滋賀県大津市で当時中学2年の男子生徒が自殺したのはいじめが原因ではないかとされる問題で、大津市教育委員会や学校の対応に批判が集まっていますが、ここ数日の大塚市教育委員会の市教委や教育長の発言をまとめておきます。
【【中2自殺訴訟】説明会で保護者ら批判の声も市教委教育長「先生に頑張ってほしいと、こういうことかな」 | CUTPLAZA DIARY】
2012/07/05
大津市教委 沢村憲次教育長「事実と確認できなかったため公表しなかった。隠したわけではない」
「可能な限り、いじめの事実を調べた」として、現時点では追加調査などはしない考え
名前が不明で追跡調査もできないため、市教委「自殺の練習をさせられたとの確証は得られなかった」
市教委「『自殺の練習』が事実だという確証が得られず、確実だとわかったものだけを公表した」2012/07/10
市教委学校教育課の担当者「生徒の自殺後、県教委には口頭や書類で説明してきた。自殺の背景を隠す意図はなく、どう報告しようかと想定しているうちに時間がたった。怠慢と言われればその通りだ」2012/0711
大津市教委 沢村憲次教育長「市長自身の判断だ。直接聞いておらず、わからない。外部調査委員会で結果が出れば真摯(しんし)に受け止める」(「いじめと自殺との間に因果関係はある」とした越直美市長の10日夜の発言について)2012/07/12
大津市教委 沢村憲次教育長「いじめも自殺の要因の一つだと思うが、家庭の背景など、さまざまな要因がある。警察の捜査で、全容が明らかになると思う」
大津市教委 沢村憲次教育長「捜査には協力をしながら、生徒は、できるかぎり冷静に、学校生活が送れるようにという思いを持っております」「生徒や保護者に申し訳ない」「自殺の原因はさまざまだが、いじめも要因の1つだと思う。捜査の結果を真摯(しんし)に受け止める」
大津市教委 沢村憲次教育長「A4の資料で3~4枚あったのをスーと順を追って見た程度だった。新しい事実は発見できませんという報告だったので、うちとしてはその通りと受け止めた。全部見れば見れたはずだったが、私は確認しておりません。見落としていました」
大津市教委 沢村憲次教育長「自殺の原因には学校のほか、家庭などさまざまな要因が考えられ、いじめだけが原因かどうかは判断できない」滋賀・大津市の中学校で12日夜行われた保護者説明会に出席後
大津市教委 沢村憲次教育長「全体を通してわたしが感じたのは、自分の行っている中学校に、誇りの持てる教育を期待すると。そのために、先生に頑張ってほしい。要約すると、こういうことかな」
2012/07/13
大津市教委 沢村憲次教育長「不十分とはいえ、学校は一定の調査をしており、(ほかの要因も含めて)全容を明らかにするためにも裁判は続けたい」
大津市教委 沢村憲次教育長「家庭内で何が起きていたのか、個人情報で詳しく言えないが、いじめと自殺が直接結びつくとは判断できないと考える」
市教委「(教師が複数の生徒に)注意をしていたことは事実です。ただし、それがその子(加害者生徒)かどうかは、確認がとれていません」(一部新聞が報じた「女性教員がその場を目撃し、加害生徒に注意していた」の件について)
大津市教委 沢村憲次教育長「いろいろとやられているところは、回っていた教員は『見かけていない』と言っている」
大津市教委 沢村憲次教育長「加害者の子どもは、いわゆる暴力を振るったり、成績カードを破ったりとか、そういう個々のことは認めているけど、それをいじめであるとは認めていない」
大津市教委 沢村憲次教育長「自殺の背景については学校でのいじめ、本人や家庭の問題などもあり、そのことは明らかにされていくべきだ。そのためにも裁判は続けていく」2012/07/17
大津市教委 沢村憲次教育長「個人的、家庭的な要因もあったと、学校から聞いている」と述べ、いじめ以外の要因があったとの見方を示した。
具体的な内容については「個人情報であり、警察や市の外部委員会で調べていくものだ」と言及を避けた。
大津市教委 沢村憲次教育長「外部委員会の調査で、いじめと自殺の因果関係が示されるのではないか。それを受け、和解協議をさせてもらいたい」2012/07/18
