード主任獣医師は「(非定型のため)広範な感染が疑われる汚染飼料が原因ではないと考えられる」と説明している。

牛海綿状脳症 – Wikipedia牛海綿状脳症 - Wikipedia

BSE問題 – WikipediaBSE問題 - Wikipedia

一方19年8月25日、国内2例目の非定型BSE感染牛(生後14年1か月=169ヶ月齢)ではマウスに感染することが、動物衛生研究所・プリオン病研究センターなどの研究チームが確認された。現在(平成19年現在)の迅速検査によってぎりぎり発見される定形型BSE牛や、8例目で発見された非定型異常プリオンの場合には人間に対して危険性のないことが示唆された。

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