仏核廃棄物処理施設の爆発にるヨーロッパでの議論に日本のこれからを見る。

12日、フランスの核廃棄物処理施設が爆発する事故が起き、施設を保有する仏電力公社(EDF)によると5人の死傷者を出しました。
当局は爆発による放射能漏れは起きていないとし、仏原子力安全局(ASN)も事態は収束したと主張しています。その一方で国際原子力機関(IAEA)は緊急事態対応センターを設置し、仏原子力当局に情報提供を求めています。

パワー・ハングリー――現実を直視してエネルギー問題を考える
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爆発の起きたのは低レベルの放射性廃棄物を溶かすための溶融施設で、原発などで使う道具類や作業服など比較的低レベルの廃棄物を処理していました。爆発が起きる直前には6万7000ベクレルの放射能を含む金属(バルブなど金属製の廃棄物)を溶解する炉にてを燃やしていたとされています。
EDFによると、爆発は収まりましたが、これまでのところ詳しい爆発の原因は分かっていません。
フランス紙リベラシオン(電子版)の報道では、同センターの溶融炉そのものではなく、炉の外部で起きた爆発であり、溶融炉は建屋内にある遮蔽(しゃへい)された空間に設置されており、爆発で遮蔽壁が吹き飛んだものの建物などにも損壊はないと伝えました。

ドイツが早速批判しているようなのですが、2011/03/11に日本で起きた東日本大地震により福島の原発事故を受けて、ドイツは2011年7月に脱原発法の成立により国内の原発の運転停止をしていますが、以前はヨーロッパでも電力の輸出国であったことと、これからしばらくはフランスなどから電力の輸入に頼らないといけない現状があります。

日本でもゆくゆくは原発から別の電力発電方式に移行していかないといけない状況でしょうけど、その後始末とか途中の原発の問題で日本が国の中でその責任の押し付け合いをしているように、ヨーロッパでも似たような状況が数十年続くのでしょうね。

仏核関連施設で爆発、5人死傷…放射能漏れなし : 国際 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)仏核関連施設で爆発、5人死傷…放射能漏れなし : 国際 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

仏南部ガール県マルクール地区の原子力施設で12日昼(日本時間同日夜)、爆発事故があり、1人が死亡、4人が負傷した。

 負傷者の一人はやけどで重傷を負った。

 仏原子力安全局(ASN)によると、爆発、炎上したのは「低レベルの放射性廃棄物の金属」を処理する溶融炉で、外部への放射能漏れはないとしている。「金属」は、原子力施設で使われたバルブやポンプなどとみられる。周辺住民への避難命令や外出規制は出されていない。

 ASNは、事故発生から約1時間後に鎮火し、事態は収束したと発表した。負傷者4人と消防隊員はいずれも被曝
ひばく
していないとしている。仏電力公社は「原子力事故ではなく、産業事故」との認識を示した。

(2011年9月13日00時11分  読売新聞)

仏核施設爆発:職員の遺体、放射性物質は検出されず – 毎日jp(毎日新聞)仏核施設爆発:職員の遺体、放射性物質は検出されず - 毎日jp(毎日新聞)

フランス南部ガール県マルクールにある低レベル核廃棄物処理施設「セントラコ」の溶融炉で12日午後0時半(日本時間同午後7時半)ごろ、大きな爆発が発生。炉の近くで作業をしていた施設職員1人が大やけどで死亡、4人が重軽傷を負った。遺体は完全に炭化したが、放射性物質は検出されていないという。

 原発などを監督する仏原子力安全当局は過去数回にわたり、セントラコの運営会社に対して「(管理面などに)厳格さが足りない」との注意を与えていたといい、今回も人為ミスの可能性が取りざたされている。

 原子力安全当局は「極めて低レベルの放射性物質が出た恐れがある」としながらも、爆発から約3時間半後には「事故は収束した」との見解を示した。仏原子力庁は、施設外への放射性物質の漏えいはないとしている。

 現場は日本人観光客も多い観光地アビニョンから北約20キロ。

 現地からの情報によると、爆発は低レベルの金属製核廃棄物約4トン(約6万3000ベクレルに相当)を溶融炉で溶かす過程で発生。溶融炉は建屋内にある遮蔽(しゃへい)された空間に設置されており、爆発で遮蔽壁が吹き飛んだものの、建屋自体に大きな損傷はなかったという。爆発で起きた火災は、発生から約30分後に鎮圧された。