大津市教委 沢村憲次教育長「いじめが自殺の因果関係の一つになった可能性が高い」と明言する一方「主張を取り下げたのではなく、外部調査委の結果が出てから主張していくと思う」「家庭内で男子生徒がどんな環境にあり、何が起こったか学校から聞き、把握している」
2012/07/05
【「自殺練習」追加調査しない考え…大津市教委 : ニュース : 関西発 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)】
大津市で昨年10月、市立中学2年の男子生徒(当時13歳)が飛び降り自殺したことを巡る全校生徒アンケートで、「自殺の練習をさせられていた」との回答を市教委が公表していなかったことについて、4日に記者会見した沢村憲次教育長は「事実と確認できなかったため公表しなかった。隠したわけではない」と述べ、対応に問題はなかったとした。そのうえで、「可能な限り、いじめの事実を調べた」として、現時点では追加調査などはしない考えを示した。
市教委はこの日、男子生徒が亡くなった直後に実施したアンケートで、「自殺の練習をさせられていた」と回答した生徒を16人とした。このうち4人は記名で回答していたため、市教委は聞き取り調査をした。
この生徒らの記載は伝聞によるものだったことから、4人に話したとされる生徒からも事情を聞いた。しかし、自分でその場面を見たとは言わなかったという。
さらに、無記名だった生徒の回答にも、場面を直接見たことをうかがわせるものはなく、名前が不明で追跡調査もできないため、市教委は「自殺の練習をさせられたとの確証は得られなかった」としている。
記者会見で沢村教育長は、生徒の両親が、大津市と、加害者とされる3人とその保護者を相手取って損害賠償を求める訴訟を起こしていることを理由に、追加調査などについては「現時点では何も申し上げられない」と繰り返した。
また、市教委が昨年11月、男子生徒へのいじめについて明らかにした際、アンケートの回答の一部を公表しなかった点を問われると、「公表した内容については、かなり慎重に確認しており、そのほかのことを隠したとは考えていない。自殺の練習については、事実と確認しきれないという結論に至った」と説明した。
男子生徒が通っていた中学では、自殺の1週間前、担任教諭が「(男子生徒が)いじめられているのではないか」と別の生徒から聞いたものの、本人に確かめると、「大丈夫」と答えたという。
このため、学校は当初、「いじめなどの事実はない」としていたが、両親の依頼で全校生徒にアンケートを実施。「トイレで殴られていた」「ハチの死骸を食べさせられそうになっていた」といったいじめがあったことがわかった。校長が両親に調査結果を報告して謝罪したが、両親は継続調査を望んでいた。
この日の市教委の記者会見を受け、男子生徒の父親は「いじめで子どもを亡くすようなことが二度と起こらないようにすることが大切なのに、事実や原因が明らかにされなければ、対策の取りようがない。大津市や加害者側には事実を全て出してほしい」と話した。
長谷川博一・東海学院大教授(臨床心理学)の話「伝聞が含まれていたとはいえ、アンケートでいじめについて回答した生徒の数は多く、内容も多岐にわたっている。市教委は『可能な限り調べた』としているが、問題への深入りを避けているようにも映る。証言内容が真実かどうかを改めて調べたうえで、遺族が納得できるような説明をしなければならない」
【朝日新聞デジタル:市教委「すべて伝聞」/「自殺の練習」-マイタウン滋賀】
大津市の自宅マンションから市立中学2年の男子生徒(当時13)が飛び降り自殺したとみられる問題で、学校が実施したアンケートで、15人の生徒が「自殺の練習をさせられていた」と証言していたことが4日、明らかになった。市教委は「すべて伝聞。事実か確認できない」と公表しなかった理由を説明するが、生徒側は「複数の生徒の証言は重い」と指摘する。
「『自殺の練習』が事実だという確証が得られず、確実だとわかったものだけを公表した」
