ネット徘徊していると以下のような「ストレートパーマと縮毛矯正の違い」に関する記事を拝見。
ストレートは昔からの臭い薬液を基本に作られた物です。それに対して、縮毛矯正の薬液は加温やアイロンを使用できると厚生省に認可された薬です。
最近のデジタルパーマなども、同じような分類の薬です。
もちろん値段も違います。高いですよね。
あっている所はありますが、大方間違っている情報のようです。
梅雨時期から夏にかけて湿気が多くなるため、クセ毛を伸ばしたい人が美容室でストレートパーマや縮毛矯正をなさる方が多いのですが、
この時期はそうしたストレートパーマや縮毛矯正を失敗して髪の毛がどうしようもない状態になって、うちのトリートメントを購入される方が増えます。
また、美容室の方からのご注文を受けることがあります。(※美容室の方からの当サイトの商品のご注文はお断りしています。)
これは美容師やストレートパーマや縮毛矯正をされる方の認識の違いによるものも多いのかもしれません。
今回は少しストレートパーマや縮毛矯正の違いについて、美容師であるTomoがなるべく一般の人にも理解しやすいように解説しておきます。
■ストレートパーマや縮毛矯正の薬の違い
ストレートパーマや縮毛矯正はウエーブやカールを出すためのパーマと同じ薬が元になっています。
そしてそれらの目的にあわせた品質規格をいくつかに分けて定めています。
1.チオグリコール酸またはその塩類を有効成分とするコールド二浴式パーマネントウェーブ剤
2.チオグリコール酸またはその塩類を有効成分とする加温二浴式パーマネントウェーブ剤
3.システィン、システィンの塩類またはそのアセチルシスティンを有効成分とするコールド二浴式パーマネントウェーブ剤
4.システィン、システィンの塩類またはそのアセチルシスティンを有効成分とする加温二浴式パーマネントウェーブ剤
5.チオグリコール酸またはその塩類を有効成分とするコールド一浴式パーマネントウェーブ剤
6.チオグリコール酸またはその塩類を有効成分とする第一剤用時調製発熱二浴式パーマネントウェーブ剤
7.チオグリコール酸またはその塩類を有効成分とするコールド二浴式縮毛矯正剤
8.チオグリコール酸またはその塩類を有効成分とする加温二浴式縮毛矯正剤
9.チオグリコール酸またはその塩類を有効成分とする高温整髪用アイロンを使用する加温二浴式縮毛矯正剤
これらの内、
7.チオグリコール酸またはその塩類を有効成分とするコールド二浴式縮毛矯正剤
8.チオグリコール酸またはその塩類を有効成分とする加温二浴式縮毛矯正剤
9.チオグリコール酸またはその塩類を有効成分とする高温整髪用アイロンを使用する加温二浴式縮毛矯正剤
がストレートパーマや縮毛矯正の薬剤を指します。
クセ毛を真っ直ぐに固定させる必要があるため、ストレートパーマや縮毛矯正の薬剤には粘度を与えて、伸ばす際に施術しやすいようにしています。
ストレートパーマや縮毛矯正の違いはアイロンを使えるか使えないかの差です。
よって縮毛矯正の薬剤には、パーマ剤が過剰に反応しないようにジチオジグリコール酸を添加している縮毛矯正剤も多いです。その為、薬剤の抑制がされる事を前提としてアルカリ度を強めにして、髪の癖を取りやすいように作られています。
元々の髪質や髪の毛のダメージやパーマ・カラーリングによって髪の状態は人それぞれです。
よってパーマの薬はストレートパーマや縮毛矯正の薬剤においても、髪質にあわせて使い分け出来るように、色々なパーマ剤の強さの物が用意されています。
また、くさい臭いがある物は昔の物という話がありますが、
それはアルカリ剤にアンモニアを使用しているからで、臭いの少ない物は揮発しにくいアルカリ剤を使用しているからです。
しかし、このアンモニアは揮発性であるため、施術や放置時間の間に揮発していき、アルカリがどんどん減っていくため、髪にとっては痛みにくいというメリットもあります。
デジタルパーマと一緒という話があるようですが、そもそもデジタルパーマにはパーマ剤が使用できなかったと記憶します。
