毛の再生治療、マウスで成功。脱毛症治療に応用

今年に入って髪の毛に関する研究が飛躍的に進んでいるのですが、今回は髪の毛を生成する毛包を作る幹細胞を移植することで、脱毛しているマウスに髪の毛を再生させることが出来たという研究が報道されています。

先日、東京医科歯科大の教授らの研究グループにより抜け毛や白髪になる仕組みが解明されたのですが、その際に私の予想として「毛髪生成の幹細胞により毛包を作り、それを頭皮に移植する「生毛植毛」の方が先」と考えていたのが実際に実現しそうですね。

毛の再生治療、マウスで成功。脱毛症治療に応用

今までの自己移植治療は、後頭部から少し下の皮膚を切り取って、髪の毛を毛包ごとに小分けして、直接脱毛している箇所に植えつけるというものですが、定着率の問題や切除した箇所の後遺症などが心配でした。
しかし、今回東京理科大での研究による技術によって、そのような他の部位を傷つけること無く脱毛部分に髪の毛を生やすことができるので、とても素晴らしい研究だと思います。

東京医科歯科大の抜け毛や白髪になる仕組みに欠かせない17型コラーゲンの生成に関する研究とともに、この幹細胞に因る脱毛症の自己移植治療は今後の実用化に注目が集まりそうです。

毛の再生、マウスで成功=脱毛症の自己移植治療に応用へ―東京理科大 (時事通信) – Yahoo!ニュース

 大人のマウスのひげを作る「毛包(もうほう)」にある幹細胞を採取して培養、増殖させ、毛がない別のマウスの背中に移植して毛を再生させることに、東京理科大の辻孝教授らが世界で初めて成功した。3月1日から都内で開かれる日本再生医療学会で概要を明らかにし、新技術の詳細は論文にまとめて国際的な科学誌に発表する。
 この技術をヒトの脱毛症患者に応用できれば、残った毛髪組織を増やして脱毛部分に自己(自家)移植し、頭髪を再生して長期間維持できると期待される。研究チームは、患者から後頭部の毛髪組織の提供を受けており、辻教授は「早ければ3年後の臨床試験開始を目指したい」と話している。
 マウスのひげは体毛より太く、直径が0.05ミリ程度でヒトの毛髪に近い。再生した毛を電子顕微鏡で分析すると、自然の毛と同様に中心に毛髄、周囲に毛皮質があった。さらに自然の毛は生え替わることを繰り返すが、移植後の毛包も3カ月間、21日周期で生え替わりが続いた。

それにしても最近の幹細胞による再生技術は凄いもので、人間の臓器まで作れるようになるかもしれないとのこと。
こちらも目が離せない研究となっています。

世界初、体外で血管網付き組織を再生+(1/2ページ) – MSN産経ニュース

 細胞シートと呼ばれる薄膜を使い、血管を持った組織を体外で作ることに、東京女子医科大先端生命医科学研究所の岡野光夫教授らが世界で初めて成功したことが26日、分かった。心臓などの大きな臓器を作る可能性を開く成果で、再生医療の普及に弾みがつきそうだ。3月1日から開かれる日本再生医療学会で発表する。

 人工多能性幹細胞(iPS細胞)などを使った再生医療では、細胞単位や薄膜での移植といった方法で研究が進んでいる。細胞シートを重ね合わせた研究では、ある程度の厚みのある組織を作ることには成功していた。

 しかし、血管がなければ組織自体が生存できないという問題があった。心臓など大きな臓器や組織を移植用に体外で作るには、その内部に酸素や栄養を供給する血管網が不可欠とされている。

 岡野教授は同大の清水達也准教授、早稲田大の坂口勝久助手らと共同で、血管部分をトンネル状にくりぬいたゲル材料に、血管内皮細胞を混合した細胞シートを張り付け、立体構造を持った組織の“型”を作製。トンネルに培養液を流しながら培養すると、内部に血管ができ、厚さ0・1ミリの組織になることを確認した。

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 これまで、重ねた細胞シートを背中の皮下など生体に入れると血管ができることは知られていたが、体外で血管の新生に成功したのは初めてという。体外で実施できることで、患者の負担の軽減につながる可能性もある。

 移植用の臓器再生では、ブタなどの大型動物の体内でヒトの臓器を作らせる研究も行われているが、感染症や倫理面で課題が多い。

 岡野教授らが取り組んでいるのは、細胞から臓器や組織を人工的に組み立てる「再生医工学」。中核となる技術として、培養した細胞シートを温度変化だけではがせる培養皿の技術の開発を進めている。今回の体外での血管網付き組織再生の成功と合わせることで、生着率の高い臓器再生技術につながると期待されている。(原田成樹)

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