滋賀県大津市で当時中学2年の男子生徒が自殺したのはいじめが原因ではないかとされる問題で、遺族が市と加害者とされる同級生3人らに損害賠償を求めた訴訟は17日、大津地裁(長谷部幸弥裁判長)で第2回口頭弁論が開かれます。この場で、これまで唯一、認否を保留していた同級生側が、他の2人と同じくいじめを否認することが分かりました。
5月の第1回口頭弁論で、同級生側のうち2人は「遊びであり、いじめではなかった」との認識を示し、いじめ自体を否定していました。市側は第1回口頭弁論で男子生徒がいじめを受けていたと認める一方、「いじめを苦にしての自殺と断じることはできない」と主張し、いじめと自殺との因果関係や自殺の予見可能性を否定していました。
しかし、今月に入って市教委が「自殺の練習をさせられていた」などと記載された全校アンケートの回答を非公表としていたことが判明し、批判が集中しました。その為、滋賀県警は自殺した生徒の通う学校に強制捜査する異例の事態になっています。
【【中2自殺訴訟】男子生徒、自殺前に12万引き出すなど40万円工面 滋賀県警が捜査 | CUTPLAZA DIARY】
【【中2自殺訴訟】滋賀県警が捜査 校長ら学校関係者や市教委幹部ら聴取 近く生徒らも事情聴取 | CUTPLAZA DIARY】
今のところ、証拠がアンケートでのいじめがあったのではとされる回答しかありませんし、自殺した生徒が昨年貯金を引き出したりお金を盗んで40万円工面していたとか、自殺前に部屋が荒らされたという事の因果関係が証拠になりうるのかという状況ではあります。
また、他の生徒から事情聴取を県警がしていますが、それらの証言が遺族に有利に働くかどうかも見守りたいところですね。
【大津・中2自殺:3少年全員、民事訴訟でいじめ否認へ- 毎日jp(毎日新聞)】
大津市で昨年10月、いじめを受けていた市立中学2年の男子生徒(当時13歳)が自殺した問題で、遺族が市と加害者とされる同級生3人らに損害賠償を求めた訴訟は17日、大津地裁(長谷部幸弥裁判長)で第2回口頭弁論が開かれる。この場で、これまで唯一、認否を保留していた同級生側が、他の2人と同じくいじめを否認することが分かった。また、市側は近く設置される外部調査委員会の調査結果を待って対応を決めるため、第3回以降の弁論を調査終了後に先送りするよう要望する。
遺族は今年2月、「自殺はいじめが原因」として市のほか、加害者とされる同級生3人と保護者を相手取り、約7720万円の賠償を求めて提訴した。
5月の第1回口頭弁論で、同級生側のうち2人は「遊びであり、いじめではなかった」との認識を示し、いじめ自体を否定していた。
一方、市側は第1回口頭弁論で男子生徒がいじめを受けていたと認める一方、「いじめを苦にしての自殺と断じることはできない」と主張。いじめと自殺との因果関係や自殺の予見可能性を否定した。
しかし、今月に入って市教委が「自殺の練習をさせられていた」などと記載された全校アンケートの回答を非公表としていたことが判明。批判が相次ぐ中、越直美市長と沢村憲次教育長の見解のずれが表面化した。
越市長は10日、「いじめがあったから亡くなったんだと思う」と因果関係を認め、和解を目指す意向を表明した。一方、沢村教育長は12日午前にいったん「(いじめは自殺の)一つの要因」としながら、同日、「因果関係は断定できない」と発言を修正。13日には「訴訟は続けるべきだと思う」と記者会見で述べた。
市側の代理人弁護士は「調査委の再調査を待って因果関係を認め、和解協議に入りたい」と越市長の見解に沿った対応を検討している。ただ、再調査には最低4カ月かかる見通しで、訴訟が大幅に長引く可能性もある。
外部調査委は越市長の直轄で、メンバーは弁護士、臨床心理士、大学教授ら4、5人を想定。いじめと自殺の因果関係について市教委調査の検証と補足を行う。文部科学省も職員を市に派遣し、設置に向けてサポートする。
