ヘナのマルチまがい悪徳商法にお気をつけ下さい。

以前にもヘナで過剰な宣伝文句で販売や美容業務を行なっている「ヘナの悪徳商法」について書いた事がありますが、未だにヘナを様々な人に売りつける行為をしている人がいるそうなので警鐘を鳴らしておきます。

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ヘナのマルチまがい悪徳商法にお気をつけ下さい。ヘナのマルチまがい悪徳商法にお気をつけ下さい。

ヘナとはインドのアーユル・ヴェーダでよく使われている、ハーブのような薬草であり、このヘナを水で溶いて髪に塗布するとヘナに含まれるローソンというタンニン色素によって赤く染まる事から、染毛の一つとして日本でも昔から愛用者がいらっしゃいます。
ローソン (化学) – Wikipedia

■ヘナとはインドのアーユル・ヴェーダ発祥の染毛効果のある薬草
ヘナとはインドのアーユル・ヴェーダ発祥の染毛効果のある薬草

この美容室でヘナをするという行為に問題は無いのですが、一般の主婦とみられる女性がヘナの過剰な効果を謳って、かつ、

「美容室のヘアダイ(カラーリング)は毒だ」
「カラーリングで髪を染めると、アレルギー体質になり花粉症になる」
「カラーリングで髪を染めると、女性は不妊症になる」
「カラーリングで髪を染めると、脳に悪影響を及ぼして痴呆症になる」

などと嘘の情報を触れ回って、ヘナを高額で大量に売りつけているそうです。

ヘアダイ(カラーリング)には確かにジアミンなどの酸化染料が入っており、これらがアレルゲンになる事はあります。

しかしながら、そのヘナを売っている女は、
ブラックやダークブラウンに染まるヘナを売っています。
これらには、ジアミン(パラフェミレンジアミン)などの酸化染毛財が、ヘアダイ(カラーリング)よりも多量に含まれています。

酸化染料を含むヘナの見分け方

酸化染料を含むヘナは、水に少し混ぜてやると分かります。
数分後、酸化染料を含むヘナは黒く発色を始めます。

酸化染料を含むヘナの見分け方

先にも書きましたが、通常、ヘナとは水に溶いて髪に塗布すると、黄色や橙や赤色に染まります。
(※製造方法や産地、ヘナの種類によって色が違います。)

しかし、純正のヘナにブラックやダークブラウンに染まる物はありません。
(※青等の色はインディゴで染める物も出ています。但し、黒は存在しません。)
これらのブラックやダークブラウンのヘナには、ヘアダイ(カラーリング)に含まれるジアミン系の染料が入っています。

かつ、ヘアダイ(カラーリング)は頭皮への影響を少なくする処方をされていますが、ヘナに混ぜているジアミンは、酸化を起こせない為(※1)大目に入っている事と、刺激を無くす別の処方剤が入っていません。
(※1 酸化染料は酸化させる為に過酸化水素を混ぜます。アルカリで髪のキューティクルを開き髪の中に酸化染料を入りこませ、過酸化水素とアルカリが反応して出来た酸素と反応して染まります。)

よって、ブラウンやブラックに染めるヘナは長時間置く事になります。
よって間違いなくアレルギーの被害者が出やすいとしたらブラウンやブラックに染めるヘナの方が非常に危険度が高いのです。

そして、こうしたアレルギーが起きる可能性がある物を、一般の人がヘナを売っているまでなら良いとしても、

「病気に効く」とか「病気を防ぐ」とか、美容師免許を持たない一般人が「育毛に効果がある」とか「ヘナはヘアダイ(カラーリング)よりも安全」と言っている事と

化粧品分類のヘナに、アレルギーを起こしかねないケミカル成分が入っているものがある事と、

ヘナを美容師免許を持たない一般人が、一般の人に施術をして金を得ている(美容業行為)をする事は法に触れています。

■美容の業をする者は、美容師の資格が必要です。
美容の業をする者は、美容師の資格が必要です。

ヘナ自体もアレルギーになる人がいるという事も知らない人もいるのではないでしょうか。

また、純正のヘナはトリートメント効果が高いのですが、通常のトリートメントと違い、ナチュラルだという意味での「トリートメント効果が高い」という事ですから、髪の毛は乾燥していても「トリートメント効果は高い」という事になります。
(※カラーリングやパーマをしないから徐々に痛みがなくなる道理)