市の沢村憲次教育長は4日、報道を受けた会見でそう述べ、対応に問題はなかったと強調した。
昨年10月11日の転落死を受け、学校は約1週間後、全校生徒約860人にアンケート。約330人から有効回答があった。学校は「自殺の練習があった」という内容も含め、同月末、遺族に書面で伝えた。
翌11月2日、市教委は「複数の生徒からいじめを受けていた」と発表した。首を絞める▽昼食のパンを勝手に食べる▽ハチを食べさせようとする――などの行為があったと説明。一方、恐喝されていたとの回答もあるが、確認できなかったとし、転落死は「いじめが原因と判断できない」と調査を打ち切った。「自殺の練習」には触れなかった。
関係者によると、「自殺の練習」に言及した15人は全員、人から聞いた伝聞で、記名回答は3人、残り12人は無記名だった。生徒と同じ2年生は回答した約230人中3人だったのに対し、1年生は約50人中10人と最多で、3年生が約55人中2人だった。表現は「自殺の練習」「死ぬ練習」「自殺のやり方」の3種類で、自殺の方法には言及していなかった。
ほかに3年生の1人が、亡くなった生徒が遅刻したとき、「自殺の練習してたんか」と言われていた、と証言した。
学校はアンケートを受け、生徒から聞き取り調査し、発信者とみられる生徒1人を特定。事情を聴くと、この生徒も直接見聞きしていなかったという。市教委学校教育課の担当者は「1人の子が何人にも話していた。うわさ話など情報の出どころは可能な限り調べた」と話す。
生徒の両親は今年2月、市と、いじめたとされる同級生3人とその保護者に7720万円の損害賠償を求める訴えを大津地裁に起こし、アンケート結果も提出していた。
生徒側の代理人は「アンケートに表れた実態を学校はどこまで把握していたのか、明らかにすべきだ」と指摘。「15人もの生徒が『自殺の練習』に言及しており、情報の確度は高いのではないか」と話す。
一連の対応をめぐり、市教委には「きちんと説明すべきだった」などと指摘する電話とメールが、4日夕までに150件以上寄せられたという。
2012/07/10
【朝日新聞社デジタル:市教委、文科省にいじめの報告せず 大津・中2自殺 – 関西ニュース一般】
大津市で昨年10月、市立中学2年の男子生徒(当時13)が自殺した問題で、市教委が、いじめに関する正式な報告書を作成せず、県教委を通じて文部科学省に提出していなかったことがわかった。市教委は「怠慢と言われれば、その通りだ」と不備を認めている。
文科省によると、学校の生徒に自殺などの重大な事案が起きた場合、いじめとの因果関係がはっきりしない段階でも報告書の提出が必要とされる。同省児童生徒課は「大津市から自殺に関する報告はない。背景がわからず、データを提供できなかったのかもしれないが、報告が必要だった可能性がある。再調査には指導、助言していく」という。
市教委学校教育課の担当者は、取材に対し「生徒の自殺後、県教委には口頭や書類で説明してきた。自殺の背景を隠す意図はなく、どう報告しようかと想定しているうちに時間がたった。怠慢と言われればその通りだ」と説明。県教委学校教育課は、書面による報告がなかったため、文科省に口頭で報告したという。今後、市教委に正式な報告書の提出を求めるかどうか検討したいとしている。
2012/0711
【大津市長の因果関係発言、市教委「市長の判断」 : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)】
大津市教委の沢村憲次教育長は11日午前、記者団の取材に対し、「いじめと自殺との間に因果関係はある」とした越直美市長の10日夜の発言について、「市長自身の判断だ。直接聞いておらず、わからない。外部調査委員会で結果が出れば真摯(しんし)に受け止める」と述べ、市長と市教委との認識のずれをうかがわせた。
一方、遺族と係争中の損害賠償請求訴訟で和解する意向を表明した越市長は11日、市の部長会で「まずは訴訟を中断し、外部調査委員会で事実を徹底的に調査する。調査が終わった後、私としては和解したい」と述べた。さらに、「市教委だけの問題ではなく、市全体で対応する必要がある」とし、各部局に相次いでいる批判的な電話やメールなどに誠意をもって対応するよう指示した。