遺族側の代理人弁護士は「再調査の中身が分からない以上、訴訟延期に安易には応じられない」と主張していく方針。市側の要望を受け、裁判所は残る当事者の意見を参考に、3回目の口頭弁論の期日を指定する。
また、一連の問題を巡り、学校や市教委などへの抗議行動が過熱しており、インターネットでの裁判に対する抗議デモなどの呼びかけもあることから、滋賀県警は大津地裁周辺の警戒に当たる。
【時事ドットコム:学校と市教委、甘い認識=いじめとの因果関係認めず-大津中2自殺】
大津市で昨年10月、いじめを受けていた市立中学2年の男子生徒=当時(13)=が自殺した問題では、いじめのサインを見逃した学校側の認識の甘さや対応の遅さが指摘されている。先週には滋賀県警が暴行容疑で学校や市教育委員会を家宅捜索する異例の事態に発展。生徒の両親が損害賠償を求め市などを訴えた訴訟の第2回口頭弁論が17日、大津地裁で予定されているが、学校や市教委はいじめと自殺との直接的な因果関係を認めない方針を崩していない。
「自殺の練習をさせられていた」「死んだハチを食わされた」「銀行口座から金を奪われていた」。学校が男子生徒の自殺後に実施した全校生徒対象のアンケート調査では、いじめの事実を物語る具体的な証言が数多く寄せられた。市教委は否定するが、複数の生徒は、男子生徒が担任に泣きながらいじめのつらさを訴えていたと指摘したとされる。
昨年10月5日には別の生徒がいじめの実態を直接、担任に訴えたこともあった。担任が男子生徒らに事情を聴くと「けんか」と答え、学校側は「いじめにつながる可能性がある」としたが、いじめとは判断しなかった。6日後の11日、男子生徒は自宅マンションで飛び降り自殺した。
アンケートによると、男子生徒は自殺直前、いじめに関わっていたとされる同級生3人に対し「死にます」とメールを送信。同級生は「死ねばいい」と返信した。自殺後、同級生が「もう死んだか」と笑っていたとする回答も複数あった。
校長は学校の対応について「不十分だったと認めざるを得ない」としながら、「(当時は)いじめだという認識は持っていなかった」と強調。自殺との因果関係は家庭事情なども含め判断すべきだとの姿勢を変えていない。
【【中2いじめ自殺】いじめの証拠、開示はまれ 満足な証拠得られず裁判で不利に+(1/2ページ) – MSN産経ニュース】
大津市の中学2年の男子生徒が自殺した問題は、両親が市や同級生らを相手取って起こした民事訴訟を契機に、いじめの実態や学校側のずさんな対応が明るみに出た。ただ、こうしたケースはごく一部にすぎず、満足な証拠を得られないまま、訴えが退けられることも少なくない。司法関係者は「証拠を集めやすくする仕組み作りが必要だ」と指摘する。
大津市のケースは今年2月、両親が大津地裁に提訴。市教委はいじめの存在を認めながらも、自殺といじめの因果関係を否定したが、裁判を通じ「いじめ」の実態に関する全校生徒へのアンケート結果の全容など、詳細な証拠が次々と明らかになった。
学校の対応に批判が集中すると、市は態度を軟化。市長は非を認めて和解の意向を示し、市議会では一般傍聴人に異例のアンケート公表も行われた。
ただ、こうしたケースはまれだ。埼玉県北本市の中学1年の女子生徒の自殺をめぐり両親が市などに損害賠償を求めた訴訟では今月9日、「自殺原因がいじめとは特定できない」として、東京地裁で訴えが退けられた。
女子生徒は「死んだのはクラスの一部に勉強にテストのせいかも」と記した遺書を残していた。「きもい」と悪口を言われ「靴隠し」などの嫌がらせにもあっていた。だが、市側は「犯人捜しのようなことをすると、人権保護団体からクレームが来る」として詳細な調査を行っておらず、裁判でも最後まで決定的な証拠は得られなかった。
