20件のクレームで福島の花火中止の愛知・日進市に300件の抗議殺到

福島の花火の打ち上げを予定していた愛知県日進市の花火大会が放射性物質を心配するクレーム20件以上を受けて、実行委員会が直前に打ち上げを取りやめていた問題がありましたが、今度は打ち上げを中止したことへの抗議の電話約100件メール約200件が殺到しているそうです。

第10回 にっしん夢まつり – 夢花火第10回 にっしん夢まつり - 夢花火
第10回 にっしん夢まつり - 夢花火
平成23年9月17日付 第2回にっしん夢花火実行委員会 お知らせ「福島県の花火を愛知県内で製造された花火に差換えました。」(pdf) www.asobinohiroba.net/fukushima.pdf

実行委は「花火店のある場所は国の放射線許容量を下回っている。室内で保管され、まったく問題ない」として実施する考えだったようですが、
「放射能で汚染された花火を持ち込むな」「花火でまき散らすのか」という20件以上の電話やクレームを受けて中止をしていました。
また、実行委は「安全性に問題がなく、取りやめは苦渋の決断だ。一人でも多くの人に気持ちよく花火を見てもらいたいという考えで判断した」と19日の時点で説明していました。しかし、抗議を受け20日には「福島の花火を中止したのは、放射線量の確認が間に合わなかったためで、危険だからではない。だが、そういう受け止め方が広まってしまっており、中止は失敗だった」という説明をしています。

ところが、「にっしん夢まつり・夢花火」サイトでは放射性物質を心配するクレーム20件以上の抗議を受けて、『花火大会をご注目いただくみなさまからのご意見を真摯に受け止め、愛知県内で製造された花火に差換えることとしました。』と説明するにとどまっています。
花火は安全であるという認識であるという説明をせず告知することが、さらなる心配を増やして、云われない風説やデマが起きるということを考えられないのでしょうか。
今回の問題は、花火打ち上げの実行委員会の対応があまりにも軽率で事なかれな責任感の足りない印象を受けます。

しかし、花火は国の放射線許容量を下回り、かつ、室内で保管していた事や、
きちんとしたデーターに基づいて調査や対策や対応をしておらず、たった20件のクレームで打ち切りをしたような形になっていました。

今回の抗議の電話が殺到していることで、『打ち上げなかった福島産の花火を来年の同じ花火大会で打ち上げる方向で検討』しているそうですが、こういったことは企画するときから放射能測定などの調査をきちんとした上で行われるべきでした。
また、データーや調査をしておかないからこそ、20件以上程度という些少のクレームに対してきちんとした説明も出来ず、
結果として福島にさらなるいわれのない風説をもたらす結果となりました。

以前にも京都の大文字焼きや福岡の市場で同様の問題を繰り返していますが、今後も似たようなことは起きかねません。

福島を支援するというときには、支援する側もされる側も、いわれの無いクレームを受けないような対応の準備と対策を用意してから企画して欲しいと思います。

花火大会:福島産打ち上げ中止 愛知・日進市に抗議殺到 – 毎日jp(毎日新聞)花火大会:福島産打ち上げ中止 愛知・日進市に抗議殺到 - 毎日jp(毎日新聞)

 愛知県日進市で18日にあった花火大会で、実行委員会が福島県産の花火の打ち上げを中止したことに対し、実行委事務局を務める同市に「なぜ中止にしたのか」という抗議電話やメールが殺到している。19日から20日にかけて電話約100件、メール約200件が寄せられ、ほとんどが批判という。実行委は、打ち上げなかった福島産の花火を来年の同じ花火大会で打ち上げる方向で検討を始めた。

 実行委は「打ち上げで放射性物質が拡散するのでは」などと心配する市民の電話約20件があったため、福島産花火を別の花火に差し替えた。市によると、批判は「20件だけの意見にもかかわらず中止にして、より広い影響を与えたのは判断の誤りだ」「過敏に反応する人に配慮するのはいいが、差し替えの必要はない」などの内容が多いという。

 担当の市産業振興課は「福島の花火を中止したのは、放射線量の確認が間に合わなかったためで、危険だからではない。だが、そういう受け止め方が広まってしまっており、中止は失敗だった」と話している。

2011年9月19日
中日新聞:福島の花火使用取りやめ 日進の大会、市民の抗議で:社会(CHUNICHI Web)中日新聞:福島の花火使用取りやめ 日進の大会、市民の抗議で:社会(CHUNICHI Web)