2012/07/12
【中日新聞:大津市教育長「生徒と保護者に不安、申し訳ない」 :社会(CHUNICHI Web)】
家宅捜索を受けた大津市教育委員会の沢村憲次教育長は12日朝、記者会見し「生徒と保護者に大きな不安を与え、たいへん申し訳ない」と陳謝した。
皇子山中学校の生徒や教員には「捜査で聞かれたことに冷静に答えてほしい」と協力を求めた。「いじめも自殺の要因の一つだと思うが、家庭の背景など、さまざまな要因がある。警察の捜査で、全容が明らかになると思う」とも語った。市教委には朝から「なぜ、学校が家宅捜索を受けることになったのか」など抗議や苦情の電話が続いているという。
【FNNニュース: 滋賀・いじめ自殺 捜査幹部「強制的にやらないと資料出てこない」】
滋賀・大津市で、いじめを受けていた男子生徒が自殺をした問題で、警察は11日、学校と教育委員会を家宅捜索した。教育現場への異例の強制捜査となった。
捜索に踏み切った背景について、ある捜査幹部は、教育委員会の隠蔽(いんぺい)体質を指摘し、「強制的にやらないと、全ての資料が出てこない」と話した。
警察は11日、教育委員会と、男子生徒が通っていた中学校を家宅捜索し、いじめに関する調査資料などを押収した。
捜索の容疑は、2011年9月の体育大会で、同級生3人が男子生徒の手足を鉢巻きで縛るなど暴行した疑い。
いじめの問題で、教育機関が強制捜査を受けるのは異例で、生徒や保護者の間にも、学校に対する不信感が広がっている。
中学校の生徒は「うそをつかないでほしいです」と語った。
保護者は「隠蔽しようとするから、こういうことになってしまったのかなというような感じはしますね」と語った。
大津市教育委員会の澤村憲次教育長は「捜査には協力をしながら、生徒は、できるかぎり冷静に、学校生活が送れるようにという思いを持っております」と語った。
教育長は、「生徒や保護者に申し訳ない」と謝罪したうえで、「自殺の原因はさまざまだが、いじめも要因の1つだと思う。捜査の結果を真摯(しんし)に受け止める」と話した。
今後、警察は、暴行した疑いが持たれている同級生3人や、目撃したほかの生徒への事情聴取は、授業日程を優先して、夏休み期間などに集中して行う予定。
そのうえで、8月にも立件の可否を判断するとみられる。
【大津市教育長まるで他人事!「自殺はいじめ以外にも要因。資料スーと見た程度」 : J-CASTテレビウォッチ】
滋賀県大津市の中学2年の男子生徒の自殺をめぐるいじめ問題にようやく県警の捜査が入った。生徒の事件で中学校に警察の捜査が入ることはあまりないが遅すぎた。岸本哲也リポーターが大津市長と市の教育長を直撃した。
「全部見れば見れたけど、私は(自殺練習は)確認しておりません」
越直美市長(36)は北海道大学法学部卒業で、ハーバード・ロースクールを出た才媛だ。今年(2012年)1月、女性最年少の市長として当選した。その越が涙を流しこう語った。
「混乱させる状態になったことについて、いまいる子どもたちに対し大変申し訳ないと思っています。私は教育委員会の2回の調査は今となっては不十分でずさんなものだったと思っていて、隠蔽しようとする体質があるのか、まったく不注意なのか、私自身、信用できないと思っています。 いじめと自殺の因果関係はあったという前提でこれからしっかり調査をしていきます」
学校側は全校生徒に対し行った2回目のアンケート調査を隠していただけでなく、自殺した生徒の遺族にアンケート結果を提示する際も、マスコミに口外しないという確約書を交わしていた。2回目のアンケート結果の報告書は市教委に提出されていたが、沢村憲次市教育長はのらりくらりでこう答えた。
「A4の資料で3~4枚あったのをスーと順を追って見た程度だった。新しい事実は発見できませんという報告だったので、うちとしてはその通りと受け止めた。全部見れば見れたはずだったが、私は確認しておりません。見落としていました」