弁護団は判決後、「原因が知りたくて調査を求めたのに」と怒りをあらわにし、女子生徒の父親は「学校に文書の開示を請求しても『シュレッダー処分した』と言われるだけだった」と唇をかんだ。
文部科学省の全国調査によると、学校でのいじめの認知件数は平成22年度で、前年度比6.7%増の7万7630件に及ぶ。「真相」を求めて訴訟に踏み切る保護者も少なくないが、被告の立場に置かれた学校側から、自ら不利となるいじめの証拠が積極的に開示される例はまれだ。
「いじめ自殺」裁判に詳しい市川須美子独協大教授(教育法)は「遺族が求めるのは何よりも真相解明。第三者委員会による調査の定着が一番だが、教師や同級生の証人出廷を実施するなど、裁判所の対応次第で改善できる部分もあるのではないか」と指摘する。
2012/7/14
【大津市、いじめ因果関係認める方針 中2自殺訴訟で – 中国新聞】
大津市の中2男子自殺で、男子生徒の遺族が市などに損害賠償を求めた訴訟に関し、市側が「いじめと自殺の因果関係は不明」とした従来の主張を変更し、17日の第2回口頭弁論で因果関係を認める方向で最終調整に入ったことが13日、分かった。複数の市関係者が共同通信の取材に明らかにした。
市は近く設置する外部有識者による調査委員会の結果を待った上で、正式に和解の意向を伝える方針。越直美
こし・なおみ
市長は「遺族は学校で何が起きたのか、事実の解明を願っている。(事実関係がはっきりしない)現段階での和解は望んでいないと思う」としている。また17日に大津地裁で開かれる弁論で、市側が第3回以降の期日を指定せず、先送りするよう裁判所に申し出ることも判明。先送りが認められなかった場合でも「積極的な主張をすることはあり得ない」(市関係者)としている。
調査委が最終的な結論を出す時期は不透明だが、北村善隆総務部長は13日の常任委員会で「約4カ月で結論を得たい」と述べた。メンバーは臨床心理士、大学教授、弁護士らを中心に人選を進めているという。
沢村憲次教育長も13日、記者団の取材に「いじめ以外の要因も明らかにするために、訴訟は続けていくべきだ」と述べ、訴訟の打ち切りには否定的な見解を示した。
男子生徒の遺族は2月、自殺はいじめが原因だったとして市や加害したとされる生徒に約7700万円の損害賠償を求め提訴。市側は当初「いじめを苦にしていたとは断定できない」と争う姿勢を示していた。
【訴訟あるから…大津市教委、いじめ報告書未提出 : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)】
大津市教委が、自殺の原因とされるいじめについての正式な報告書を、遺族から損害賠償請求訴訟を起こされていることなどを理由に、現在も県教委や文部科学省に出していないことがわかった。
これを受け、平野文部科学相は13日夜、深刻ないじめを把握した際は「すみやかに文部科学省へ状況を報告してください」とする談話を全国の学校、教育委員会向けに出した。
県教委によると、市教委は、口頭やメモでの簡単な報告をしただけで、県教委から文科省には口頭で伝えられるだけにとどまっていた。県教委は「重大事案とわかれば、学校などにスクールカウンセラーや職員を派遣し、専門家らから助言をすることもできたはずだ」と指摘、文科省も、「市教委から報告があれば、国として助言や指導はできたはず」としている。
これに対し、市教委は「必要があれば県教委に口頭などで伝えてきた。男子生徒の遺族から損害賠償請求訴訟を起こされており、まだ報告書をまとめる段階ではないと考えている」としている。
「【中2自殺訴訟】3少年全員、民事訴訟でいじめ否認へ 市側も外部調査委員会を設置」への1件のフィードバック
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