東京都知事選に出馬の意向を示していた総理大臣経験者の細川護煕氏(76)が、同じく総理大臣経験者の小泉純一郎氏(72)と都内のホテルで会談後、取材陣を前に「立候補する決断をした。原発の問題は、国の存亡にかかわると危機感を持っている」と都知事選への出馬を表明しました。
小泉純一郎氏は細川護煕氏の支援する理由について「原発の問題で共感できる。積極的に支援する。東京が原発なくしてやっていける姿を見せると、必ず国を変えることができる」とした上で「この戦いは、原発ゼロでも日本が発展できるというグループと、原発なくしては発展できないというグループとの争いだ。私は原発なしでも発展できるという考えで、細川さんもそうだ。それが支援する最大の理由だ」と脱原発の一点を強調して語りました。
2009年に政界引退をしていた小泉純一郎氏昨年8月に毎日新聞のコラム「風知草」で『原発ゼロしかないよ』『今ゼロという方針を打ち出さないと将来ゼロにするのは難しいんだよ。野党はみんな原発ゼロに賛成だ。総理が決断すりゃできる。あとは知恵者が知恵を出す』と「脱原発」を語り、9月にはホテルで行われた講演会でも「原発が最もコストが安いとして新設、増設とはいかない」「国民は原発が安全だとは信用しなくなった」「自然エネルギーや再生可能エネルギーの技術開発に投資し、環境先進国を目指すべきだ」について発言していました。
また、細川護煕氏も政界引退後は陶芸家の活動のかたわら、震災後は被災地に木を植える瓦礫を活かす森の長城プロジェクトに携わっており、細川護煕氏もこの頃から「脱原発」を記者会見で発言していました。
細川護煕氏と小泉純一郎氏は昨年10月から連絡を取り合っており、今回の都知事選立候補は小泉純一郎氏が細川護煕氏に薦めたと見られています。
さて、小泉純一郎氏は『自民党をぶっ壊す!』と「脱派閥」を掲げ内閣総理大臣になるわけですが、その後、郵政民営化反対派との政争の挙句に「郵政解散」を行い「今回の選挙は、いわば、郵政選挙であります。郵政民営化に賛成してくれるのか、反対するのか、それを国民に問いたい」と郵政民営化の賛否を問う選挙を行いました。
この選挙はマスコミは「小泉劇場」と呼んでいました。
今回の細川護煕氏の都知事選出馬の理由についても小泉純一郎氏が「脱原発」の一点だけを強調しているのは、前の郵政選挙ど同様の戦法なのでしょう。
ところが小泉純一郎氏は先の毎日新聞のコラムでも「今すぐゼロは暴論という声が優勢ですが」との質問に「逆だよ、逆。今ゼロという方針を打ち出さないと将来ゼロにするのは難しいんだよ。野党はみんな原発ゼロに賛成だ。総理が決断すりゃできる。あとは知恵者が知恵を出す」と答えている通り、小泉純一郎氏はこれまで脱原発の方法を示しておらず、その脱原発の実効性や代替エネルギーや経済的な問題についても対策を出していません。
また、細川護煕氏は佐川急便からの1億円の借入金を未返済疑惑によりわずか8ヶ月で細川連立政権は終了しました。
5千万円献金問題で辞任した猪瀬直樹氏よりも多額のお金の問題があった細川護煕氏が都知事選に出馬されるそうですが、脱原発以外の政策で支持を得られる要素があるのでしょうか。
マスコミがどのような報道をするかが見ものですが、おそらくは総理大臣時代に批判報道をしていたであろう朝日新聞や毎日新聞、東京新聞などが細川護煕氏支持の報道を始めるのでしょう。
頑固さ故の思いつきを押し通したい小泉純一郎氏の思惑で、思いだけの細川護煕氏が都知事になるのは日本の将来や東京都のためにはならないでしょう。
続きを読む 猪瀬直樹献金問題と細川護煕佐川急便一億円未返済。「脱原発」一点で支援の小泉純一郎氏、対策などは示さず