2011年9月19日 10時03分
 東日本大震災の被災地復興を応援しようと福島県の花火の打ち上げを予定していた愛知県日進市の花火大会で、放射性物質を心配するクレームを受けて、実行委員会が直前に打ち上げを取りやめていたことが分かった。
 花火大会は日進市役所周辺で18日夜あった「にっしん夢まつり・夢花火」。計2千発の花火が打ち上げられた。第2部のスターマインとして福島県川俣町の菅野煙火店の花火80発が打ち上げられる予定だったが、中止となり愛知県内の業者の花火に代えられた。
同様に計画していた岩手、宮城県の花火は予定通り打ち上げた。
 実行委は市や市商工会の職員、市民有志らで構成。今年は東北の花火を打ち上げ、被災地復興を祈る予定だった。だが新聞折り込み広告などで計画を知った市民らから16~17日に、「放射能で汚染された花火を持ち込むな」「花火でまき散らすのか」といった抗議の電話やメールが20件以上市役所などに寄せられたという。
 実行委は当初、「花火店のある場所は国の放射線許容量を下回っている。室内で保管され、まったく問題ない」として実施する考えだったが、直前の17日午後になって取りやめを決めた。
 実行委事務局責任者の宮地勝志・市産業振興課長は「安全性に問題がなく、取りやめは苦渋の決断だ。一人でも多くの人に気持ちよく花火を見てもらいたいという考えで判断した」と理由を説明した。
 川俣町は一部が原発事故で計画的避難区域に指定されているが、菅野煙火店は区域外の低線量地域にある。菅野忠夫社長は「初めてのケース。仕方がないが、大変残念」と悔しがった。
 <名古屋大大学院の山沢弘実教授(環境放射能)の話>花火の放射性物質を気にして打ち上げを取りやめるのは行きすぎた反応であり、大変残念なことだ。花火は当然、食品とは切り分けて考えなければならない。こうした根拠のない考えや不安は、差別やいじめの構図につながる恐れがある。

■類似の問題
2011年9月8日
福岡の福島応援店、放射能心配と出店中止に : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)福岡の福島応援店、放射能心配と出店中止に : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

 東京電力福島第一原発事故の風評被害で苦しむ福島県の農家らを支援しようと、福岡市西区の商業施設「マリノアシティ福岡」で17日に予定されていた「ふくしま応援ショップ」の開店が、中止されることになった。

 出店を計画していた同市の市民グループ「ふくしまショッププロジェクト」に、「福島からトラックが福岡に来るだけでも放射性物質を拡散する」といったメールや電話が相次いだためで、同団体は新たな出店先を探すという。

 同団体によると、農産品の宅配を行う「九州産直クラブ」(福岡市南区)と連携し、マリノアシティ内の農産品直売所「九州のムラ市場」の一角で開業する予定だった。生鮮食料品の取り扱いをやめ、福島県の生産者から仕入れたジャムや梅干し、乾めんなどの加工品を販売する計画で、放射線量が国の暫定基準の10分の1以下であることが確認されたものに限る方針だった。

 8月26日に出店を発表したところ、同団体などに「出店するなら不買運動を起こす」など、放射能に汚染された食品が福岡に持ち込まれることを不安視するメール十数件と電話が多数寄せられたという。今後、同団体は別の出店先を探し、通信販売を検討するという。

 同団体の石井洋平事務局長(31)は「出店の契約を交わしていた九州のムラ市場側から、受け入れ断念を通告された」と説明。「安全が確認されたものだけを販売する予定だっただけに残念。何とか福島の生産者を支援する方法を探したい」と話した。

 これに対し、同市場は「契約は成立しておらず、双方の話し合いで白紙に戻すことになった」と反論している。

2011年8月16日ごろ
成田山新勝寺、陸前高田市の被災松を受け入れ | CUTPLAZA NEWS成田山新勝寺、陸前高田市の被災松を受け入れ | CUTPLAZA NEWS

岩手県陸前高田市の被災松を9月に千葉の成田山新勝寺で護摩の木と共にたかれることになりました。陸前高田の被災松は京都の五山送り火で2度使用を中止する問題が起きていました。
成田山新勝寺でたかれる被災松は発送する前に松の皮を削る処理をするとしています。

京都の五山送り火では最初、使用する被災松から放射性物質の反応はなかったものの批判を受けて使用をしませんでしたが、今度は使用をしなかったことに批判を受け再度五山送り火に被災松を使用するとしました。しかしながら今度はこの被災松を検査した結果、放射性セシウムが検出され2度目の使用断念に至りました。

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「20件のクレームで福島の花火中止の愛知・日進市に300件の抗議殺到」への3件のフィードバック

  1. 愛媛の気ままなダイアリーさん!「講義」ではなく「抗議」です。字の訂正してくんなはれ!

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