こうしたヘナの悪徳処方は、主婦間の繋がりで売買や染毛の美容業行為を行なっている
そうですから、知り合いだからどうしても断りにくいと言うのがあるのかもしれません。

もし、身近に、ヘナの被害にあわれているという人がいらっしゃいましたら、どうぞそのような話は嘘だと、ヘナにもアレルギーになる危険な物もあると教えてあげてください。

何でもそうですが、こういうエセ化学を発する人は、「病気が治る」とか「奇跡が起こる」といった言葉を使います。
人を脅かして被害を被らせるたちの悪い人間です。

また、ヘナによってアレルギーの被害を受けた人は、必ず医者にその事を伝え、消費者センターや保健所に届け出てください。

以下は消費者センターによる「ケミカルを含むヘナに対する注意喚起」です。

酸化染料を含むヘナ白髪染め-未承認で販売されているものについて-(商品テスト結果)_国民生活センター

酸化染料を含むヘナ白髪染め-未承認で販売されているものについて-
目的
 ヘアカラーリング剤は白髪染めに広く用いられている。そのうち医薬部外品に該当する染毛剤は酸化染料等によって毛髪中の化学反応を伴うもので、色持ちはいいが皮膚へのかぶれなどを発症することがある。ヘナ配合の白髪染めをうたった商品のテスト結果(2006年度)では、植物染料であるヘナ色素は淡赤から淡褐色の染料で、染毛性能が低くなかなか黒く染まりにくかった。その後「真黒に染まる」等の記載があるヘナの白髪染めの商品について、「かぶれを起こさないと思い使用したが、湿疹、痒みが生じた。問題となる染料が使用されていないか調べてほしい。」との原因究明テスト依頼があった。依頼の内容から酸化染料が含まれていることが考えられたため、同様の商品も併せて調べ、消費者に注意喚起することとした。
結果
全ての銘柄に黒く染めるための酸化染料でアレルギーの原因となるp-フェニレンジアミンが含まれていたため、薬事法に抵触する恐れがあった
使用方法に従って調製したペースト中には2.0~4.9%の酸化染料が含まれており、一般的な染毛剤の酸化染料の配合割合に比較すると高いものだった
頭髪を染めると受け取れる表示は全ての銘柄にみられたが、「人毛かつら用」など頭髪に使わないと受け取れる表示も4銘柄にあり、矛盾がみられた
全銘柄とも頭髪に使用する可能性がある商品にもかかわらず、成分表示が見られたのは1銘柄のみで問題と思われた
アレルギーに対する注意表示があったのは5銘柄で、ジアミンでアレルギーのある人には「使用しないこと」という表示があったのは3銘柄のみであった

ヘナ配合の白髪染めをうたった商品-染毛効果を中心に-(報道発表資料)_国民生活センター

ヘナ配合の白髪染めをうたった商品-染毛効果を中心に-
目的
 ヘナを使用した商品には、葉を乾燥、粉砕したパウダー状のものやパウダーあるいはエキスを配合したクリーム状のものその他シャンプーなどがある。いずれも色素成分が髪のたんぱく質に結びつき、髪を傷めず白髪を染めることをうたっており、数種類の色の中から希望の色を選択できる商品もある。国民生活センターのPIO-NETにはヘナに関する相談が寄せられており、「全く染まらない」や「安全性が心配」などの他「頭皮がかぶれた」といったものもある。
 そこで、ヘナを配合して白髪染めをうたった商品の染毛性能の評価を行うとともに、ヘナ特有の色素の含量及びアレルギーの原因となる染料を使用していないか、また、皮膚への安全性について調べた。
結果
ヘナ色素ローソンはパウダータイプやクリームタイプの一部には含有していたが、ほとんど検出されない銘柄もあり、それらはローソンによる染毛効果は期待できないものであった。また、表示からみると他の染料を配合しているものも多かった
表示の基本的な方法では、染毛性能は低く、白髪の半分くらいが染まったと評価されたのは12銘柄中3銘柄のみであった
パウダータイプで繰り返し使用したり、塗布後の放置時間を長くすると評価が高くなったが、実際に使いたいと評価されたのは3銘柄であった
永久染毛剤に最もよく使用され、アレルギーの原因となる可能性が高い染料は、どの銘柄からも検出されなかった
ヘナ配合の銘柄は強い陽性反応は出ず、また反応が出た人の数も少ないことから、永久染毛剤に最もよく使用される染料と比べると安全度は高かった。しかし、永久染毛剤でかぶれ等の経験がある人が使用する時は注意が必要である
ヘナの色素成分であるローソンがほとんど入っていない銘柄でも、「ヘナ」により染毛されると受け取れる表示があり、誤認を招くおそれがあった

また、ヘナの悪徳商法は、マルチ商法(ねずみ講)業者の隠れ蓑になっている可能性も示唆しておいた方が良さそうです。
マルチ商法 – Wikipedia

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