いじめがあった事実を認識しながら、沢村は依然として「自殺との因果関係については、私どもは分からない、判断できない」という。さらに、「いじめがすべてではない。別の要因もあったはずだ」と、自殺の原因が他にもあったという。ならばなぜその要因を言わないのか。
元国立市教育長「都合の悪いことは見ない。責任感が全く欠けている」
教育評論家の石井昌浩・元国立市教育長が出演し沢村を批判した。「子どもが一人亡くなっているのに、もうじき夏休みに入る。滋賀県警は8月中には立件できるかどうか判断するという。市側も9月の新学期までに、5人の教育長を含む教育委員と校長をはじめとした学校側幹部を一新し、出直す体制を固める必要がある。
越市長はよほど泣き虫なのか、最初の会見でも泣いていた。市長に就任し半年ほどでは荷の重い試練かもしれないが、泣いている場合ではない。泣いているのは自殺した生徒だ。
【【中2自殺】「いじめも原因の一つ」 大津市教育長が緊急会見 – MSN産経west】
大津市で昨年10月、市立中学2年の男子生徒=当時(13)=が飛び降り自殺した問題で、澤村憲次・市教育長は12日午前、市役所で緊急記者会見を開き、これまで「いじめと自殺の因果関係は不明」としていたが、「いじめがその一つになると考えられる」と初めて自殺との関連性について言及した。一方で、「自殺の原因には学校のほか、家庭などさまざまな要因が考えられ、いじめだけが原因かどうかは判断できない」とも述べた。
澤村教育長はこれまで一貫していじめが自殺の原因とは認めてこなかった。しかし、越直美市長は6日、同中学校のいじめ問題で外部委員会による再調査を行うと表明し、10日夜の会見で「私自身はいじめがあったからこそ男子生徒がなくなったと思っている」と発言していた。
2012/07/13
【大津市・沢村教育長、遺族との訴訟「続けたい」 : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)】
大津市の沢村憲次教育長は13日、市役所での記者会見で、自殺した男子生徒の遺族が起こしている損害賠償請求訴訟について、「続けたい」と語った。
遺族との和解の意向を表明している越直美市長とは見解の違いを示した。
沢村教育長は記者会見で、男子生徒の通っていた中学校で前夜開かれた保護者会でも同様の発言をしたとし、「不十分とはいえ、学校は一定の調査をしており、(ほかの要因も含めて)全容を明らかにするためにも裁判は続けたい」と理由を述べた。
【朝日新聞社デジタル:自殺の一要因「家庭の事情も」大津市教育長、異例の言及 – 関西ニュース一般】
沢村憲次教育長は12日午後の会見で、男子生徒の自殺の要因に関連して、昨年9月半ばに生徒が泣きながら電話で教師に相談してきたことに触れ、「いじめについての相談ではなかった。中身についてはプライバシーがあり言えないが、家庭の中でのことだ」と、異例の言及をした。
沢村教育長は「家庭内で何が起きていたのか、個人情報で詳しく言えないが、いじめと自殺が直接結びつくとは判断できないと考える」とも述べた。沢村教育長は12日午前の会見では「いじめも(自殺の)一つの要因と思うし、否定したことはない」と述べていた。
【FNNニュース: 滋賀・いじめ自殺 澤村教育長、警察の強制捜査に現場で抗議】
滋賀・大津市でのいじめ自殺問題で、ほかの保護者たちからも激しい怒りや不満の声が上がっている。さらに、問題は列島各地に波及している。
12日夜、「預ける側としては、心配で預けられない」などと、学校への不信感をあらわにする保護者。
滋賀・大津市の中学校で12日夜、緊急説明会が開かれた。
集まったのは、およそ700人の保護者たち。
学校側からは、校長や教頭、学年主任など、市の教育委員会からも教育長が出席し、およそ3時間にわたって行われた。
校長は「(学校としては)最大限の取り組みをしてきたというふうに思っております」と述べた。
しかし、保護者は「(生徒たちは)事実を明らかにしなければという思いで、(アンケートを)書いたと思うんです。その思いを先生方がどこまでくみ上げて、真剣に対応したのか、全然伝わってこない」と語った。
保護者からの批判は、男子生徒が自殺した後の学校側の対応に集中した。
