退職手当を減らす条例の施行を前に定年退職する地方公務員が相次いで「駆け込み退職」している問題で、「無責任だ」とか「制度がおかしい」といった批判が埼玉県に寄せられているといいます。
余分に働くと退職金が減るから「駆け込み退職」
下村博文文部科学大臣は「決して許されざる(ことだ)」と批判し、文科省として各教育委員会などへの指導に乗り出す考えを示しました。
また、兵庫県小野市の蓬莱務市長は24日の定例会見で、退職の意向を示している同市立学校給食センターの女性栄養士について、「定年退職者に通常出している感謝状は出さず、市での再任用の希望があっても却下する」との意向を明らかにしました。また、「60歳以上の雇用が大変厳しい時代に、退職金が70~80万円少ないことだけで職責を放り投げている。そのうえ、市で再任用してくれ、では筋が通らない」というように再任用についても認めないとしています。
ただ、余分に働いて何十万円以上退職金が無くなるのは困るという、地方公務員の「駆け込み退職」の気持ちも分からなくもないわけです。
大臣や市長らの地方公務員や教諭のモラルについても無責任という点ではそうなんだろうなと思います。
なぜ4月以降にしなかったんだろう。 / “愛知県警でも駆け込み退職 3月の退職手当引き下げ前 – MSN産経ニュース” htn.to/E8LE9i
— Tomo (@cutplaza) January 23, 2013
ただ、この条例は昨年11月の民主党政権下の国が作ったものであり、下村博文文部科学大臣がこの条例を作ったかのような批判は的が外れていたりします。
この制度を作った人や自治体が、駆け込み退職できないように1月1日施行にするようにしていれば今回のような問題は抑えられたでしょうし、4月以降にしておけば丸く収まっていたような気がします。(1年早く駆けこみ退職までは考慮しない)
そもそも、民間企業との格差を是正する条例であることも忘れてはいけません。
税金で賄われている地方公務員の給料の問題ですから、誰のための制度だったのかも合わせて考える必要があるのではないでしょうか。
【駆け込み退職、制度に批判「2月施行おかしい」 : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)】
【「決して許されない」=教員の駆け込み退職―下村文科相 (時事通信) – Yahoo!ニュース】
下村博文文部科学相は24日の記者会見で、全国の公立学校教員が定年を待たず、退職手当減額前の年度途中に「駆け込み退職」をしている問題について、「決して許されざる(ことだ)」と批判し、文科省として各教育委員会などへの指導に乗り出す考えを示した。
同相は「(特に)クラス担任ら責任ある立場の先生方は、最後まで誇りを持って仕事を全うしてほしい」と述べた。
【はてなブックマーク – 「決して許されない」=教員の駆け込み退職―下村文科相 (時事通信) – Yahoo!ニュース】
【駆け込み退職、感謝状なし・再任用も却下と市長 : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)】
民間企業との格差を是正するため、国は去年11月、国家公務員の退職金の支給水準を引き下げる法律を成立させ、今月から段階的に退職金の引き下げが始まっています。
【県、退職手当引き下げ難航 : 秋田 : 地域 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)】
埼玉県などで退職手当の引き下げ前の年度途中で「駆け込み退職」が相次いでいる問題。秋田県でも、県職員や警察官、教員の退職手当を引き下げるため、県などが今年度中の条例改正に向けて準備を進めているが、県職員労働組合などが今年度中の引き下げに反対し、引き下げ開始のめどが立っていないことがわかった。