 セントラコは1999年に設立され、仏電力公社と仏原子力大手アレバ社が共同出資したソコデイ社が運営。ローヌ川沿いの広大な敷地に、核廃棄物の焼却処理施設と溶融処理施設などがあり、仏国内の原発から発生する低レベル廃棄物の35%を受け入れている。

 ◇セントラコ
 フランス唯一の低レベル放射性廃棄物処理施設。高度情報科学技術研究機構の原子力百科事典「アトミカ」(06年版)などによると、溶融後の金属は遠心鋳造により遮蔽(しゃへい)金属ドラム缶やコンクリート容器の内張り材として利用され、高レベル放射性廃棄物遮蔽容器として仏国内の原子力施設に出荷されている。

毎日新聞 2011年9月12日 23時44分(最終更新 9月13日 1時17分)

仏 核廃棄物処理施設で爆発 NHKニュース仏 核廃棄物処理施設で爆発 NHKニュース

フランス南部のニーム郊外の核廃棄物の処理施設で、12日、爆発が起きました。フランスの原子力庁は、声明を発表し、放射能漏れはないとして、爆発の状況や原因について調べています。
爆発が起きたのは、フランス南部のニーム郊外のマルクールにある核廃棄物の処理施設「廃棄物集中処理センター」と呼ばれる場所で、フランスの原子力庁によりますと、現地時間で12日午前11時45分(日本時間の午後6時45分)ころ、爆発があり、1人が死亡、4人がけがをしたということです。フランス原子力庁は、声明を発表し、爆発による放射能漏れはないとしています。この施設を管理するフランス電力公社によりますと、低レベルの放射性廃棄物を溶かすための溶融施設で爆発が起きたとしています。爆発に伴って施設では、一時火災が起きましたが、すぐに鎮火したということで、フランスの原子力当局が爆発の状況や原因について調べています。フランス内務省は、爆発の原因については調査中だとしたうえで、施設の周辺住民に対し、避難指示などは出していないとしています。また、IAEA=国際原子力機関は、対策本部を立ち上げ、フランス政府に詳細な情報の提供を求め、状況の確認を続けています。フランスの放射線防護原子力安全研究所によりますと、爆発が起きた溶融施設では、炉の中で、当時、6万7000ベクレルの放射能を含む金属を燃やしていたということです。これは非常に低いレベルで、今のところ、周辺の環境に影響はないとしています。炉を覆う建物自体には被害はなく、周辺住民に避難を呼びかける事態ではないということですが、爆発が起きたとき、北から南に風が吹いていたため、放射線防護原子力安全研究所は、敷地内の南部の数か所からサンプルを取って放射線レベルを調査しています。放射線レベルの調査結果は、数時間以内に判明するとしています。また、爆発が起きた直後、一時火災が発生しましたが、今は鎮火しているということです。

仏核施設事故「心配ない」 エコロジー相、溶融炉外で爆発か – 47NEWS(よんななニュース)仏核施設事故「心配ない」 エコロジー相、溶融炉外で爆発か - 47NEWS(よんななニュース)

フランス南部ガール県マルクール地区の低レベル核廃棄物処理センター(CENTRACO)で爆発が起き、作業員1人が死亡した事故で、同国のコシウスコモリゼ・エコロジー・持続的開発・運輸・住宅相は12日、爆発があった施設を視察、記者団に対し「(事故の影響を)心配する理由は全くない」と表明した。

 一方、フランス紙リベラシオン(電子版)は、爆発が起きたのは同センターの溶融炉そのものではなく、炉の外部だと報道。建物などにも損壊はないと伝えた。

■追記 2011/09/15 17:37
仏原子力施設、不具合で運転再開した日に爆発 : 国際 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)仏原子力施設、不具合で運転再開した日に爆発 : 国際 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

仏南部マルクール原子力施設で12日に起きた爆発事故で、地元検察は13日、爆発のあった溶融炉は先週数か所で不具合が指摘され、事故当日の朝に運転再開したばかりだったと明らかにした。