しかし、学校側の説明に不満があるとして、途中で退席したという保護者の姿もあった。
途中退席した保護者は「聞いていても堂々巡り。思ったような答えが返ってこない。どういうことが起きて、これからどうするのかとか。結局、堂々巡りで的を射ていない。(保護者に対して謝罪は?)謝罪されていたと思うけど、伝わらなかった、何1つ」、「空気が読めていない。学校教育はこんなもんかと、民間から見たら、そう思いますよね。もう少し、誠意を持った態度でいかないと、日本中の人は許してくれませんよと。わたしが申し上げたのは、『あなたがたは、滋賀県の恥です』と、はっきり言いました」、「いろいろ、報道とかで聞いている話と、学校側が本当に持っている真実というのを、もうちょっと突っ込んだ形で聞けるかなと思ったけど、なんか、個人情報とか、いろんなことを言われましたけどね。確実に、われわれの心に響く返事はもらえなかった。ちょっと残念な説明かだった」などと語った。
学校側の対応に対する不安と不満。
さらに、別の保護者は、「質疑応答に入りますとなった時に、一番前のお父さんが手を挙げて、『1人の方が亡くなっているのに、黙とうがなんでないんや』って言って、拍手が起こった。(学校側の)誰が言ったかわからないけど、『黙とう』って。(保護者からは)『立ってやろ!』と(声があがった)」と語った。
この説明会には、自殺した男子生徒の父親も出席した。
男子生徒の父親の様子について、説明会に出席した保護者は「黙とうの後に手を挙げて、『黙とうしていただいて、ありがとうございました』から入った。『被害者の何々です』と。『今後もご迷惑をおかけすると思いますが、何とぞよろしくお願いします』しか言わなかった」、「もう泣きそうだった。自分だったら、子が亡くなったら、そこまで、お父さんのように絶対できないと思った」などと語った。
保護者から批判が相次いだことを受け、学校側は今後、希望する保護者には、アンケート結果の閲覧を認めることを表明した。
大津市教育委員会の澤村憲次教育長は、保護者説明会に出席後、取材に応じ、「全体を通してわたしが感じたのは、自分の行っている中学校に、誇りの持てる教育を期待すると。そのために、先生に頑張ってほしい。要約すると、こういうことかな」と、保護者からの意見だとして、全体を総括した。
一方、11日夜、滋賀県警が「強制捜査でないと全て(資料が)出ないと判断した」として行った学校と教育委員会に対する異例の家宅捜索について、その現場で抗議していたことを明かした。
澤村教育長は「きのうの午前中に県警本部の生活安全部長から電話が来て、『警察が捜索することになります。捜査のご協力をお願いします』ということだったので、『わかりました』と。わたしとしては、『協力する』と言っているのに、『なんで強制捜索なんですか』と。(現場で)抗議の思いをお伝えした」と語った。
その家宅捜索の容疑となった2011年9月の体育大会での暴行について、13日、一部新聞が「女性教員がその場を目撃し、加害生徒に注意していた」などと報じたことに、教育委員会側は13日、会見で「(教師が複数の生徒に)注意をしていたことは事実です。ただし、それがその子(加害者生徒)かどうかは、確認がとれていません」とした。
さらに、澤村教育長は「いろいろとやられているところは、回っていた教員は『見かけていない』と言っている」と事実関係を否定した。
また、12日夜の保護者説明会の中で、いじめをしていたとされる3人の生徒たちについて、説明したことを明らかにした。
澤村教育長は「加害者の子どもは、いわゆる暴力を振るったり、成績カードを破ったりとか、そういう個々のことは認めているけど、それをいじめであるとは認めていない」と語った。
平野文科相は13日、大津市でのいじめをめぐる一連の動きに、閣議後の会見の冒頭で触れ、13日にも文科省の職員を現地に派遣し、第3者委員会の立ち上げなどの対応を行うと話した。
平野文科相は「特に学校に捜査が入るという事態については、大変遺憾でございます」と述べた。
大津市のケースに続き、今、全国各地でいじめ問題が浮上している。
