宝塚歌劇団に所属していた女性が死亡した問題で宝塚歌劇団側が行った会見で劇団側の調査チームによる報告書の内容を公表しました。
その中で亡くなった劇団員は長時間にわたる活動などで強い心理的負荷がかかっていた可能性が否定できないとした一方で、亡くなった劇団員に対するいじめやハラスメントは確認できなかったという主張を繰り返していました。
まず、宝塚歌劇団は調査チームの報告書を元に、いじめやハラスメントが確認されなかったと発表していますが、この調査方法と内容は公正性と客観性が確保されているのかが気になります。
宙組生66人のうち、宙組4人のヒアリングを拒否しているのであれば、この調査は何のためにしているのか分かりませんね。
そして亡くなった劇団員に対するいじめやハラスメントは確認できなかったという回答にはならないはずです。
宝塚歌劇団は上級生によるいじめやハラスメントを否定しています。報告書によれば、ヘアアイロンを使ったいじめや上級生からの暴言について、事実無根であると結論づけられていますが、死亡した女性団員の遺族側代理人弁護士は女性のLINEのやりとりや調査チームによる母親へのヒアリング内容が、報告書に反映されていないと指摘しています。そうした証拠があるにも関わらず、アイロンで火傷をするのはよくあることと片付け、上級生からヘアアイロンを額に当てられ、やけどを負った事実が認定しない宝塚歌劇団の対応には疑問が残ります。
劇団側の調査チームによる報告書で亡くなる前の1か月間で118時間以上の時間外労働があったことを認めたものの、実態の残業時間は277時間に達していて過少な評価であり、上級生の指導が厳しかったとしつつもいじめやハラスメントを否定するのは色々と回答が怪しいところがあります。
遺族側の主張では亡くなるまでの1か月間の総労働時間は437時間、残業時間は277時間に達しており、睡眠時間は午前3時から6時ごろまでのおよそ3時間という状況だったそうです。長時間の労働や厳しい指導が心身に負担をかける可能性があります。こういった状況に追い込んだ宝塚歌劇団の指導や労働環境に関する改善策を検討すべきです。
また、指導の適正化と体制を見直しが必要です。
上級生による指導が一部で厳しかったとされています。指導の方法や内容を見直し、新たな団員への教育プログラムを導入することで、適切で建設的な指導が行われるようになるべきです。
そして宝塚歌劇団は問題が発生した際に、迅速で透明な事実確認と対応が求められます。団員や関係者、ファンの信頼を損なうことなく、問題を解決するプロセスが重要です。
わたしが心配しているのは他にもあって、団員が心身の負担を感じている場合、専門の心理的サポートが提供されるべきです。これにより、メンタルヘルスの問題が早期に対処され、団員の安全と安心が確保されます。
また、団員間の対話や理解を深め、多様なバックグラウンドや経験を尊重する文化を醸成することが必要です。これによって、ハラスメントやいじめの予防につながります。
今後宝塚歌劇団は遺族が主張するいじめやハラスメントに対して感情や苦痛を理解し、これらの課題に真摯に向き合い、劇団全体の健全な発展と団員の安全・福祉を確保するための措置が取られることを期待します。