大阪市立桜宮高校で体罰を受けていた体育科の男子生徒が自殺した問題で、大阪市教育委員会が体育科などの募集を停止して普通科に変更したうえで、来月入学試験を実施することを決めました。
市立桜宮高校の体育系2科の中止を受けて同校3年の男子生徒2人と女子生徒6人が記者会見に臨みました。市役所5階の記者クラブで午後7時半から1時間余の会見で、8人はいずれも運動部の元キャプテンとのことで、以下のように発言しています。
女子生徒「体育科に魅力を感じて受験したいと思う生徒がほとんど。普通科に回されるのは、私たちは納得がいかない」
(橋下市長が同日朝、全校生徒を前に説明したが)女子生徒「具体的な理由がなく、私たちの声も十分に聞いてくれなかった。思いは1時間で話せるわけがない。『生徒、受験生のことを考えて』と何度も繰り返したが、在校生と受験生のことを考えたらもっと違う結果があったんじゃないか」
(橋下市長が体罰の背景に)女子生徒「容認していないし、勝つことだけが目標ではなく、礼儀など人として一番大切なことを教えてもらっている」
(自殺問題について)「心の傷は深く、重く受け止めている。傷を癒せるのは先生」
(教諭の総入れ替えに)「多くの生徒が学校を守りたいと思っている」
男子生徒「今回の結果が覆せるんじゃないかと、強い思いを持ってきた」と会見の動機を語った。別の女子生徒も「今まで続いている伝統は今でも正しいと思っている」
誰かに言わされているようにも見えるけれど、この学生らが記者会見まで開いて口にしているのは、この学校では伝統や礼儀と称した暴力で生徒らを支配した結果なんですね。カルト団体の洗脳に近い。
人が死んでいるのに、「具体的な理由がなく」とか、「礼儀が大切」とか、「傷を癒せるのは先生」なんて我関せずな発言をよくも言えたものだと、背筋が凍る思いです。
それを自殺生徒のご遺族が聞いたら、どれだけ悲しまれるでしょう。
在校生や卒業生が反対している理由が、学校や先生の擁護でしか無いのは、どうにも気持ち悪い。
【「結論覆す」、決意の反論=高校生8人、入試中止で会見―大阪市 (時事通信) – Yahoo!ニュース】
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東京新聞は今回の桜宮高校での体罰が生徒を追い詰め自殺に至った事件について『体罰を情熱や熱血とすり替え、教育を放棄してはならない。男子生徒の死を無駄にできない』としています。
大阪市の橋下徹市長は21日、バスケットボール部の男子生徒が自殺した市立桜宮高を訪問し、全校生徒や教職員を前に「スポーツの中で手を上げることは、ものすごく遅れた指導法。そんなことで技術力は上がらない。世界最先端の指導でないと、体育科の意味がない」「生徒に責任はないが、クラブ活動よりもっと大切なことがある。今後の方向を出す前に新入生を迎えてはならない」と自らが打ち出した同校体育系学科の入試中止方針などを在校生に説明しました。
「生きているだけで丸もうけ」との自身の発言については「生きていれば、少し回り道をしてでも自分のやりたいことに向けて進むことができるという意味だった」と釈明しました。
これに対し、生徒2人が手を挙げて発言し、1人は、「(自殺は)忘れてはいけない出来事。桜宮のことを真剣に考えている。(ただ)体育科を続けた状態で考えていきたい」との内容で、もう1人は、「市長は人生は長いというが、今しかない時間を大切にしたい。普通科であればいいという問題でない。入ってくる子にとって受験は一度だけで、その機会を奪ってほしくない」と訴えました。
これに対し、橋下市長は「皆さんに責任はないが、世の中には越えてはいけない一線がある」としました。
生徒への説明は非公開で行われ、橋下市長は午前8時45分頃に同高に到着。体育館での全校集会で、午前10時頃まで話しました。
【桜宮高校 普通科に変更して入試実施へ NHKニュース】
【橋下市長が入試中止に理解求める 桜宮高の生徒や教職員に – 47NEWS(よんななニュース)】
【橋下氏「入試やめさせます」…生徒発言受けても : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)】
【什の掟―じゅうのおきて(ならぬことはならぬものです) | 會津藩校 日新館―会津藩・白虎隊の学び舎】
【什 (会津藩) – Wikipedia】
【【桜宮高2自殺】「私が死ねば救われる?」入試中止抗議の〝自殺予告〟…市教委は丸1日放置した(1/2ページ) – MSN産経west】
市教委によると、18日午後4時すぎ、市のコールセンターに同校在校生を名乗る若い女性から、入試中止などをめぐる橋下市長の発言の真意を確認する電話があった。女性は「『生きていたらチャンスはある』と言っていたがどういう意味か」と憤った様子で問いかけ、泣きながら「私が死ねば在校生はみんな救われるんでしょうか」と尋ねたという。橋下市長は17日の会見で「(受験生は)生きているだけで丸もうけ。またチャンスはある」と述べていた。
2013/01/11
【東京新聞:バスケ部主将の自殺 学校に体罰はいらない:社説・コラム(TOKYO Web)】 (魚拓)
自殺の前日、練習試合に負けて帰った男子生徒は「今日もいっぱい殴られた。三十発から四十発かな」と母親に打ち明けた。顧問は発奮させようと平手打ちしたというが、遺体の頬は腫れ、唇が切れていたというから尋常ではない。
自殺後のバスケ部員五十人へのアンケートでは、二十一人が体罰を受け、四十八人が主将を除くほかの部員への体罰を見ていた。殴る、蹴るといった暴力が常態化していたのは間違いなく、自殺の引き金になった可能性が高い。
橋下徹大阪市長が「事実なら犯罪だ。完全な暴行、傷害だ」と憤慨したのも当然だろう。
桜宮高では、かつて男子バレーボール部でも顧問の男性教諭が体罰を加え、停職処分を受けていた。全校的な体罰の全容を調べ、再発を防がねばならない。
【(cache) 東京新聞:バスケ部主将の自殺 学校に体罰はいらない:社説・コラム(TOKYO Web)】