多くはサルファイトやシステアミンといったパーマ剤ではない、カーリング剤を利用しています。
特にサルファイトは熱を過剰にかけたりしないとカールがかかりにくい薬剤です。
また使うごとに不要な物質が髪の中に蓄積され、次にかけるときほど正常なカールがかかりにくくなるデメリットがあります。
■ストレートパーマや縮毛矯正の薬剤の使い分け
髪の毛のクセも様々ありますが、大きなカール程度ならストレートパーマでかまいませんし、実はある程度強めのウエーブでもストレートで取る事は出来ます。
縮毛矯正はクセ毛でも文字通り「縮毛」といって、細かいちぢれが髪の毛に出ている物をさします。
縮毛矯正はこうした「縮毛」や、髪の毛のしっかりした人に対して用いる事が多いです。
これらの使い分けは髪質によって使い分けますが、その際何を目安にしているかというと、髪の毛を軟化させる度合いを放置の後で確かめています。
これが甘いと伸びにくいですし、逆に置き過ぎたり軟化させすぎると髪の毛が痛む原因になり最悪切れ毛になります。
この薬剤設定ミスと軟化の判断ミスでほとんどの方が失敗されています。
■クセ毛の状態
通常の髪の毛はまん丸の断面をしています。
◎
しかし、クセ毛で特に縮毛は、押しつぶされたような平たい楕円のような断面をしています。
⊂⊃
その為クセ毛は、内部構造が通常とは異なり、シスチン結合自体がずれていたり、キューティクルが揃っていなかったり厚みが違ったりします。
■縮毛矯正のアイロンの操作
縮毛矯正ではアイロンを用いますが、それは180度以下に設定させると定められています。
もともと髪の毛は皮膚よりは熱に強いのですが、髪の毛は乾熱で120度から熱変成が始まります。
そのためとても施術には注意が必要ですし、それには技術と経験が必要です。
よく梅雨の時期に失敗する人が増えるのは、新人や新しく技術者になった美容師の技術力に問題があるためで、こうした人が多くなる時期でもあるからなのでしょうね。
よって失敗が多いのは、実は大きな美容室ほど多くなるのは仕方が無いのかもしれませんね。
■ストレートパーマや縮毛矯正のトリートメント処理
ストレートパーマや縮毛矯正の施術の際に用いるトリートメントは、その施術と薬剤の反応を邪魔しない範囲で髪の毛に栄養を補給するトリートメントと、薬剤の反応を抑制するトリートメントと、痛んだ髪を修復するトリートメントと、補修した髪の毛を保護するトリートメントがあります。
美容師には二通りいるようで、これらをマニアックに調べ上げて組み合わせを考えたる美容師と、
単純に利用で切る物をある程度枠に当てはめて施術する美容師がいます。
そのどちらでも間違いではないですが、何にしても髪の毛が真っ直ぐになって痛んだ髪も扱いやすく出来ることが求められます。
Tomoの場合ですとこのような感じでトリートメントは使用します。
・前処理
痛みのある所に分子量の小さいケラチンやコラーゲンのPPT(ペプチド=たんぱく質を細かくして物)
痛みの激しいところや以前施術されている所に、分子量の大きいPPTもしくはセラミド・レシチンなどを使用。
・中間処理
パーマ剤を流して乾かす際に髪の毛の内部に浸透し形状を維持を助け補修させるケラチンを使用。
・後処理
髪の毛の表面の保護に分子量の大きいシルクやレシチン系のトリートメントを使用。
※もちろんパーマの枠組みでのトリートメントなので、修復や手触りに限界があります。
パーマの維持のためにも、別途オリジナルのトリートメントコースをおすすめしたりもします。
お家ではなるべく髪の毛の痛みにくい刺激の少ないシャンプーを用いていただき、トリートメントもしていただきたいと思います。
それによってストレートパーマや縮毛矯正の持ちが良くなり、長持ちさせる事につながります。
CUTPLAZAではテクナールシャンプーとトリートメントをおすすめしており、ネットでの販売もかなり好評を得ています。
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