愛知・蒲郡市でも2012年3月、中学2年の男子生徒に対し、同級生の男女9人が、「自殺に追い込む会」なるグループをつくり、悪口や自宅前で「死ね」と叫ぶなどのいじめを行っていたことが判明した。
学校は、6月末になってその実態を把握し、いじめをやめさせたという。
こうした対応に、教育評論家の尾木直樹氏は「愛知の学校の場合は、今回の大津の報道がすごくされたので、先生方のいじめに対する感度、非常にアンテナが高くなっていた。だから、すぐに救済できたと思います。(ほかにも)全国のどこかにあるかもしれないから、余計に先生も子どもたちの方をしっかり見ないといけないし、親の方も、わが子を見てないといけない」と語った。
【朝日新聞社デジタル:「希望保護者に配布」 アンケート公開で大津市教育長 – 関西ニュース一般】
大津市立中学2年の男子生徒(当時13)が昨年10月に自殺した問題で、大津市教委の沢村憲次教育長は13日午前の会見で、学校側が自殺後に全校生徒に実施したアンケート結果を希望する保護者に公開すると決めたことについて「保護者から『自分たちの学校のことなのに自分たちが知る前に報道される。なぜ説明しないのか』との声が出た。すでに遺族に渡していることもあり、了解のもと希望する保護者には配布することにした」と説明した。
沢村教育長は12日夜、中学校で開かれた全校生徒の保護者向けの緊急説明会で、希望する保護者にアンケート結果を公開する考えを示した。個人情報を塗りつぶしたうえでコピーを渡すという。
また、沢村教育長は遺族から損害賠償を求められている訴訟について「自殺の背景については学校でのいじめ、本人や家庭の問題などもあり、そのことは明らかにされていくべきだ。そのためにも裁判は続けていく」と述べ、和解したい意向を示した越直美・大津市長と異なる見解を示した。この考えは12日夜の緊急説明会でも説明したという。
2012/07/17
【大津の生徒自殺、いじめ以外の要因も…市教育長 : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)】
大津市の沢村憲次教育長は17日、市役所で記者会見し、男子生徒が自殺した背景について「個人的、家庭的な要因もあったと、学校から聞いている」と述べ、いじめ以外の要因があったとの見方を示した。
具体的な内容については「個人情報であり、警察や市の外部委員会で調べていくものだ」と言及を避けた。
この発言に対し、遺族側は「責任の所在をすり替えようとしている」と憤りをあらわにしている。
また、沢村教育長は記者会見で、遺族が起こしている損害賠償請求訴訟について、「外部委員会の調査で、いじめと自殺の因果関係が示されるのではないか。それを受け、和解協議をさせてもらいたい」と話し、これまで「裁判を続行したい」としていた態度を修正した。
2012/07/18
【中2自殺訴訟 「家庭内問題も言及」 大津市教育長 資料提出意向 : 京都新聞】
大津市で昨年10月、中学2年の男子生徒=当時(13)=が飛び降り自殺した問題で、17日に大津地裁で開かれた損害賠償訴訟の第2回口頭弁論後、市教委の澤村憲次教育長が取材に応じた。「いじめが自殺の因果関係の一つになった可能性が高い」と明言する一方で、生徒の家庭内の問題についても言及していく考えを示した。
澤村教育長は、和解協議を呼び掛けた大津市の姿勢について、「主張を取り下げたのではなく、外部調査委の結果が出てから主張していくと思う」と説明。また、「家庭内で男子生徒がどんな環境にあり、何が起こったか学校から聞き、把握している」とした上で、裁判への資料提出を市側代理人と相談していくとした。一方で、市教委内に、いじめ対応についての検討チームを可能な限り早期に設ける意向も示した。学校教育課を中心に人選し、いじめ防止や発見した際の対応、さらに今回ずさんさが指摘されたアンケートの在り方を検討していくという。
「【中2自殺訴訟】大塚市教育委員会の市教委や教育長のここ数日の発言まとめ」への2件のフィードバック
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