福島の花火の打ち上げを予定していた愛知県日進市の花火大会が放射性物質を心配するクレーム20件以上を受けて、実行委員会が直前に打ち上げを取りやめていた問題がありましたが、9月19日から21日正午までにメール、電話それぞれ1000件を超える意見が寄せられているとのことです。また、福島・川俣町が日進市実行委へ抗議文郵送をし、日進市長が川俣町役場を訪れ謝罪すると発表しました。
【20件のクレームで福島の花火中止の愛知・日進市に300件の抗議殺到 | CUTPLAZA DIARY】
【第10回 にっしん夢まつり – 夢花火】
平成23年9月17日付 第2回にっしん夢花火実行委員会 お知らせ「福島県の花火を愛知県内で製造された花火に差換えました。」(pdf)
事の発端は愛知県日進市の花火大会で福島・川俣町の花火を打ち上げようと企画していましたが、「放射能で汚染された花火を持ち込むな」「花火でまき散らすのか」という20件以上の電話やクレームを受けて福島・川俣町の花火の打ち上げ中止をしていました。
しかし、放射性物質が付いている可能性がないとされている花火を、根拠のない苦情だけで打ち上げ中止にした花火打ち上げの実行委員会の対応に批判が集まったものと考えられます。
ちなみに福島・川俣町は一部が原発事故で計画的避難区域に指定されてるものの製造元の業者は区域外であり、納品した花火は昨年製造されたものでした。また、室内で保管されていたため放射性物質が付いている可能性はないとされていました。
今回の問題は、企画段階できちんと調査をしていないことと、データを用意していないため説明が出来ていないこと、合わせて、不用意な中止をした為に支援どころか、かえって福島に対していらぬ風説やデマを起こすきっかけになりえない状況を作ったことにあります。
批判を受けて愛知県日進市は来年の花火大会に使用されなかった花火を打ち上げる考えを示していますが、最初に福島の花火の安全性を説明し実行に移す為の調査なりのプロセスを踏まえなかったことで、今回のような批判から謝罪への対応を迫られることになったのですね。
愛知県日進市は福島を支援する目的で今回の企画を立てたのだと思いますが、また同じような失敗をしないよう注意しながら、
「今何を出来るか」本来の目的に回帰して今後の被災地復興への支援の手助けをしてあげて欲しいと思います。
【花火大会:福島・川俣町が日進市実行委へ抗議文郵送 – 毎日jp(毎日新聞)】
愛知県日進市で18日に開かれた花火大会で、福島県川俣町で製造された花火の打ち上げが中止された問題で、川俣町は20日、日進市などでつくる実行委員会に対し、古川道郎町長名の抗議文を郵送した。
抗議文は、花火に含まれる放射性物質の濃度の調査を要求。そのうえで、結果を周知することと、放射性物質に関する正しい知識の普及に努めるよう求めている。
町総務課は「新たな風評被害を引き起こす恐れもある。町をあげて復興に取り組んでいる時に、このようなことが起き、残念」と話した。
【花火中止で日進市長が川俣町に謝罪へ – 社会ニュース : nikkansports.com】
愛知県日進市で行われた花火大会で、福島県川俣町で製造された花火の打ち上げが中止されたことを受け、日進市は21日「中止により風評被害を広げた」として、萩野幸三市長らが22日午後に川俣町役場を訪れ、古川道郎町長に謝罪すると発表した。
日進市によると、萩野市長らは中止に至った経緯を説明して謝罪。その後、打ち上げられなかった花火の製造元「菅野煙火店」も訪問する。
川俣町は日進市に対し、被災地の状況や放射性物質に対する正しい知識を市民に周知徹底することなどを要請している。市は具体的な対応策を22日に古川町長に直接伝えるという。
18日の花火大会では菅野煙火店の花火80発が打ち上げられる予定だったが、放射性物質の拡散を心配する市民の苦情が寄せられ、市と市商工会で構成する実行委員会は愛知県内で製造された花火に差し替えた。
【愛知・日進市に抗議相次ぐ 福島産花火打ち上げ中止で : J-CASTニュース】
愛知県日進市の花火大会(2011年9月18日)で、福島県の業者がつくった花火を打ち上げず、県外産花火に差し替えたことについて、日進市に抗議が相次いでいる。
実行委員会事務局の同市には、9月19日から21日正午までにメール、電話それぞれ1000件を超える意見が寄せられている。ほとんどは、「風評被害を拡大させた」などとする打ち上げ中止への抗議だという。
実行委では、福島産花火の打ち上げに不安を訴える電話が約20件あったことなどから、花火の差し替えを決めていた。近く、萩野幸三・日新市長が花火業者の地元、福島県川俣町の役場を訪れ陳謝する。
【asahi.com(朝日新聞社):愛知・日進市に抗議1850件 福島製花火打ち上げ中止 – 社会】
愛知県日進市が花火大会で福島県川俣町の業者が製造した花火の打ち上げを中止した問題で、市は20日、萩野幸三市長が週内に同町を訪問し、業者と古川道郎町長に謝罪することを決めた。市には同日午後5時までに、メールや電話で計約1850件の抗議があった。
市によると、市長は業者らに、これまでの経過を説明するとともに、「打ち上げを中止したことで風評被害を広めた」と謝罪の意を伝えるという。
【福島花火の打ち上げ中止―抗議電話ほとんど女性から : J-CASTテレビウォッチ】
業者は区域外のうえ製造は昨年
市や市商工会の実行委員会によると、花火大会では3県で作られた花火を打ち上げる予定で、16日に新聞などに告知したところ、福島県で製造された花火について5件の問い合わせがあったという。そこで実行委が製造元である業者の作業場などの放射線量を調べたところ、0・4マイクロシーベルトと低レベルだったため、ホームページで安全であることを告知したという。
しかし、今度は「中身の安全性は確認したのか」など15件のメールや電話が寄せられ、打ち上げを断念した。
福島・川俣町は一部が原発事故で計画的避難区域に指定されているが、製造元の業者は区域外。しかも、納品した花火は昨年製造したのもで、放射性物質が付いている可能性はないという。
背景に「政府の情報に不信感」
苦情が出るとは主催者側も「想定外」だったらしいが、わざわざ放射性物質を空に向けてまき散らすことはないというイメージなのだろう、抗議の電話はほとんど女性だったという。