フランスの国営放送「フランス2」のバラエティ番組で、サッカーのフランス代表と対戦した日本代表のゴールキーパー川島永嗣選手の腕が4本になった合成写真を映して司会者のローラン・リュキエ氏が「日本には素晴らしいGKがいた」と述べた後に「私は福島(第1原発の事故)の影響ではないかと思う」と発言していたことが分かりました。スタジオの一般参加視聴者から拍手と笑いが起きていました。
川島永嗣選手の所属するベルギーの有力紙ルソワールは「行き過ぎ発言か?」と報道し、フランスのインターネットメディアも「趣味の悪い冗談」などと批判的に取りあげています。
川島永嗣選手はベルギー1部リーグ、スタンダール所属ですが、リールスでプレーしていた昨年8月にも同国リーグの試合で相手チームのサポーターから「カワシマ、フクシマ」などとやじを飛ばされ、相手チームはベルギー・サッカー協会から3万スイスフラン(約254万円)の罰金を科されました。
東日本大震災の直後の2011年3月14日にもにもフランスのケーブルテレビ局「カナル・プリュス」(CANAL+)の風刺番組「レ・ギニョル・ド・ランフォ」(Les Guignols de l’info)が人形劇で、災地の支援に入ったという設定の外国人兵士の人形が二枚の写真を示し「日本がこんな国とは知らなかった」とか被災地の写真と第二次大戦の原爆で破壊された広島の写真を比べて「日本は五十年以上、復興の努力をしていない」と揶揄をしたり、日本の日の丸に放射能標識をあしらって表示するなど放送したため、在仏日本大使館が抗議しました。
カナル・プリュスは「レ・ギニョル・ド・ランフォは風刺番組。ニュースでは震災をきちんと報じている」と釈明しました。
フレンチジョークはブラックな内容で大抵面白くないのですが、放射能を持ち出す発言は差別的であり看過出来るものではありませんね。
今回の在仏日本大使館は「フランス2」に対して「(東日本大震災や原発事故の)被災者の心情を傷つけるもので遺憾。強く抗議する」と抗議文を送りました。
Laurent Ruquier – Le Flop Ten – On n’est pas couché – 13 Octobre 2012
フランスのバラエティ番組司会者の川島永嗣選手に対する中傷発言について報じているベルギーのメディア
【Ruquier dérape et compare Kawashima à Fukushima – 7SUR7.be】
【GK川島永嗣の腕4本に合成 「原発事故影響」と仏TV ― スポニチ Sponichi Annex サッカー】
【川島選手で合成写真、仏TV「原発の影響」 日本大使館は抗議 :日本経済新聞】
2011/04/30
【【動画】「原爆から復興の努力ない」 大震災ちゃかす寸劇=仏「レ・ギニョル・ド・ランフォ」|Urban Robot Cafe アーバン ロボット カフェ】