 AFP通信が報じた。検察は、数日中に過失致死傷容疑で捜査を開始する方針。

 検察によると、運転を再開した炉は通常運転と同じ1500度まで内部温度が上げられた。燃焼がうまくいかなかったため、職員が棒状の器具で金属塊をならそうとした数秒後に爆発が起き、溶解中の金属が噴出したという。

 溶解炉は、低レベルの放射性廃棄物を処理する施設。運営会社は昨年、原子力安全局(ASN)から「安全管理の不備」を指摘され、改善を求められていた。

仏核施設爆発:先週、溶融炉が故障 金属片除去中に爆発 – 毎日jp(毎日新聞)仏核施設爆発:先週、溶融炉が故障 金属片除去中に爆発 - 毎日jp(毎日新聞)

フランス南部マルクールにある低レベル核廃棄物処理施設の溶融炉爆発事故で、炉は先週、複数箇所で故障して停止され、事故当日に運転が再開されたばかりだったことがわかった。爆発は作業員らが炉周辺にこびりついた廃棄物の金属片を除去する作業中に起きていたことも判明。捜査当局は、事故の背景に修理・作業ミスなど人的要因があるとみている。

 仏原子力当局の関係者によると12日、作業員らが金属棒を使って除去作業中に爆発。1500度の炉に入っていた金属片が飛散し、炉の格納庫の壁を損傷させた。建屋の内壁は無事だった。溶融炉は核廃棄物の金属などを溶かし、廃棄物を処理しやすいように体積を縮小する。爆発当時、炉には最大容量(4トン)分の金属が入っていた。

U.S. FrontLine:アメリカ・日本・世界の政治・社会・経済情報速報ニュースサイトU.S. FrontLine:アメリカ・日本・世界の政治・社会・経済情報速報ニュースサイト

 フランス南部マルクール地区の低レベル核廃棄物処理センター(CENTRACO)で12日に起きた爆発事故で、事故を起こした溶融炉は先週故障し、事故当日に運転を再開したばかりだったことが分かった。14日付のフィガロ紙などが従業員を事情聴取した検察当局者の話として報じた。

 証言によると、原子力関連の作業員の手袋や防護服、金属製ポンプなど低レベルの核廃棄物を溶融するために使われる同炉は先週、「多数の不具合」が確認されたため、停止した。12日午前に運転を再開したものの、金属がうまく溶けないため、従業員が棒状の器具を使って塊を崩そうとした直後、溶けた金属が噴出し爆発が起きた。

 検察は数日以内に過失致死傷容疑で捜査に正式着手する方針。

フランス:原子力関連施設で爆発「放射性物質の漏出ない」 – 毎日jp(毎日新聞)フランス:原子力関連施設で爆発「放射性物質の漏出ない」 - 毎日jp(毎日新聞)

フランス南部のガール県マルクールにある低レベル核廃棄物処理施設「セントラコ」で12日正午前(日本時間12日午後7時前)ごろ、大きな爆発があった。少なくとも施設職員1人が大やけどを負って死亡、4人が重軽傷を負った。マルクール消防は「放射能漏れの危険性」を指摘したが、仏原子力庁は「当面は放射性物質の外部への漏出はない」(報道官)とし、原子力事故としてではなく、通常の産業事故として対応に当たっている。

 現場は日本人観光客も多い観光地アビニョンから北約20キロ。発生から2時間半が過ぎた時点で、非常事態宣言や周辺住民らへの避難指示はない。爆発で火災も起きたが、事故発生から約1時間後に鎮圧された。

 現地からの報道によると、爆発は12日正午前に発生。核廃棄物を熱で溶かす溶融炉内で起きた。遺体は完全に炭化しているといい、爆発のすさまじさを物語っている。

 この施設は、原子力庁の研究センターや仏電力公社の子会社の核廃棄物処理会社などが運営し、原子力発電所の使用済み核燃料からMOX燃料(ウラン・プルトニウム混合酸化物)を抽出する再処理関連施設。仏原子力関連企業大手のアレバ社などもこの施設を利用しているという。

 現場は、複数の原子力施設が混在する核複合施設。東日本大震災で被災した東京電力福島第1原発の事故以来、初めての原子力関連施設事故。

 12日はウィーンで国際原子力機関(IAEA)の定例理事会が開会。IAEAは事故を受け、情報収集に乗り出した。

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